見出し画像

リマスター版を再リリースした経緯

この度、これまでリリースした3枚のギターインストアルバムを、2022年リマスターバージョンとして再リリースしました。再度マスタリング処理を行い、各配信サイトでダウンロードが可能になっています。

マスタリングをやり直した経緯ですが、僕は、これまで出した作品のマスタリングをする際に、迫力のあるサウンドにしたい、という方向性で音作りをしていました。B’zの松本さんや、TUBEの春畑さんのインスト曲の次に自分の曲を聴いても、遜色ない音圧を目指していました。

その時はその時点ではいいと思っていたのですが、いろんな環境でいろんな人の作品の音圧、音量を意識して聴く中で、少し自分の作品は音圧を上げすぎているのではないかと思うようになりました。

3枚目のJumping to the Next Stageがすごくいい作品になって、CD単体で聴くと、とても迫力があっていいのですが、他のアーティストの曲と並べると結構音圧が強めになっていて、また、旧作をそれに合わせてリマスターしたり、1枚目のFAITH -志-を再録版でリリースしたりして、音量や音圧も結構ばらついた感じになってしまいました。これから作品を出すときに、どの作品を基準に音量を決めたらいいかわからなくなってしまいました。

そのため、3枚とも、これからの作品の基準になるようにきちんとマスタリングをやり直そうと思いました。

テーマは、長く聴いていても疲れない音です。
極端に音圧を上げることはせず、ナチュラルな元の音源のバランスのまま、聴きやすい音質に持っていくことを意識しました。
先日出た春畑道哉さんのニューアルバム、SPRING HAS COMEを聴いてみても、すごくロックなサウンドなのに耳障りがよくて、耳に優しい音になっていて、すごく参考にさせてもらいました。

ずっと一緒にアルバムの制作、ミックス、マスタリングをやっていただいている和田さんには色々と細かい注文を度々していたのですが、都度、僕の意図をくみ取ってくれて、とてもいい仕上がりにしてくれました。本当にありがたいです。とても満足いく形になったと思います。

とても聴きやすいと思うし、これからの作品を作る時もこの3枚を基準として、しっかり作っていけるなという手応えがあります。

マスタリングってすごく大事な行程で、曲をどんな印象にもできるんですけど、やっぱり、適正な音量、音圧ってものがあって、聴く人が気持ちよく、ストレスなく聴いてもらえる仕上がりにすることが一番大事だと思います。曲の良さや、迫力っていうのは、それより前の、アレンジや、ギターの音作りであったり、演奏そのものでクオリティを上げていくべきものだと、これまでの流れですごく感じているところです。マスタリングに対する考え方は、180度に近いくらい変わりました。

そんな感じで、試行錯誤と失敗を繰り返して今回配信したリマスター版は、とてもいい状態で曲を聴いていただけるものになっていると思います。是非、聴いてみてください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?