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映画「ロックフィールド」を見ました

下高井戸シネマで、映画「ロックフィールド・伝説の音楽スタジオ」を見てきました!

クイーンの映画「ボヘミアン・ラプソディ」の中で、まさに「ボヘミアン・ラプソディ」をレコーディングするとき、なんか山の中の原っぱみたいな場所で、みんな寝泊まりしながらやってるな〜と思いましたが、あれがロックフィールド・スタジオなんでした。あの映画の中では説明はなかったけど。

場所はウェールズというロンドンから何百キロも離れた田舎で、牧場の息子兄弟がロック好きが講じて、牛小屋や豚小屋を改装して、どんどん機材を揃えて録音スタジオを作ったら、有名なバンドが集まってきた、という。いろんなミュージシャンのインタビューが入ったドキュメントです。

例によってというか、最近の音楽ドキュメントにありがちな、要所要所で、アニメーションでのコミカルな表現も入ってます。

最初は1970年頃、ブラック・サバスのデビュー盤を作るとこから始まって、ホークウインドとか、クイーンとか、80年代になるとシンプル・マインズから、イギーポップやデヴィッド・ボウイと一緒にやった話とか、ツェッペリン解散後のロバート・プラントのソロとか。

世の中が、ダンス物やPC録音も始まって、ヒマになるかと思いきや、ストーン・ローゼズが何年も滞在したことで、マンチェ系のバンドが次々訪れるようになり、90年代になってからロックの聖地として、大繁盛という。

後半はオアシス、シャーラタンズ、マニック・ストリート・プリーチャーズ、ブー・ラドリーズなどが出てきます。スタジオの歴史と平行して、それぞれのバンドストーリーにも突っ込んだ話がいろいろ出てくる。最後の方にコールドプレイも若手って感じで出てきたね。

まあインタビュー証言だけならTV番組や配信でもよいと思いますが、その牧場の広大で美しい風景はスクリーンならではでした。音楽で稼げるようになっても、牧場もやめないで牛たちも飼い続けてる。その田舎の、のんびりしたムードに引き込まれて眠くなっちゃうとこもありますが!

しかし毎度、リアム・ギャラガーが兄貴の悪口をゆってる図は、それだけでもはや面白伝統芸みたいな、銭の取れる話術だね!

あとスタジオの映画なんだけど、録音が終わると、田舎の小さな街にもパブは何軒かあって、みんな飲みに出かけてたって話もよく出てくる。リアムが店で知り合った酔っ払い仲間をそのままスタジオに連れてきたのが、ノエルとの喧嘩の原因とかそういう。

聞いてるうちに、できれば、そのパブ自体も取材して、もっと見せてくれればいいじゃないか!て物足りない気もした。スピンアウトでもう1本作ってくれてもよいね。

エンディングでこれまでレコーディングしたバンドの一覧表みたいのが出てきて、こんなにたくさんやってたのか、あの人や、この人にもインタビューしてほしかった! とか思ってしまうね。今はみんなパソコンだけで録音できるから、スタジオなんて、と悲しげな話にもなるんだけど、実際は2010年代以降でも、まだ使われてるのがわかる。

あと、前から「なんか昔のイギリスのバンドで、スティーリー・ダンみたいな雰囲気のバンドいたけど、なんだっけ?」って思ってたのが

ACEってバンドの「ハウ・ロング」て曲だった、と、この映画のおかげで思い出せた。エンディングタイトルで象徴的に使われています。今の時代だからこそ、渋い魅力の伝わる名曲じゃったね。


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