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宇宙警備隊人事に隠された闇とは?

K.S.R.C ResearchReport FileNo.200204
オリジナル公開日 2002/7/8 報告
報告者:Ken-chang

 ウルトラの父は”ウルトラの星”こと「光の国」の科学技術庁長官である。その科学技術庁直属の組織に、宇宙警備隊がある。

 その宇宙警備隊の組織構造は不明点が多いが、各銀河系方面毎に支部があり、その恒星系毎に部が、そして各惑星毎に課があるようである。

 さて、我々の住む天の川銀河系の担当はどうなっているのであろうか。
宇宙警備隊の組織変更は1975年までは、ほぼ1年毎に行われていた。現時点での組織がどのようになっているのかは不明であるが、それまでの年代別組織は以下の通りである。

 ご覧になっても分かるように、ウルトラの星では年功序列制度が色濃く残っている。地球防衛という任務に就いた順番を見ると、見事に年齢順になっているのが見て取ることが出来るだろう。
 しかも、年代が後に行くほど就任年齢が若くなっているのである。これは、宇宙警備隊の若帰り政策の一端だろう。

 地球課長の任務に1年就くとその上のポストである太陽系部長に、太陽系部長の後は銀河系支部長にと順々に上の役職へとスライドしていくのが、宇宙警備隊の人事である。

 さらに、地球防衛任務後の役職を見ると”基本的に”年齢が高い程、高い役職に就いているのである。このことから、年功序列であることが分かるのである。

 ここで、”基本的に”と書いた理由は、ウルトラセブンの扱いにある。

 彼は地球課長の際、過労死寸前まで行きながら、その後1975年には再び地球課長という激務に就いている。(1974年に地球課長を務めたタロウが翌年、太陽系部長に就いていないのは、彼が職場放棄をした影響である。タロウのその後については後述。)
一旦は銀河系支部長まで昇ったセブンともあろう者がである。

これは一体どういうことか。

その理由はいくつか考えることができる。

1.越権行為に対する警告処分

 セブンが初めて地球に訪れた際の担当は宇宙警備隊の地球課長としてではなかったのだ。恒星観測が本来の目的であったのである。それにもかかわらず、宇宙警備隊の地球防衛という職務に口を挟んでしまったである。

 このことが、ウルトラの星でも問題となったのではないのだろうか。

 これは、セブンが過労死寸前だった時の彼の上司の行動が物語っている。(当然、この時の上司はウルトラマンでもゾフィーでもなく”セブン上司”である。)

瀕死のモロボシ・ダンの枕元に立つセブン上司

彼の上司は過労死寸前のセブンに対し、イメージだけで忠告を行っているに過ぎない。ウルトラマンがゼットンに倒されたときに、命まで持ってきてくれたゾフィーの行動と比較すると差がありすぎる。

 このことから、セブンの上司に何らかの圧力が掛かったと見るのが妥当であろう。

 この圧力はセブンがウルトラの星に生還してからも続き、新マンがピンチの時にウルトラブレスレットを届けるだけという小間使いまでやらされていることからも伺い知ることが出来る。

2.レッド族に対する疑惑

 ウルトラの星の住人は大きく2つの種族に分けることが出来る。
ウルトラマンに代表されるシルバー族とセブンに代表されるレッド族だ。
最高権力者でもありシルバー族でもあるウルトラの父とウルトラの母であるが、その実子であるタロウはレッド族の血を強く引いているように見える。

 このことから、一つの疑惑が浮き上がっているのだ。
 それは『ウルトラの母、不倫疑惑』である。

 このことはウルトラの星ではタブーとされているため、誰も声に出さないのが実状だ。
しかし、タロウがレッド族の血を引いているのは明らかであろう。
当然、ウルトラの父もこのことに対し気付いており、不倫相手の特定こそしてはいないものの、レッド族に対する嫉妬は相当のものがあると言われている。

 そして、その犠牲になったのがセブンだというのだ。

 過酷な任務である地球課長という職務に2度も就かせ、年下であるエースや新マンを彼の上司のポストに就かせたのである。

 ウルトラの父の怒りをかったレッド族への見せしめとしてのセブンという位置づけだ。

 こういった点から、実力ではゾフィーに次ぐセブンであるが、その待遇は不遇といわざるを得ない状況である。

 では、ゾフィーが引退した場合、次期宇宙警備隊隊長は誰になるのであろうか。
年齢と役職、経験から言えばウルトラマンなのだが、恐らくそうではない。
それは、ウルトラマンタロウだと思われる。

 ウルトラの星の最高権力者は実質的に世襲制である。
タロウは、いずれウルトラの星の最高権力者になることがほぼ確定している。
とはいえ、それなりの経験を経なければ、ウルトラの父としてもメンツが立たないのも事実だ。
 1万2千歳という”若さ”で地球課長の任務に就かせ、彼がピンチの時には宇宙警備隊の総力を挙げてフォローし、地球課長というポストでの汚点を残させまいとしたことは明白である。

