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「貴方が私を手に入れたのね」 眠りから覚めたのか 色とりどりに着飾った貴女は僕に語りかけた 「綺麗だね 奮発した分 頑張ってもらうよ」 僕は助手席をチラ見してそう言った 貴女は微笑みを浮かべ 助手席の足下 赤いエナメルのヒールから 伸びた素足をセクシーに組み換える 「ねぇ どんな人なの これから逢う相手」 貴女は マルボロ・メンソールの緑と白の箱を 取り出して それが 空箱である事を知ると 絶望の表情を見せた 「凄く 大事な 大切な 人なんだ」 僕はハンドルを握