20歳で見つめる自分史⑥【理系男子編】

今回は【理系男子編】という事で、中学校の間にあった「科学がらみ」の出来事を振り返ってみたいと思います。

前回の記事はコチラ

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「動物のお医者さん」

皆さんは『動物のお医者さん』という漫画をご存じですか?

舞台は北海道のH大学の獣医学部。主人公は学生なんだけど、登場人物が色々ぶっ飛んでいる(笑)。ネズミ嫌いなのに獣医学部来ちゃった人とか、校舎の屋上にスケートリンク作っちゃう教授とか。あと動物もかわいい。

中学生の頃(もしかしたら小学校高学年の時かも…)にこれを読んで当時の千島少年は「獣医学部いいね!」と思いました。

理由としては、作品で描かれている大学生のユルい日常描写や、周りに動物がいるあの環境、そして「獣医師」という職業に憧れた、っていうのがあると思う。あと北の大地のロマン(笑)。

とにかく僕はこの時自分の夢を「獣医師」に定めました(定めただけ)。

今思うとこの時の僕は、生きものに関連した仕事を将来の進路に据えることで、「生きもの好き」としてのアイデンティティーを保とうとしていた気がする。

職場体験

で、中2の冬にあった職場体験の時には、学年の中で「獣医師になりたい」と言っている生徒が僕しかいなかったので、先生方が僕のところに動物病院の枠が回してくれた。本当にありがたかった。

そこで2,3日間、職場体験したわけなんだけども、そこで院長先生から「読んできなさい」と言われたのが『ソロモンの指環』という本。これはカモの「刷り込み」を見つけた、動物行動学者のコンラート・ローレンツという人が書いたエッセイなんだけど、この本の2章「被害を与えぬものーアクアリウム」(注:「アクアリウム」は「水槽」の意味)っていう箇所がすごく面白くて、心を動かされた。ついこの間、その本を見つけて買って読んだんだけど、今読んでも面白かった。以下、一部抜粋。

アクアリウムを前にしたこのような瞑想の間に私が洞察しえたすべてのものを秤の一方の皿にのせ、もう一つの皿には私が書物から得たものをのせたとき、あとの皿はどれほど高くはねあがってしまうことであろうか!

それで肝心の体験なんだけど、とてつもなく暇だったという(笑)。そもそも病院に来る人(動物?)が少なかった。だから実際にやったのは、顕微鏡で犬のウンチを観察したのと、犬を洗ったくらいだった(笑)。そのほかの時間はずっと院長先生の話を聞いていた。

ここら辺で、獣医師ってこんな感じなのか…と現実を突きつけられた気がする。でも「自分は生きもの好きだから」っていう風に思いこむことにより、今後も将来の夢は獣医師に据えたままとなる。

楽しみだったこと

学校の友達で、僕と同じくアクアリウム好きな人がいたので、彼とよく熱帯魚屋に行っていた(一人でもよく行ってたけど)。かなり大規模な店だった。どのくらい大きかったかというと、生体コーナーを一回りすると、まるで水族館に行った気分になるくらいだった。それを見るのが結構楽しかった。

それで今思うと本当に不思議なんだけど、当時の僕は「すべての生きものを好きになれなければ、真の生きもの好きとは言えない」という謎のこだわりをもっており、それで自分をかなり傷つけていた(笑)。

例えば、あまり心がときめかない魚に遭遇したり、父親が録画してくれた生物特集番組を見る気が起こらないときに、「僕は実は生きもの好きじゃないのかもしれない」と思ってモヤモヤする、ということが割と頻繁にあった。

今は、人それぞれ好みがあるのは当たり前だし、嫌いなものを無理やり好きになる必要はないよね、っていう風に思えるんだけど、当時の僕はそういう強迫観念に縛られていた。

まとめ

振り返ってみると、このころにはすでに、サイエンス方面に導かれている感がかなりある。特に自分でアクアリウムをやったり、生きもの関連の本を読むことで、自然とか環境に関する興味・関心はかなり養われたのは確か。

でも一方で、「生きもの好きの千島健伸」という強迫観念にはかなり苦しめられていたことも浮き彫りになった。よく言えば「理想像」ともいえると思うんだけど、「こうでなくちゃいけない」という思い込みによって、自分が本当に好きなものが隠されてしまったり、自然体の自分が歪められたりしていたならこの「理想像」ないしは「強迫観念」はかなりマイナスに作用していたと思う。憧れとか持つのはいいけど、それによって本来の自分、唯一の自己をねじまげるのはよくないという事か。一体この理想像はどこから来たんだろうか。きっと何か根源となるような人物とか出来事がいるんだろうけどな~。思い出せない。

今のところ、将来は科学の側面から、環境・エネルギー分野に取り組みたいという風に思ってるんだけど、このインタビューで社会人の方が「今の自分が何をしたいのか?それに基づいて自分の過去を振り返るのがいい」とおっしゃっていたので、それを実際に試してみるべく、今回は科学系の思い出を振り返ってみました。(そのインタビューはコチラ→「「働く」のプロに聴いた!これからの働き方とは?」

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