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スポーツとは

VOREAS,INC.の池田です。

このような形でノートを書くとは思っていませんでしたが、ふと、飛行機の中で思考の整理と私の想いを書きましたのでお付き合いいただければ幸いです。
こちらのノートはあくまで個人的な意見です(と言っても無理があるのも承知の上です)

先ずもって、新型コロナウイルスの感染拡大のニュースが世界に飛び火し混乱と恐怖に包まれている事と収束をお祈り申し上げます。また、感染された方々におかれましては、いち早く回復される事と、回復をされている症例も増えている事からこの未知の恐怖から解放される日が来る事を願うとともに、この新たなウイルスにより、お亡くなりになられた方々とそのご家族、ご友人に心からお悔やみ申し上げます。

また、国全体が自粛のムードの中、飲食店や宿泊業、そしてエンタメ業等経済的なダメージを受け影響を受けている方々、企業の皆さまにおかれましてもいち早く普段の経済循環に戻る事を心から願っております。

 私の仕事はスポーツですが、娯楽、エンタメの部類にあると思っています。チーム設立時から目標として、「最短での日本一、そしてカッコ良いチームを」という事を目標にただただ突き進んで参りました。新参者の、またよそ者の私たちを受け入れてくれたバレーボール関係者の皆様には感謝しておりますし、最初は本当に賛同者が少なく正直驚きましたが、「スポーツの枠を超えた地域に必要なエンタメ」として評価をいただき、ご支援をいただき、Vリーグ機構の皆様、バレーボール協会関係者の皆様、企業の皆様、自治体関係者の皆様、地域の皆様、全国の他競技スポーツビジネス、アスリートの皆様、北海道、全国のバレーボールファンの皆様、その情報を伝えて届けていただいたメディアの皆様、そして私のわがままな想いに集まってくれた選手、チームスタッフに支えられここまで結果を残しながらなんとかトップリーグ挑戦の権利を獲得する事が出来ました。

改めて、今こういう状況になり、皆さまの熱い声援、励ましの声に本当に、本当に感謝しております。

誕生から僅か3年半、やってきた事は無駄じゃなかったんだと日々改めて実感しております。
と同時に、最後までやりきらなくていけないとも思います。

正直に申し上げて、「頑張れ」の言葉が辛く、重いと感じる事もありました、「まだ頑張らないといけないのか、どこまでやれば良いのか」と答えと前例の無い意思決定をし続ける日々でもあります。(特に最近)

私がこの地にプロのバレーボールチームを作る事を選択したのは、勝算やテクニックも何も無く純粋な「想い」のみです。

今でこそ沢山の方々とお会いさせていただき、その中で様々なテクニックや理論を学びましたが本質的には何も根拠はありませんでした。

ただ純粋に今の私を育ててくれた北海道という地域とバレーボールという競技、そして、未来の日本と次世代の子ども達の為に自分が何ができるか、そしてなんの為に生まれてきたのかその答えをここに見出したからです。
(自分には何も無いのもわかっていますし、まさかこんな人生になるとは1ミリも思っていませんでした。学歴も無く、資格も無く、人前で話すも苦手で、、。)

北海道はこんなにも資源と環境がありながら経済的にも良い方では無く、特に地方は疲弊し、人は居なくなり、国や北海道、行政に頼らなくては生活が出来ない状態になり、どんどん貧しい暮らしと思考になっていってしまうと、物の価値の尺度が額面上の値段でしか判断が出来ないようになり、他人を敬う事(通常受けているサービスや使っているもの全てが誰かのお陰である事を忘れて)から自分の生活を守ることを最優先に(勿論大事です)なっていく思考を何処かで止めなくてはいけないと思いました。人々が助け合い、地域の事を一緒に考えられるようになれば嬉しいです。

我々の業種は「スポーツ=エンタメ」です。いわば、娯楽です。無くても特に生物学上は全く問題ありません。
ですが、エンタメ、アートの無い生活を想像してみて下さい。もはや人間としての尊厳は無いと思います。

