伝えることの話。

さて、何から書き始めようか。

 その前に事前にこちらのnoteを見てからこのnoteを読み進めてもらう事を勧めたい。人が十人十色である以上、色々な視点、色々な意見、色々な感情があるから。

5月の話 https://note.mu/kenmi/n/n499eac97687e

ボランティア精神をお持ちの方へ(Tajima Yohsukeさん)
https://note.mu/tajima_yohsuke/n/n8bb133af9960

(noteまとめるときこんな感じでいいのかな?)

 まず、Tajimaさんの記事を見て思ったのは、おそらく自分のnoteを見て、コメント欄に「震災のお話については当事者なので、コメントを控えさせて頂きます。」と残してくれていた事もあり、「あ、自分の事を書いてくれたのかな?」と。

 そして、それを読み進めていく度に心がズキズキっとした。

「痛いところを突いてくるな」と。

 ただ、それは「当事者」として当たり前の感情であり、それを「コメントを控える」と言った後に、改めてnoteとして感情をぶつけてくれたと感謝している。

 一つ目のズキっとした言葉がこれだ。

【僕は正直「被災者」などという差別用語を、軽蔑する者である。そんな言葉を堂々と報道する人間が使っていいわけがない。】

 自分のnoteの中では「被災地」という言葉を使った。なぜならば、その言葉が一番わかりやすく説明しやすい言葉であるからだ。

 ただ、実際に当事者の一人の言葉として「嫌悪」の言葉であることが訴えられている以上、別の言葉に置き換えなければいけない。

 でも現時点では、なかなかそれに代わる言葉が見つからない。
 誰にも伝わりやすく、なおかつ当事者に対して傷つけることの無い言葉を選んでいかなければいけない。

 二つ目のズキっとした言葉がこれだ。

【現場を見ないと報道できない、と言っていたジャーナリストは、それで本当のことを伝えたのか。】

 自分がジャーナリストに値する人間かどうかは分からない。

 ただ、自分のnoteにこう書いた。

自分の目であれを実際に見て体験してみないと、しゃべり手として想いは伝えられない

 なぜそう思うのか。

 それは自分が北海道という地に住んでいて、東北の情報が入ってこないからだ。確かに東北へたくさんのメディアが当時に訪れた。今でもそうだと思う。

 でも、どうだろう?今、毎日を生活している中で、一日何回東北の話題を耳にするだろう。目にするだろう。自らするだろう…。

 今、東北はどうなってる?

 2011年、2012年当時、日本中が「東北の人たちに何かしてあげなきゃ」と思った人たちがたくさんいただろう。

「何かしてあげなきゃ」

 それが、「他人事」なんだと思う。

 実際に、2011年の当時、情報が入ってこない中で自分たちに出来ることは何なのか悩みつつ(かといって普通の放送をしているのはまた違うわけです)、救援物資の呼びかけや、義援金の募集の告知をするわけだ。

 見聞きするものは全て「テレビ」から流れるもの全て。

 そして、局には「救援物資を送りたいので紹介してほしい」とか「義援金を募集するコンサートをするから紹介してほしい」とか「東北を応援する歌を作ったから流してほしい」とか色々やってくるわけ。

 その中で、実際に東北の人たちの思いを知っていてやっている人はどれだけいるんだろう。そして、自分はそれを知ってラジオで情報を伝えているのだろうか?

 実は、自分の母方の実家が岩手県北上にある。
 もちろん、東北の友人もたくさんいる。

 ただ、東北の事を知るすべはテレビ、新聞、ネットからの情報しかないのだ。

 昨年5月。東北に向かった理由。

 それは、自分のラジオでしゃべっている言葉「義援金を募集しています」とか、そういう言葉に自分の想いが本当にこもっているのだろうかと疑問に思ったからだ。

 線路の話を前回のnoteで書いた。

 実はそれよりもここで書くことをためらうような、生々しい当事者の皆さんの体験談、訴え、反省、怒り、悩みをたくさん聴いてきた。

 それを聞いたとき、やはり言葉は出なかった。
 その地を見たとき、言葉にあらわせなかった。

 3つ目のズキっとした言葉。

【なぁ、遺された者は、どうすりゃいいんだよ。】

【誰か、答えを知っているなら、言ってみろや。】

 答えは誰にも出せないと思う。

 ただ、パーソナリティとしていえる事は…。


 見聞きした事を正確に人を傷つけること無く伝えること。

 辛い経験をした人は思い出したくない事がいっぱいある。そして、それを無理に思い出させる事はない。

 でも、この大きな死者・行方不明者を今でも出し続けている災害を忘れてはいけないと言うこと。それを後世に伝えていかなければ、また同じ事が起こる…。

 人は嫌なことを忘れていくことで先に進んでいく。

 パーソナリティってすごく難しい仕事をしていて、心が参ってしまうことも多い。でも、それじゃあダメなんだよね…。

 といいつつ、今日も反省の一日だったりするわけだけど…。


※Tajima Yohsuke@smokeさん、勝手にnoteを引用してごめんなさい。
 そして、自分の言葉でたぶん傷つけてしまったなと反省の念です。
 最後に、Tajimaさん。想いをnoteでぶつけてくれて感謝します。

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