見出し画像

太郎冠者が無断で留守にする狂言がござる

和ろうてござるか〜


わたくし子ども時代は、とってもいい子で育ったように思うてござったが
そうでもなかったように最近思えてきてござる😆

軽いイタズラのつもりで近くの木材加工所の資材置き場に隠れていたら
近所の人を巻き込んで探されていてとても驚いたことがござる
だまって姿を隠すのはほどほどにした方が良いと学んでござる

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜


狂言では主人や大名にだまって奉公を休む太郎冠者がござる
現代の会社員ならば無断欠勤でござる

これが一日や二日ならず五日も十日も休むそうでござる
携帯電話はおろか、自宅に電話があるわけではない時代でござる
代理の者か文でもよこせば揉めぬものでござろうが、
そんな気の利いた太郎冠者では、狂言にはならぬのでござる

無断欠勤して何処へ行く 不奉公物

このだまって奉公を休む太郎冠者は
現行の狂言の中にたくさんござって
これらをまとめて”不奉公物”と申しまする

たいてい主人が一人常座に登場し

召し遣う太郎冠者が自分に断りもなく
いずかたへやら行ったようなれど・・・

ようよう夜前、まかり戻ったとは申せども
いまだそれがしが前へ目見えもいたさぬ
言語道断!憎い奴でござるによって・・・

などと云い、太郎冠者の私宅へ乗り込むのでござる

大名屋敷の使用人と申しますると
大きな屋敷の中に使用人部屋があって
寝食を主人と共にしているイメージでござるが

この不奉公物の太郎冠者は独立した私宅を持ち
そこから通うているようでござる

そもそも召し抱えるものも一人か二人がせいぜいの
主人が多ござるが、この太郎冠者以外に食事の支度をするものや
他に雑用をするものがいる主人もいるようす

主人と太郎冠者の関係には
多様さがあるようでござる

こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?