自分の初期衝動

2018年1月20日、初めての著書(『深夜のラジオっ子』)の原稿がもうすぐ完成するというタイミングでFacebookに書いた文章です。これからもこの気持ちを忘れずにいたいですね。

もうすぐ完成するんですが、自分の著書を作ってみて改めて感じたのは、「他人のフンドシで相撲を取っていることを忘れちゃいけない」ということです。ライターや編集者はもちろん、メディアに関わっている人間全員に当てはまることじゃないかと思うんですよね。

人に何かを発信する仕事に携わっている以上、物事の善悪や勝ち負けを決めたり、白黒を自分が付けるような感覚になる時があって、気づかずに“全能感”を持ってしまうことがあります。これはどんなに意識しても避けられない部分で。

でも、僕自身が「こういう仕事をやりたい」と感じた初期衝動を掘り下げると、そんな身の丈にあわないことをやりたいだなんて思ってなくて。僕の場合は、「自分が面白いと思ったこと」や「感動したこと」を周りに伝えたいっていうシンプルな感情だったんですよね。しかもこの「周り」というのは、何十万PVみたいな目に見えないものじゃなく、本当に数百人とか、極端な話、好きな女の子1人に伝わればいいぐらいの感情だったんです。

で、それが仕事になってから、今まで曲がりなりにも十数年間続けてこられた理由は、「人」なんです。いろんな人に会って、いろんな話を聞くのが楽しいから。まあ、プロレス会場なんかでは相当無愛想なので、かなり矛盾している気もしますが、僕は相当な「人好き」なんですよね。これが今の仕事を続けている理由です。そして、そうして「人」と関わることから、本の企画や文章の中身が生まれていくわけで、人と関わるほうがあくまでも「主」なんです。

仕事に追われていると、自分の根っこにあるものを忘れがちですが、今年はそういう気持ちを大事にしていこうと改めて感じています。まあ、悪口、妬み・そねみ・ひがみなんかも当然自分の心の内にはうごめいていますが、それも身近な人と話して消化していけばいいかなと。

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