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離-ロ-は】狂言『附子』の附子が登場でござる


和ろうてござるか〜

見るな、と言われれば見たくなり
近寄るな、と言われれば近寄りたくなる
ふざけるな、と言われれば…

このブログでは狂言好きのわたくしけんすけ福のかみが、もっとも狂言らしい登場人物“太郎冠者”の名を借りて皆さまを狂言の世界へご案内するつもりで描いてござる。なにとぞ和らいだお心もちにて読うでくださりませ〜

一人で出かけるという主人が
二人の前に鬘桶を一つ
持ってまいって正先へ置き

主人「これはぶすじゃほどに、そう心得てよう番のせい!」
太郎「それならば両人とも、なあ」次郎「おう」
揃って「お供にまいりましょう‼︎」

主人はそこで、何故か?と訊きますれば

太郎「イヤそのモノが‘お留守’をいたせば、他にお留守はなあ、」「おう」
   「要りまするまい」

‘ぶす’を‘るす’と取り違えたのでござるが
桶が留守番をするわけがなかろう!
などと思わず😆
おおらかな心で観てござれ

間違いを主人にたしなめられ
さらに注意事項を伝えてござる

「この附子は向こうから吹く風に
 当たってさえ滅却するほどの
 大の毒じゃほどに、そう心得て
 よう番をせい」

滅却と字で見れば察しも付きましょうが
附子の方から吹く風に当たれば
死んでしまうほどの毒じゃと申しまする

これに次郎は疑問が湧きまする

「風に当たってさえ滅却するほどの大の毒を
 頼うだお方(あなた)には何として
 お取り扱いなされまするぞ」

主人が申しますには
この附子は持ち主を想うモノで
その主は大丈夫だそうでござる

二人はこの説明になぜか納得
主人はそのまま出掛けまする

二人は附子から少し離れてお留守番を始めてござる…ところで

こんにったこの辺りにいたしましょう
またお目に掛かれましたら嬉しゅうござる🤗
この狂言noteはけんすけ福のかみが
大蔵流 茂山千五郎家の狂言を中心に学んだことや思うことを描いてござる

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