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「メールマーケティングの教科書」出版にあたって

大変、お待たせいたしました!

この度、翔泳社様より『メールマーケティングの教科書 誰でも成果を生み出せるメルマガの定石』の出版が決まりました。https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798186207

これまでnoteをはじめ、X(旧Twitter)や各メディアへの寄稿など様々なところでメールマーケティングについて発信してきましたが、(我ながら)情報が各所に散らばっており、非常に参照しづらい状態となっていました。
それらをきちんとひとつにまとめようというところから本企画がスタートしたのですが、出版準備から実に1年以上が経過してしまいました。


「自社のメルマガのやり方は、本当に正しいのだろうか」

今から10年近く前の私は、毎日こんなことを思っていました。
当時の私はクラウドサービスを扱うBtoB企業でマーケティング業務に従事しており、いわゆる「リード獲得」をミッションとして課せられていました。

マーケッターのやるべきことは多数あります。Webサイトの最適化やリスティング広告の運用、展示会への出展や、営業資料の改修、、、。

そんな中でメルマガは「やった方がいいのはなんとなくわかるけれども、どうすればいいのかは良く分からない」仕事のダントツ一位でした。

セミナーの案内や新機能の案内などを適当に文章に落とし込んで配信すれば、それなりに集客できる。調べればもっとうまいやり方もありそうなのだが、調べるほどの時間も割けない。できることならもっと負担を減らしたい。

メルマガってそんな立ち位置じゃありませんか?

その後、2016年にメール配信システムの事業責任者という立場になり、多くのお客様と接する機会が増えました。すると、多くの方が動揺の悩みを抱えていることに気付きました。

中でも共通するのが「参考になる情報が見つからない」というお悩みです。

メルマガに関する情報をインターネットで調べても、検索して出てくるのは「罫線や記号でメールを装飾する方法」と言った表面的なテクニックの話ばかりであり、「目標設定はどうしたらいいのか」とか「見るべき指標は何か」といった肝心の戦略や指標に関する話はどこにもなかったのです。これは本屋さんに行っても同じでした。

メルマガはデジタルマーケティングの手法としては比較的古くからある手法にも関わらず、マーケティング施策として昇華させるようなコンテンツが全然なかったのです。

私は現在メールマーケティングのエバンジェリストとして、多数の講演やセミナーを実施していますが、私の目標は「誰でも80点のメールマーケティングができるようになること」です。基本を押さえてしまえば誰でも安定的に成果を出せるようになります

本著では、メールマーケティングの基本から勝ちパターンまで、私が調べに調べ、実践に実践を重ねて良い結果を残せたものだけを記しています。

その裏には大きな労力と時間と失敗がありましたが、こんな苦労をするのはもう私だけで十分です。本当に。
本著に記されている基本を理解いただければ、誰でも80点のメールマーケティングが実践できるようになります。

なぜ、100点じゃなくって80点なのかと申しますと、80点より上を目指すとメールマーケティングは途端に割に合わなくなるからです。
あと20点を上げることにリソースを割くくらいなら、ほかのマーケティング施策を実施したほうがよっぽど効果的に時間が使えます。

とはいえ、世の中にはイケていないメルマガがまだまだ多数存在します。

私は仕事柄(半分以上趣味で)毎日100通以上のメルマガを受信していますが、80点以上のメルマガを出している企業は半分にも満たないのが現実です。

それは企業の規模には関係ありません。
あの誰でもが知っているような大企業のメルマガですら、まったく基本がなっていないことも多々あります。

でも、それらはマーケッターが悪いのではありません。

誰でも手を出しやすい手法であるにもかかわらず、やり方をしっかりと説明してこなかった私たちメールマーケティングに関わる人間がいけなかったのです。

本書は「メルマガの成果に再現性を持たせたい企業様」や「メルマガ担当に任命されたけれど、自己流で悩んでいる担当者様」を念頭に意識して書きました。日常ではまず使用しないような専門的な話であったり、イケてるデザインや表現力豊かな文章力など属人的な力に頼るような要素は極力記さず、独学でも学べる教科書的なものをイメージしています。
ぜひ、お読みいただいた感想をお聞かせいただければ幸いです。

目次
序章
0-1. メールマーケティングの強み
0-2. メールマーケティングは手間のわりに成果がないのか
0-3. メルマガの成果はリストの質×コンテンツ×タイミングで決まる
0-4. メールマーケティングの流れと本書の構成

第1章
1-1. 読ませるメルマガと動かすメルマガ
1-2. 覚えておきたい指標
1-3. メール配信ツールの選び方
1-4. 指標を基準に目標を設定する

第2章
2-1. 配信リストをどう手に入れるか
2-2. 能動的に受諾する顧客を増やす
2-3. 動的なセグメンテーションでリストの質を保つ
2-4. 指標を確認して日常的にメンテナンスを行う
2-5. 無反応の顧客をリエンゲージメントで復活

第3章
3-1. レイアウトとコンテンツの基本
3-2. BtoBのコンテンツ設計
3-3. BtoCのコンテンツ設計

第4章
4-1. 顧客がメルマガを読む状況を想定する
4-2. 配信頻度を増やすメリット
4-3. 登録完了画面とウェルカムメールで良い関係性の第1歩を
4-4. Win-backメールで顧客との関係を再構築
4-5. ステップメールの活用法と作り方
4-6. シナリオメールでセグメント配信を自動化

第5章
5-1. 指標を使って振り返りを行う
5-2. エンゲージメントの計測
5-3. A/Bテストで方向性を定める
5-4. 顧客への「あと一押し」を実現する

第6章
6-1. 迷惑メールフィルタの役割
6-2. 気をつけたいメール配信のポイント
6-3. 知っておくべき特定電子メール法

おわりに

この本が世の中からイケてないメルマガを駆逐すること、お読みいただいた皆さんの明日からの負担が減ることを切に願います。

2024年6月13日
メールマーケティング・エバンジェリスト 安藤 健作