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離-ロ-ほ】狂言『附子』を食べてみたれば

和ろうてござるか〜

わたくしは小さい頃より
食いしん坊でござる
幼稚園児のころ大人用のハンバーグランチが食べきれず
残して泣いたことがあったそうでござる
出されたものはできることなら
きれいにさらえたいのは今も変わらずでござる

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが
もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて
皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。
なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

大胆にも附子=毒?を一口
あーむあむあむあむと😋食べた太郎冠者

堪らん堪らん!と伏したるところへ
次郎冠者が駆けつけ

「気をハッタとお持ちゃれ」と腕を引けば
「誰じゃ誰じゃ」とまだ朦朧としております
「みどもじゃわいヤイ」と云う次郎を見上げ
「ええい!次郎冠者」と応える太郎

どうやら
滅却する様子のない太郎は

「堪らん、堪らん! 美味うて堪らん!!」

次郎「して〜附子はなんじゃ?」
太郎「そりゃ見よ!砂糖じゃ」

黒うドンミリしているのが
砂糖と云うことは黒糖か黒蜜あたりでござろう

二人は代わる代わる扇を逆さまに桶に入れ

柄に付けては食べ

「このような美味いモノは食うたことがない」
「ただ食え、ただ食え」
「頤(おとがい)が落つるような」
「さてもさても美味いモノじゃ」
「手の離さるるものではない」

太郎が脇柱の方へ持って行き一人で食べると
次郎が目付柱へ持って行き一人で食べる

結局仲よく真ん中に置いて
食べまするが、残り少なくなったと見るや
食べ続ける次郎を置いて
太郎は常座へ

ほどなく空になって次郎は

「よぉ!附子が皆になった」〜皆になるとは‘すっからかん’になるの意

これに「良いことをおしやった」と太郎冠者、その意図は
主人が毒じゃと嘘までついて二人に食べさせぬようにしたものを
皆にしてしまっては良いとは言わぬであろうと
次郎におっ被せる物言い

次郎に言い返されては

これは戯れ言(ざれごと)じゃww by太郎冠者

さて附子を食べた言い訳をどうするのか?
次郎冠者は
それが気になる
さて太郎冠者の提案は…こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗

この狂言noteはけんすけ福のかみが大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる

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