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cEDHにおけるケンリスのすすめ

0.はじめに

昨今の大規模EDH交流会に併せて開催されるリーグ戦や勝ち抜き戦の影響か、cEDHへの関心が急速に高まっているように思います。

これからcEDH対応のデッキを組みたいと考えている皆様や、より柔軟に立ち回れるデッキをお探しの皆様に向けて、私が1年半ほど愛用している “ケンリス ミッドレンジ” のプレゼンをさせてください。

1.デッキ概要

↓リスト

コンボパーツを揃えてマナを無限に生成し、ケンリスが持つ青込み4マナの能力で相手に無限ドローを強制して勝つデッキです。

序盤は耐え、中盤以降にケンリスの効果や豊富なサーチカードでコンボパーツを揃えて勝負を仕掛けましょう。

ケンリスのマナ総量が5と重く、トラシオスやティムナ、テヴェシュなどの強力な共闘ジェネラルと比較してアドバンテージを得られるターンが遅いため、アグレッシブマリガンは控えて相手に妨害を吐かせるプレイを意識しましょう。
(相手が3人とも走り切るデッキの場合は泣く泣くアグレッシブマリガンしましょう…)

2.長所

①コンパクトな勝ち手段で仕掛けやすい

このデッキには4種類の勝ち筋が搭載されていますが、いずれも2枚コンボもしくは1枚でコンボパーツにアクセスできるものであるため、「コンボの片割れ」+「サーチカード」が手札にあればすぐさま仕掛けることができます。

よって、マリガンの敷居が低く、仮にこれらが初手に揃っていない場合でも、素引きしたサーチカードでもう片方のコンボパーツを拾って仕掛ける動きを比較的安定して行うことが可能です。

デッキに搭載している勝ち筋は下記のとおりです。

 ・タッサの神託者
  + Demonic Consultation  or  汚れた契約
  (以下 寿司コンボ)
 ・波止場の恐喝者 + Emiel the Blessed
  ※宝物を4つ以上生成できる場合は無限マナ、
   3つの場合は波乱の悪魔で無限ダメージ
  (以下 波止場コンボ)
 ・死の国からの脱出 + 思考停止
  + ライオンの瞳のダイアモンド
  ※直観からセヴィンの再利用を絡めて始動
  (以下 ブリーチコンボ)
 ・オーリオックの廃品回収者
  + ライオンの瞳のダイアモンド
  (以下 回収者コンボ)

②相手の妨害が刺さりづらい
 (妨害を掻い潜れる可能性が高い)

上記4種類のコンボは刺さる妨害の種類が微妙に異なるため、場況を読むテクニックは必要ですが、妨害を掻い潜りながら勝利まで繋げられる可能性が高いです。

例えば、寿司コンボは除去が刺さりづらくドラニスの判事が場にいても勝ち切ることができます。
波止場コンボは打ち消しに強く、ゲームが長引けばケンリスで墓地から釣ってインスタントタイミングで勝利することも可能です。
ブリーチコンボはクリーチャーが絡まないため、倦怠の宝珠や謙虚を尻目に対戦相手の山札を吹き飛ばせます。

一方で、回収者コンボはソーサリータイミングでの無限マナ生成かつ除去も刺さりますが、色拘束が薄く最速2ターンキルも可能な手軽さがウリです。

③膠着状態にてアドバンテージを稼ぎやすい

打ち消しが得意な統率者が卓に多いときは、相手が仕掛けてこないであろうタイミングでケンリスを場に出してドローゴーしておきましょう。

何事もなくターンが回ってくるならばドローに変換できますし、自分のクリーチャーにダメージが与えられる前にカウンターを乗せて除去を凌いだりと、万能ではありませんがアドバンテージを稼ぎつつ勝利の機会をうかがうことができます。

3.短所

ここまで勝つための動きについて書いてきましたが、逆に言えばこのデッキはコンボを揃えて勝つことしかできません。
同じ5色ジェネラルのナジーラと比較しても、打ち消しや除去といった妨害札を可能な限り削ぎ落としています。

このデッキに限った話ではありませんが、妨害札は対戦相手の動きを妨害するために使ってはいけません。
自分のコンボを阻害するパーマネントを除去し、対戦相手が繰り出す打ち消し札を打ち消すための、「妨害に対する妨害札」として使いましょう。

例外として、自分のターンが回ってくれば仕掛けられるが、その前に対戦相手がコンボを決めて勝とうとしている状況でのみ、純粋な妨害札として使いましょう。
(その動きですら他の対戦相手に押し付けられれば完璧です。)

もし初見のコンボでどこを妨害すれば良いかわからない場合は全てスルーで問題ありません。場数を踏んでマストカウンターを覚えていきましょう。

いちばんマズいのは、対戦相手の勝利に直結しない動きを妨害してしまうことです。
他の対戦相手2人が漁夫の利となり、何より自分の勝ちが遠のいてしまいます。

「なんとなくヤバそうだから妨害する」という行動は、自分の勝ち筋を減らす行為であると心得ましょう。

4.当デッキ内の高額カード入手優先度

この記事を読んでcEDHケンリスに興味を持っていただければ非常に嬉しいのですが、同じくらい申し訳ない気持ちもあります。
なぜなら、「試しに組んでみましょう!」と言える価格帯のデッキではないからです。
(かく言う私も、少しずつパーツを集めた身であり、また、デュアルランドは未だに全て揃えられていません ※執筆当時)

そこで、このデッキの高額カード(数千円〜)の入手優先度を以下に記載していきます。

〈必須カード〉
 …デッキの動きを保つために最低限必要なカード
・フェッチランド 10枚
・ショックランド 10枚
・5色土地 6枚
・古えの墳墓
・コンボパーツ
・魔力の墓所、金属モックス
・サーチカード(伝国の玉璽を除く)
※土地は29枚か30枚を推奨、同じ基本土地は
 2枚以上投入しないように注意しましょう。

いま集めると必須カードだけで30万円くらいになってしまいますが、これらは妥協できません。(妥協するとマナカーブや仕掛けるタイミングがワンテンポ遅れるため、cEDHでは致命的です。)

〈少しずつ集めたいカード〉
 優先度が高い順に、
1. ガイアの揺籃の地
2. 適者生存
3. モックス・ダイアモンド
4. Tropical Island
5. 金粉のドレイク
6. 伝国の玉璽
7. 赤が絡まない残りのデュアルランド 5枚
8. 赤が絡むデュアルランド 4枚

1〜4は強さ順、5以下は手に入るものから揃えていきましょう。

5.不採用カード解説

・突然の衰微
暗殺者の戦利品を優先して採用している理由は、リンヴァーラを除去できる点と、打ち消しを吐かせるためのブラフとして使える点が、突然の衰微より優れているからです。
枠があれば採用圏内ですが、妨害枠が空くことはないでしょう。

・儚い存在、最後の賭け
呪文探求者1枚からブリーチコンボを仕掛けるためのパーツですが、ともに単体性能が低すぎるため不採用としています。

・意外な授かり物、Wheel of Fortune
これらのカードが入っているケンリスのリストをたまに見かけますが、cEDHではこれらのカードの役割が決まっていて、コンボパーツかマリガン破壊のどちらかです。ケンリスではいずれも該当しないため不採用です。
ドローソースと捉えられることがあるようですが、対戦相手の手札も整えてしまうことが致命的に弱いです。
これらをキャストしてターンを渡したが最後、自分のターンは2度と回ってこないものと考えておきましょう。

6.おわりに

パーツ集めに苦労するデッキですが、致命的な対面が少ないため長く使える良いデッキだと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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