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平面(財務)経営から立体経営/人的資本経営とプランC

人的資本経営

経営計画というと大体5期分くらいの中期のPLを思い浮かべるだろうか。しかし、経営計画をこういうものと言っても良いののだろうか。これを指針として経営を考えて良いのだろうか。

計画の前にまず目標があるべきだ。目標を計画に落とすのだ。
自社の経営に確固たる目標があるのは当然だ。私がここで述べたいのは、その上でその計画は財務的なものだけで良いのかということだ。

例えば経営目標をある立体物とした場合、東西南北の各方角に平面展開することができる。

東:社会(サステイナビリティ)
西:財務(PL/BS/CFなど)
南:顧客(オペレーション)
北:社員(従業員)

このように考えた場合、各方面への展開責任を負う者たちを

東:CSO(チーフ・サステイナビリティ・オフィサー)
西:CFO(チーフ・フィナンシャル・オフィサー)
南:COO(チーフ・オペレーション・オフィサー)
北:CHRO(チーフ・ヒューマン・リレーションズ・オフィサー)

とよび、これを改めて統合する者こそ
中央:CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)
なのだろう。

各方面の責任者は、当然経営目標を自らの管轄する平面にどのように展開するのかの責任者であり、CFOが対外コミットをしたものに合わせるのではなく、経営目標というものを、どう実現するかにおいて、これら4方面全て重要なのである。

そして北面武士であるCHROが考えるべきことが人的資本経営である。

昨今よく話題に上がる人的資本経営につき、要領をえないことも多いが、

人的資本経営とは「従業員ポテンシャルのフルの発揮」である

と考えるとシンプルに思う。なぜポテンシャルのフルの発揮が重要かというと、それが業績の先行指標となるからだ。

一方でポテンシャルが発揮できているかは測定はできないので、さらなる先行指標が必要となる。それは

・Feeへの満足度
・やりたいことがやれている状態への満足度

この二点である。
仕事がやりたいことか、十分な報酬を得られるかは、そこで全力でやるための前提条件だ。これらへの満足度が低ければ、まだ、経営として改善の余地はあるし、十分に高ければポテンシャルを発揮してもらうための企業の場としての努力は十分できているので、あとは、そのポテンシャルを発揮してもらうまでだ。

このように、社員の話に耳を傾ける中で、財務的成果、社会との関係、顧客との関係(オペレーション)を再構築していくことが人的資本経営だろう。


経営におけるPlan Cの重要性

従来の企業戦略(Plan A)は、の経営において、フィーへの満足度、ライフ・パーパスへの満足度を顧みることなく、業績を伸ばそうとしていなかっただろうか?

従来の企業戦略(Plan A)では、全ての従業員を個体差のない一様なものとして取り扱い、企業が命じればパフォーマンスをフルに発揮する存在として取り扱ってきた。実態はどうか?やる気の起きる仕事もあれば、起きない仕事も当然ある。ほとんどのケースでやる気が出ないという社員さえいるだろう。これはそうした社員を非難して済む話ではなく、そうした実態を見ないままの指示では戦略の実効性を失う。

ではPlan Aは間違った計画なのだろうか?経済学が実態がズレる理由が「合理的経済人」仮説にあるように、経営戦略が実態とズレるのは「合理的従業員」仮説にある。


多くの場合は、社員の仕事をやり切る力を見誤るが故に実効性に問題が生じる。ガソリン入れれば車がたくさん走るように、給与を多く投入すればたくさん動き、ここにいるのだから世界で一番自社を好きであろうというものだ。残念だが、そうではない。また、時にそのFeeすら満足度が低ければ、そのポテンシャルを引き出せないのは自明である。

つまり、計画の達成には、従業員が何に関心とやる気を持ちその潜在能力を発揮したいと考えているか(Plan B)を知ることが決定的に重要なのだ。むしろこれを知る努力の放棄は経営の不作為であり、経営の過失を問われることとなるのではないだろうか。

そして社員のやりたいことを問うと違いはこのように現れるかもしれない。

まずは、このPlan Bを知ることから始めるべきだろう。

なぜならPlan Aは希望だが、そこには経営の想いのみであり、社員の想いが入っていない、つまりチームになれていないということだ。

チームのキャプテンなら、チームメンバーが本当は何を望んでいるかを知らねばならない。

一方で、このPlan Bはすぐには作成できないだろう。なぜなら、

1)想:まず社員らが本当に自分が何を為したいかの定義ができない
2)共:それを共に耳を傾ける文化がない
3)創:それらに経営資源を投下するということができない
4)型:会社という場をこう改善していくための議論の場がない


多くの人は、もっとものが欲しいというより、尊敬できたり好きな仲間と目標に向かって自分らしく働きたいと考えている。株主という支配者の代理人の下で、命じられて働きたいという人はほとんどいない。それは、封建制が企業の中に温存されていただけなのだ。

経営者はPlan Aを作るのみではなく、戦略の妥当性及び実効性の両面を必要とするなら、Plan Bを知った上で、Plan Cを作るべきなのだ。


個をひらき 組織をひらき 場をひらく

TCFAの掲げる「個をひらき 組織をひらき 場をひらく」というテーマを再度整理したい。

個をひらく
1)意味:個人が他者の物語によって乗っ取られるている信念体系をアンラーンした上で内発的動機に基づき生きる。

2)理由:それこそが人類にとっての自由の獲得でありWell Beingに不可欠な自己決定権につながる。

3)方法:内省により、自らの世界観(Who/Where)を決定する。

4)効果:こうした活動は、個人が組織に帰属することでその願いの実現を促進するため、企業の社会的意義が上がる。

組織をひらく
1)意味:個人が組織内で内発的動機で動けるような環境設計とする。

2)理由:
①既存業務をやり切るためにも心から当該組織(事業)の成功を考えている人間が組織の中心に必要
②新しい視点(新規事業)を組織(事業)にもたらすことの必要性。
③社会的存在として、DEIなどの文脈でも変容が必要

3)方法:
①社員の内発的動機を確認し、配置転換
②個別の貢献に応じた納得可能なFee制度
③上記①で社内が最適解ではない場合は積極的にトレード
(その際、プロスポーツ選手のようにトレードにおけるフィーを人事間で受け取ることも含む)
④これら全般をCHROの仕事と定義

4)効果:これは、経営において従業員とサステナビリティの観点からアプローチするということ。波及効果として、オペレーション効率は上昇し、財務的効果も高いため、結果的に、
①従業員
②社会
③オペレーション(顧客)
④投資家
という4S(ステークホルダー)への満足度を高める

場をひらく
1)意味:上記、個をひらき 組織をひらくことで生まれてくる新しい社会のこと。

これらは、コンセプチャルは以下のように整理することも可能だろう。

TCFAではこれら、今年度こうしたアジェンダを深めて参ります。
企業経営幹部の方々や企業変革を検討されている方々、よろしければ、ぜひ一緒に議論に参加ください。

□お問い合わせ先

info@fieldandstory.com 

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第2回 4月27日(木)19:00~22:30
第3回 5月11日(木)19:00~22:30
<特別講義>臨死体験5月18日(木)14:30~17:00 / 18:00~20:30 *時間に注意
第4回 5月25日(木)19:00~22:30
第5回 6月8日(木)19:00~22:30
第6回 どちらかに参加
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6月22日(木)13:00~21:00 *時間に注意

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