我々は人間であるからこそ感情があり、泣き、笑い、怒り、感動し、喜び、愛を感じると思っています。
わからない困難にぶつかった時こそクリエイティブに、人間らしくありたいとも思います。

それらの無い人生など、確かに生きてはいますが心は死んでいるも同義だと思います。

ですから、私達は本当に小さな小さな存在ではありますが、特に地方においてはそういう存在として、もしかしたら存在意義があるのではないかと思っていますし、まさにスポーツとは多くの人々が同時に、泣き、笑い、喜び、怒り、感情が動くものだと思っています。

特に地方の子ども達においてはそのような機会が本当に少なく(全てを否定している訳ではありません)その一助になればとも思っておりました。

繰り返しになりますが、僅か3年半の活動にも関わらず多くの方々に支えられてここまで来れた事に感謝しておりますし、それぞれどう感じ取っていただけたかはわかりませんが、一定の存在価値としては評価していただけているのかな
と感じております。

バレーボール業界についても同様です。競技人口の減少(子ども減少以上に)トップチームの競技力低下、指導者不足、体罰問題など。こんなにも素晴らしい競技にも関わらず、バレーボールという競技を知ってる人が多いにも関わらず、まだまだその魅力と可能性を知らない方がこんなにも多くいる事を知り、この競技によって育てられた身としては何とか恩返しをしたいと思いました。

バレーボールはコンタクトスポーツではなく(接触しないスポーツまた、ボールをホールド(止める)事が出来ない競技です。またチームスポーツであり、戦略的で局面の意思決定のスピードが求められる競技です。そして一人で点は取れない競技です(サーブ除く)。感覚的には8:2でチームワークに重きが必要な競技だと思っています。勿論、どの競技も魅力的で好きですが、こんなに教育的で学びの多い競技であるバレーボール(私は、サッカー、水泳、バスケ、スキー、バレーボール経験済です)が好きですし、だからこそ難しい競技だと思っています。

そしてこれらの魅力を様々な方に知ってもらうにはよりオープンにそして何よりマーケットを大きくしない限り解決できないと考えています。そういう意味ではバレーボールリーグのプロ化はこの競技の未来を考えるときに迷う必要の無い選択です。

残念ながら過去にバレーボールもプロリーグ構想が幾度となく議論されてきていますが、結論は出ず、少しずつ少しずつではありますが方向性としてはその方向に向いてきているんだなと感じるようになりました。

我々はそう言った意味では、傲りかもしれませんが、Vリーグ機構の掲げる、「ファンファースト、地域に根差すチーム、エンタメ化、事業化」というところで行くとその体現のモデルケースとしてやっていると実感しているところではありました。が、心情としては必要とされて居なかったのかなと落胆してはいます。残念ながら、現時点で今までと同じように純粋な、熱い気持ちで臨めるか、と言われるとお応えしかねます。(ヴォレアスと関わる皆さまへはもちろん変わらずです)

プロ化というは、契約上のプロという訳では無く、全てのステークホルダーに対しプロであるという事、チームは勿論、運営会社、リーグ、審判、関わる全ての人がお互いに敬意を払う前提の下に成立します。

今回の決定についても、日々変化する状況下でありますから、判断については難しい事は重々承知しておりますが、だからこそ結論を早めずにあらゆる手を尽くして欲しかった事と当事者を含めてコミュニケーションを取って欲しかったと思うところではあります。他にも色々と思うところはありますが、あと一つだけ言うとするならば、放映権やリーグスポンサーの兼合いで事情はあるのは理解できますが、ファンにとってはファイナル、チャレンジマッチは等しく同じ価値の大切な試合であり、それぞれに関わる人々が膨大にいるという事です。

今後、どの様な結末になるかはわかりませんが、今思うのは、なるべくしてなっているという事。なるようにしかならないという事。そしてやれる事をやるという事です。この困難がまた自分を強くしてくれる。そして、今の私を動かす原動力は間違いなく、支えていてくれている皆さんです。幾度となくホームゲームでの皆さんの様子がフラッシュバックしてます。その度に「自分に出来ることはまだあるはずだ」と。

スポーツの力は無限だ。


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