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パルスオキシメーター

パルスオキシメーターをご存知でしょうか。
クリニックや病院で"酸素を測りましょう"と言われた際に指先に装着される小型の機械です。新型コロナウイルス感染症の流行とともにさらにメジャーになったかも知れません。
血液中の酸素飽和度を測定できる、パルスオキシメーターについて少し掘り下げてみます。


パルスオキシメーターの原理と役割

パルスオキシメーターは指先を流れる血液に赤色光と赤外光の二種類の光を当てて、透過してくる光の量を調べることで血液中の赤血球が含んでいる酸素を推測します。
酸素は血液の中ではほとんどが赤血球に含まれる色素のヘモグロビンとくっついています。
赤色光は酸素がくっついているヘモグロビンを素通りしますが、酸素がくっついていないヘモグロビンには吸収されてしまいます。
この差を利用してどのくらい酸素が潤沢にヘモグロビンにくっついているかを調べられます。あらかじめ実際の血中の酸素分圧と赤色光の吸収率を比較し、計算式を作っておくことで、パルスオキシメーターの数値を血液中に十分な酸素濃度があるかの目安として用いることができます。
一方で、赤外光はどちらのヘモグロビンでも同じような通り方をするので、光を通す基準として使われます。

パルスオキシメーターの数値の目安

具体的に表示される数値はSpO2(saturation of percutaneous oxygen; 経皮的動脈血酸素飽和度)として表され、100%が最大です。
一般的に90%を下回ると酸素投与が必要と判断され、医療機関への入院が勧められます。
ただ、元々のSpO2の個人差の影響は大きいため、平常時から3%以上低い状態であった場合には放っておいてはいけないと思います。

パルスオキシメーターは個人での入手も容易になった

最近は非常に手軽にパルスオキシメーターが手に入るようになりました。
もちろんすべてのメーカーが信頼できるものかはわかりませんが、オムロンなど医療機器製造に定評のあるメーカーで少々値が張っても、10000円前後で手に入ります。
血中の酸素飽和度は、医療機関の初期検査で調べられるイメージだったのが、今では自宅で気軽にチェックして医療機関にかかるかどうかの基準として使えるようになってきています。

過信は禁物

しかしながら、簡単に測定できるものには限界がつきものです。
パルスオキシメーターで測定した数値が血中の酸素圧を正確に反映していない場合があるのです。以下のようなときです。

・マニキュアなど指先に光を遮ったり、光の透過に影響を与えるものがある場合
・指先が極端に冷えていて十分に血液のめぐりがない場合
・測定している側の腕を血圧計などでぎゅっと締めたりしている場合

数値だけを過信するのは危険であり、そういったときに併せて考えておくべきは御自身で感じる症状です。全然息苦しくないのか、本当に息苦しいのかを考慮したうえで、数値を参考にできれば非常に有用な道具になると思います。

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