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呂-リ】狂言で響く声をつくる

和ろうてござるか〜

狂言師に限らず
舞台で生の声を客席に届かせるような生業の方は夫々自分の声を育てられておられることでござろう

如何に舞台に映える声を作り上げてゆくものか
わたくしには方法論などはござらぬが
身体全体を楽器のように共鳴させる、などと伺うたこともござる

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが
もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”となって
狂言へとご案内するべく描いてござる
なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

狂言のお稽古は口伝でござる

師匠が目の前にて発声した台詞を
できるだけ同じような抑揚で、
できるだけ同じような声量で
真似をするお稽古

もちろん同じ声量が出るものではござらぬが
それ以上に違うのは、響き渡る声なのでござる

口伝でお稽古する上は、この響く声を目の前で
間近で聴くことができると云うことでござる

共振、共鳴する身体

この深く響く声を間近に全身に受けることは
ことのほか、貴重な体験であろうと存ずる

通常の舞台ではいかに最前列に座ろうとも
これほど間近で聴くことは叶いませぬ

最初の口伝、すなわち台詞稽古では
一間程度の距離で向かい合ってござる
この近さで身体に響くプロの台詞を聴けるのも
お稽古の醍醐味のひとつだと感じてござる

数稽古、量稽古が舞台に映える声をつくる

立ってのお稽古が始まりますれば
こちらの台詞が染むまで
時にはより近くにて口伝が続きまする
間近からの発声に身体を響かせるうちに
抑揚を身につけ台詞を覚えるのでござる

わたくし自身は青年時代から舞台映えのする大きな声だと云われ
自身もさよう思うてござったが
カルチャー教室でお稽古を数年続けた頃
自身の身体に反響する声が違うことに氣づき

さらに社中で舞台に立つことを踏まえてお稽古するうち
それまでとはまったく異なる響きのある声が出ていることに氣づいてござる

これは口伝で習い、繰り返しその感覚を思い出しつつ
お稽古を繰り返したからこその成果であろうと思うてござる

こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流茂山千五郎家 島田洋海社中にて
狂言を学んだことをモトに
実際に狂言を(できれば生で)観て
和らいでもらいたいと願うて描いてござる🖋

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