 しかし、ウルトラの父の唯一の誤算は、タロウが地球課長任期終了後に、ウルトラの星に戻ってこなかったことである。
当然、このことはウルトラの父にしてみれば許せざる行為であり、何としてもウルトラの星に帰還させなければならなかった。
そこで、ウルトラの父は当時地球に滞在していたタロウの友人でありガールフレンドであったコメットさんに裏から手を回し、強制的にウルトラの星へと帰還させたのであった。

 さすがのウルトラの父もそのままタロウを高い役職に就かせるわけにもいかず、しばらく様子見の状態ではあるが、最終的にはタロウの経歴の一つとして宇宙警備隊隊長の椅子を用意しているのは疑う余地のないところである。


<補足>

ウルトラ一族の年齢を見てみよう。

ゾフィー
 2万5千歳。
 ウルトラ兄弟の長兄。宇宙警備隊の隊長として活躍。

ウルトラマン
 2万歳。
 最初に地球課長を務めた人物。

ウルトラセブン
 1万9千歳。
 本来は軌道図作製のためM78星雲から地球に派遣された恒点観測員340号。
 ウルトラマンタロウとは従兄弟同士(ウルトラの母は伯母)。

新マン
 1万7千歳。
 帰ってきたウルトラマン。別名「ジャック」。
 初めて地球に来たのに「帰ってきた」と言われ続けたある意味可愛そうな人物。

ウルトラマンA(エース)
 1万5千歳。
 ウルトラの父と母に育てられた孤児。

ウルトラマンタロウ
 1万2千歳。
 ウルトラの父と母の実子。

ウルトラの父(ウルトラマンケン)
 16万歳。
 ウルトラマンタロウの実父。宇宙警備隊最高指令官。
 全隊員から文字通り父と慕われている。

ウルトラの母(ウルトラウーマンマリー)
 14万歳。
 ウルトラマンタロウの実母。救護部隊・銀十字軍の隊長。

ウルトラマンキング
 20万歳以上。
 正体は謎だが、ゾフィーの祖父ではないかという噂もある。

ウルトラマンレオ
 1万歳。
 M78星雲のウルトラ戦士とは、同じ祖先を持つ。

アストラ
 1万歳。
 ウルトラマンレオの双子の弟。双子の割にはそっくりではない。


1975年

 この年(1974年から1975年)は、地球はウルトラマンレオに守られているように見える。しかし、レオは宇宙警備隊とは関係なく、当時の地球課長であるセブンが戦闘不能になった時、たまたま地球に来ていたレオに地球防衛任務の依頼をしただけに過ぎない。
 本来なら、地球課長であるセブンがその任務を続行不可能になった場合、代わりの者を派遣するのが正当な人事であるはずだが、セブンの代役が宇宙警備隊から派遣されることはなかったのである。
 ここでもセブンバッシングが行われたのであろう。

コメットさん
 実写版とアニメ版がある。
実写版は2回制作されており、最初は九重佑三子さんが演じている。(1967年7月3日~1968年12月30日)
2回目は大場久美子さんが演じている。(1978年6月12日~1979年9月24日)
 タロウは大場久美子さん演じるコメットさんの第43話「初恋の人ウルトラマン」において、ウルトラの国へと帰還するのであった。


<解説>

ウルトラ兄弟

 ウルトラ兄弟とはゾフィーを中心に結成された宇宙警備隊の精鋭戦士団のことである。実際に血の繋がった兄弟のことではない。
そのメンバーは地球課長経験メンバーで構成され、彼らとは実の兄弟以上の信頼感で結ばれている。

 ゾフィーが結成した”ウルトラ兄弟”は本来、宇宙警備隊の正式組織ではないのだが、その活動において効果的な実績が残されていることから、実質的に黙認状態である。

 しかし、その実績とは裏腹にゾフィーの目論見は別にあるという見方もある。

 というのも、実力はウルトラの星No.1と言われつつも自分の名前を冠した番組が存在しないことに苛立ちを感じたゾフィーが、何とかして自分の番組を制作させようと言うプロモーションだというのだ。

 確かに、ゾフィーは様々な作品に出演してきてはいるが、主演の作品は一つもない。
(1984年に映画「ウルトラの戦士VS大怪獣軍団 ウルトラマンZOFFY」という作品が公開されたが、この映画は過去の名場面をつなぎ合わせたものに過ぎず、ゾフィーの役回りは映像と映像の繋ぎの案内役としてである。)

 地球を故郷に持った平成ウルトラマンシリーズも良いが、原点回帰でM78星雲ウルトラマンシリーズの制作もしてみたら如何であろうか。
もちろんタイトルは「ウルトラマンゾフィー」で決まりである。
(2022/5/15筆者注:2006年にM78星雲ウルトラマンの新番組が放送されたが、タイトルは「ウルトラマンゾフィー」ではなく「ウルトラマンメビウス」であった。)

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