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Silicon Valley Bank, FDIC, USDCを考察してみた。

Silicon Valley Bank(SBV)が10月9日から取り付け騒ぎを起こして倒産した。その影響を受けてCircle社が発行しているステーブルコインUSDCのドルペッグが壊れ一時は約20%下落した。(日曜日日本時間夕方現在は約5%)

CoinbaseでのUSDCチャート
BittrexのUSDCチャート

それではSBV, FDIC, USDCについて以下10点まとめる。

  1. SBV破綻の経緯。だいたいこんな感じ。

2.SBVはカリフォルニア州金融保護機構(CDFPI)の監視下に置かれ、財産整理のため連邦預金保険機構(FDIC)がその業務を任命された。

3.上記FDICの発表によるとSVBはカリフォルニア州とマサチューセッツ州に合計17店舗ある。

4. FDICによると現金預金は$250,000までは保険対象になっており、3月13日(月)の営業時間開始前までに対象者は全額アクセス可能となる。$250,000以上の現金預金、その他金融商品の債権者はSBVの残りの財産を整理しながら支払い開始される。

5.ステーブルコインUSDCの発行元Circle社はSVBに現金$3.3billion(約4,450億円)を預金していた。Circle社USDC発行担保の資産の合計は$42.1billion(そのうち$32.4Bが米国短期国債、$$9.7Bが現金)Silver Gate銀行に預金はない。

6.Circle社は先週$5.4billionを米国の最大手銀行のうちの一つBNY Mellon銀行に資金を移していた。(筆者:なにか知ってた様子。)

7.Circle社はSBVがFIDCの管理下に入る3月10日金曜日の前日、3月9日に$3.3bの送金依頼をしていた。残念ながら金曜日営業日終了までに送金は完了していなかった。

8.FDICのルールでは差押される前日の送金は執行されるはずと理解している。その場合全額が明日3月13日(月)受け取れる可能性がある。

9.FDICはその他の預金者、債権者に対して借用証書(=管財人証書)の発行行う。この場合Circle社には全額戻るとは限らず、戻るとしても時間がかかる可能性もある。その場合Circle社は現在の社内のリソースまたは、外部からの支援を仰ぎ、1 USDC= 1USDの換金を可能にする。

10.USDCの発行にはCoinbase社も資金を提供している。CoinbaseはUSDCからUSDへの交換を13日月曜日まで停止している。

というわけで、連邦預金保険機構(FDIC)のWebsiteを見るとなんだか、財産整理業務はかなり慣れてる感じだ。FDICは1920年代からの大恐慌時代に多くの銀行が倒産したので1933年に設立された。

2001年から2023年までの21年間で562行が倒産しておりその財産整理に対応したようだ。

Tether社が発行するステーブルコインUSDTより、信用度が高いとされているCircle社のステーブルコインUSDCのペグがブレイクするとその影響はクリプト業界には非常に大きくなるだろう。だが、そもそもフィアット側の銀行が破綻したので、明日からの国際金融市場全体が非常に不安定になるだろう。

以上。

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