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天国へ旅立った母

昨年12月31日、母が亡くなりました。

享年84歳。

 体が丈夫で病気らしい病気を患ったことはありませんでしたが、最後の方はうつ病から認知症を発症して要介護状態でした。

 息子から見ると、母の人生とはいったい何だったのか?と今に至るまで考えさせられました。
何の趣味も持たず、がむしゃらに働き続け、ただ子供達を必死に育て上げる為だけに自分自身を犠牲にしてきました。言葉では表現できない程の壮絶な苦難の連続でした。
 父親の暴力、借金、女性問題、仕事上のトラブル、親族間の不和等、家族は一家離散を常に意識して不安とパニックのどん底を長年にわたり味わい続けました。
 子供の頃の母の記憶は、父の持ち込むトラブルと戦いながら、子供達を守るため命がけで必死に働く母の姿です。朝早くから夜遅くまでへとへとになるまで働き続けました。体力を消耗した後の日曜日の朝は、なかなか起きてきませんでした。憔悴しきった母の寝顔…
「お母さん。どこかに遊びに連れて行って…」とはなかなか子供心にも言えませんでした。
 
 母との生活を振り返った時、何か母のために、母が生きている間にもっと恩返しや親孝行はできなかったのか、今でも心残りがあります。

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