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梅雨の雲はどんよりして分厚い。あの雲すごく重そうだな、とつぶやく。時折、黒い雲が空に立ち込める。家の窓から見る分には、雲がどうであろうが関係ない。でも、雲の中を飛ぶ際は、できれば雲とは友達になれたら最高だ。 見た目ほどフワフワで優しくはない。パンみたいに柔らかでもない。羽毛布団みたいに包み込んでもくれない。彼らとはすこぶる仲が悪かった。僕は、空を飛ぶのには向いていない。 _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_
7月から働き始めた測量会社での研修が始まった。オペレーターの仕事は、飛行機内で空間情報を集めるためのレーザー機器の操作。初日の研修では、空港の片隅に停めらた飛行機の中で機器の操作方法を教わった。新しい情報ばかりであっぷあっぷだったが、忘れないように必死でメモをとった。異なる言語や文化の中で働く際、メモを取る習慣は非常に有効で自分の強みになっている。操作を教わりながらも、頭の片隅では「早くアパートを見つけないと」と考えていた。 この研修には、同じくオペレーターで採用されたロー