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~こんなに送ったら解除されちゃう?~メールマーケティングに駆け引きは不要というお話

メールマーケティングエバンジェリストの安藤と申します。

お客様とのお話の中でよく聞かれるのが、「どれくらいの頻度でメールを送れば良いのか」というお話です。

今回はBtoB企業に於けるメルマガの配信頻度の最適解についてお話いたします。

最適な配信頻度は "週1~2回"

いきなりクライマックスですが、BtoB企業に於けるメルマガの最適な配信頻度は週1~2回です。配信頻度がこれより少なければ少ないほど、成果を出すのは難しくなります。

そもそもなのですが、BtoB企業が出すメルマガの平均的な開封率は20%前後です。つまり、1回の配信では、5人に1人にしか情報が届いていないわけです。
さらに、メルマガを開封して読んでくれた人の中で、その後に資料請求などの行動に移してくれる人は、またそのうちの一部です。

配信頻度が少ないということは、それだけチャンスを逃しているということにほかなりません。

購読解除される理由はたったの1つ

購読解除とはつまり「オプトアウト」です。オプトアウトされたメールアドレスには、もうメルマガを送ることはできません。つまり、お客さんとの関係性がそこで終了してしまったことを意味します。

「週に1回もメールを送ったら購読解除が増えるのではないか」

このように心配される方もいらっしゃいますが、実際には、購読解除される理由は頻度の問題ではありません。

ちなみに、購読解除のベンチマークとすべき数値は「0.25%」です。

【購読解除率(Unsubscribed Rate)】
購読解除数 / 配信成功数 × 100 = 0.25%以下であること

実際に弊社では、サービスにお問い合わせいただいたお客様にメールマーケティングに関するコラムやレポート、セミナーなどをご案内しているのですが、実際に配信頻度が上がることで購読解除率が上がるのかを試してみたのですが、週7回(平日に毎日1~2通)配信した時期の購読解除率は「0.13%~0.15%」でした。
週3日配信していた時の購読解除率が0.14%だったので、配信頻度はやはり購読解除率とは関係ないようです。

読者に適切な情報を届けているのであれば、どんなに頻繁に送ったとしても購読解除率が高まることはないのです。

では、読者はどんな理由で購読解除をするのか。
この回答は非常にシンプルで「そのメールが不要だから」なのです。

まず、前提としてメールには、読者への情報提供を目的とした「ナーチャリングメール」と、サービスの導入を検討していただく「セールスメール」の2種類があります。

当然、メルマガの配信割合としては、ナーチャリングメール > セールスメールであるべきなのですが、これが逆転してしまうと購読解除率が高まります。

例えば自身が最近あるツールを選定して使い始めたばかりなのに、他社から毎週のように「初期費用無料キャンペーン」という件名のメルマガが来たら、解除しますよね?

配信頻度を増やしたことで購読解除も比例して増えたのであれば、セールスメールとナーチャメールの割合が逆転していないか確認をしましょう。

(当社では、ナーチャリングメール4:セールスメール1 くらいの割合で送っています)

メールを面白くする必要なし

読者への情報提供を目的としたナーチャリングメールを書くのが大変という場合は、大抵メールの作りに問題があります。

ナーチャリングメールの目的は読者にとって有益な情報を提供することで、読者との関係性を深めていくことです。

読者にとって重要なのはその情報が有益かどうかであって、「読んで面白い」「デザインがキレイ」などと言った要素はほとんど必要とされていません。

業界の動向であったり、営業時によく聞かれるような内容であったり、あなたの会社のそこかしこに存在する知識・ノウハウこそが読者が求めている情報なのです。

担当者の人間味が伝わるように文章に工夫しよう、凝ったデザインで目を惹こうということを考え始めてしまうと、事前準備にどんどん時間を取られてしまい、疲弊した担当者によっていつの間にかメルマガ配信が止まっていたという事態に繋がりかねません。

ぜひ上席の方から、そのようなものは不要であると伝えてあげてください。

全部読んでくれると思わない

多くの企業で勘違いしていることのひとつに、読者は開封したメルマガは最初から最後まですべて読んでいるというものがあります。

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ひとつのメルマガの中に複数のコンテンツ(記事)を用意することで、読者に選択肢を与えている = いいメルマガと思っている企業も多くあります。

しかし、実際には多くの読者はメルマガはざっと見ですし、一番上にあるCTA(リンク)をクリックしてWebページへ遷移します。リンクをクリックしてWebページに行ってしまった読者はメルマガに戻って来ませんので、つまるところ、2番目以降のコンテンツの効果はとても薄いのです。

(参考までに以下のnoteもご覧ください)


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そもそも、メルマガを読者が開封するかどうかは色々なテクニックの前に「タイミング」が重要です。
読者がメールボックスを見たタイミングで目に入っていないメルマガは、存在しないも同じです。

1つのメルマガに複数の記事を盛り込むよりも、その複数の記事を分割して複数回に分けて配信する方が読者の目に入る可能性が高まるのです。

また、成果の面だけではなく、1つのメルマガに複数の記事を詰め込むのはメルマガのネタ切れの原因にもなります。
まずはシンプルに、一通のメルマガにはコンテンツは一つで配信をしてみましょう。

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リストの質 × タイミング × コンテンツの質

メールマーケティングの成果は「リストの質 × タイミング × コンテンツの質」の掛け算で決まります。

【リストの質】
リスト内にどれだけサービスに興味・感心がある人が含まれているか

【タイミング】
読者がメールを確認する時間に一覧画面に存在したか

 【コンテンツの質】
読者のためになる内容か

リストもコンテンツも量ではなく質です。質を考えずに量ばかり追っても成果に結びつきません。

逆にタイミングについては、目に触れる機会が多ければ多いほどチャンスにつながります。
思い込みで配信頻度を落としているうちに他社に決められてしまうなんてこともあり得ます。

量と質、これらの扱いが逆にならないよう注意しましょう。