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建設DX研究所 第8回定例部会を開催しました!

みなさん、こんにちは。
建設DX研究所事務局を務めております株式会社アンドパッド 髙橋です。
「建設DX研究所」では、毎月1度、オフラインの定例部会を実施しています。
先日8月24日に、第8回となる定例部会を開催しましたので、その様子をダイジェストでお届けします。

第8回「CCUS(建設キャリアアップシステム)のリアル」

第8回の定例部会のテーマは、「CCUS(建設キャリアアップシステム)のリアル」です。

建設DX研究所のメンバーである株式会社Polyuseより、岩本さんにモデレーターを努めていただくとともに、ゲストとして、新庄砕石工業所より柿﨑赳 取締役に登壇いただき、対談形式でお話をしていただきました。

柿崎赳 取締役は、皆さんから「石男くん」の愛称で大人気のユーチューバーでもあり、建設業に特化した情報を発信する「石男くんの建設チャンネル」は1.6万人ものチャンネル登録者数となっています(2023年10月現在)。

「石男くんの建設チャンネル」で扱われるテーマは、CCUSの他、職人の人手不足、物価高騰、BIM/CIM原則化、残業規制、インボイス対応、一人親方といった建設業の業界課題から、ワークマン新商品試着会本気レビューといったポップなイベントレポートまで様々。
建設業に携わる方々にとっては、つい一気見してしまう興味深いコンテンツを多く発信されています。

株式会社Polyuseと新庄砕石工業所さんは国土交通省発注の山形県の現場で3Dプリンターを活用しながら連携して事業を展開しているいわばパートナーであり、今回はそのご縁で登壇いただくこととなりました。

今回の建設DX研究所の定例部会では、先ほど挙げた業界課題の中でも最も重要なテーマのひとつである建設キャリアアップシステム、通称「CCUS」について、実際の施工者としての立場からリアルなお話を伺いました。柿崎 取締役は、一般財団法人建設業振興基金が運用するCCUS認定アドバイザーとして認定されていらっしゃいます。「石男くんの建設チャンネル」において、CCUSについて分かり易く解説されている動画もありますので、ぜひみなさんご覧になってください。

CCUSの現状

2019年に本格運用されはじめたCCUSですが、昨年の11月ごろに登録者100万人を突破しました。令和5年までに約500万人の建設業従事者の登録が目標とされていたところですが、かなりの遅れがあるというのが実情とのこと。現時点の登録者も、約130万人に留まっています。

国土交通省HPより

国土交通省発注工事を受注する大手ゼネコンをはじめ、その下請企業など、CCUSへの登録の必要性・重要性が高い方々は概ね登録ができている状況ではありますが、一方、中小工務店や一人親方といった範囲の方々にはまだまだ広がりが少ないとの見立てとのこと。なかなか便利さが享受できていないということが現場目線で登録が伸び悩む理由であるのでは、と柿崎取締役は話されました。

CCUSにおけるレベル別年収の公表

今年6月にCCUSにおけるレベル別年収イメージが公表されました。レベル4であれば、型枠工では700~870万円程度が示されているほか、他の分野においてもかなり高い金額が示されている現状です。
現場で実際に従事されている方々にとっては、今回示されたレベル4の金額は、「働くモチベーションになる」というよりも、「実際の給与と乖離がありすぎて、現実味があまりない」と感じられることも多いそうです。

国土交通省HPより

また、登録直後はレベル1からスタートするCCUSですが、その後レベルを上げていくためには、経験年数や資格の必要性といった要件があるほか、手続きが煩雑であるといったことも課題となっているようです。

CCUSの展開に向けて

さまざまな課題があるCCUSではありますが、メリット・インセンティブを最大化しつつ、使い勝手のよいサービスとしていくことでCCUSをより多くの方々に活用されていくことが望ましいということは共通認識ではあると思います。
具体的には、就業者の一元管理、就業履歴の蓄積、レベル別年収の実現、さらには、優良な登録者への評価蓄積・レーティング、他の作成書類(施工体制台帳等)の省略化といったメリット・インセンティブの最大化、カードリーダーや毎日の手続きの手間といったデメリット・ディスインセンティブの最小化にどう取り組んでいくかについて、様々なステークホルダーで検討していく必要があるようです。

建設DX研究所事務局より

今回の部会では「建設キャリアアップシステム(CCUS)のリアル」というテーマで、実務者の経験に基づいて、解説していただきました。実際には、記事で取り上げた内容以上の生々しい議論もたくさんさせていただき有意義な定例部会になったと思います。建設DX研究所としても、CCUSは非常に重要なテーマと認識しており、今後の政策提言などにしっかりと反映していきたいと考えております。
今後もこうした勉強会・定例部会を定期的に開催していくほか、情報発信・政策提言等の活動も実施していきます。 建設DX推進のためには、現状の建設DX研究所メンバーのみではなく、最先端の技術に精通する建設テックベンチャーをはじめ、数多くの事業者の力・横の連携が不可欠だと考えています。 建設DX研究所の活動・定例部会などにご興味をお持ちいただける方は、ぜひプレスリリースを御覧いただき、お気軽にお問合せいただけると嬉しいです。