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戦歿者に対する慰霊の気持ちこそ、国家のトップの資格
昨日は終戦78年目の節目でした。3〜4日前には台風接近の心配もありましたが、西にずれ、東京においては晴れの天気となりました。
憲法BlueWaveメンバーも靖國神社に参拝し、黙祷を捧げて参りました。
さて、この「慰霊」ということについて、第3回TOKYO憲法トークライブにご出講いただいた河野克俊先生(第5代統合幕僚長)のお話が今でも鮮明に記憶に残っておりますので、紹介させていただきます。
今では多くの方々が知るようになりました、安倍元総理が硫黄島に視察された際のエピソードです。
硫黄島には海上自衛隊と航空自衛隊が駐屯しており、管理は海上自衛隊が担当していることから、当時海上幕僚長であった河野先生が責任者として安倍元総理を出迎えられました。
写真は、河野先生のご許可をいただきご講演中に映し出したもので、硫黄島の滑走路に跪き、手を合わせておられる安倍元総理と、ご同行しておられた河野先生の姿をおさめた一枚です。
なぜこのような絵になったのか。河野先生は当時のことをこのように語られました。
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安倍元総理は島内をまわられて、飛行艇で次の訪問地の父島に向かわれることになっていたので、私がお見送りしました。整列した隊員の前を通って滑走路の上に来られた時に、安倍総理は突然跪かれ、手を合わせてお祈りされました。
こういうことをされるとは聞いていませんでしたので、全く予想外のことでした。マスコミはいませんでしたから、パフォーマンスではありません。
硫黄島は日米の激戦地ですが、アメリカは日本本土空襲の基地に使うために硫黄島を攻略しました。そのため、彼らは硫黄島占領後、ブルドーザー等を投入し、一気に滑走路をつくりました。したがって、滑走路の下にはたくさんのご遺骨があるのです。
総理もそれを知っておられて、跪かれたわけです。そしてその後、滑走路を撫でられました。
私はその時、戦歿者に対する慰霊の気持ちが心底ある方だと思いました。そこが原点にないと、国家のトップの資格はないと思います。
先人の犠牲の上に今があるわけですから。立派なリーダーは全部そこが下敷きになっています。私は安倍総理は本物のリーダーだと思いました。
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(『トークライブ 今こそ問う!日本の「平和」と憲法改正』より引用)
毎年8月15日には、どの国会議員が靖國神社に参拝したとか、そのようなニュースを目にしますが、本当におかしな話だと思います。
政治・国策に対する批判はあって然るべきですが、私達国民は国家の主体者であると同時に、国家の恩恵を享受している一面もあるわけです。それはひとえに、「国のため」に心血を注ぎ、努力をしてこられた先人がおり、賛否両論の意見を出し合い、議論を重ねてこられたおかげであり、その積み重ねによって「今」があるのだと思います。
「あの時代は悲惨だった」「あの人のやったことは間違っていた」というように、後出しジャンケンで、現代の価値観で過去を論じることは、死者との向き合い方、ものの考え方として傲慢ではないでしょうか。
大東亜戦争のあの時代、私達と同じ年齢の方々が自らの命の意味を問い、精一杯の言葉を遺し、若い命を散らしました。
この事実を、私達は今一度謙虚な気持ちで真摯に受けとめ、より良い「国づくり」に励んで参りたいと、気持ちを新たにする日となりました。
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