狼と踊ったあとはびしょ濡れになる
質問が2つあります。もし誰かに「ケビン・コスナーのキャリアの絶頂期はいつ?」と聞かれたらなんと答えるでしょうか。私なら「うーむ」と少し考えから「ダンス・ウィズ・ウルブスの頃かな」と答えます。
では、次の質問です。「今から10年後にケビン・コスナーの映画として人々の記憶に残っているのはなんでしょう?」
はい!
どうぞ。
ウォーターワールド!
正解!
いきなりクイズ形式で進めてしまいましたが「ウォーターワールド」で間違いないです。
地上波でよく放送されるし、午後のロードショーのオープニングテーマに使われてるし、ユニバーサルスタジオのアトラクションになってるし、ついでにいうと、どうもアメリカではエコロジー映画という間違った解釈で高評価されてるらしいです。
不思議なのは、ケビンさんにはもっと素晴らしい映画がたくさんあるのに、ウォーターワールドがたぶん一番人気だということです。
おかしいです。他にどんな映画があるかというと、ショーン・コネリーとロバート・デ・ニーロをおさえて主役を張った「アンタッチャブル」、アカデミー賞を受賞した6部門受賞した「ダンス・ウィズ・ウルブス」、父と息子の絆を描いた感動作「フィールド・オブ・ドリームス」、ホイットニー・ヒューストンの名曲とともに記憶される「ボディガード」、イーストウッドが監督した泣ける犯罪ドラマ「パーフェクトワールド」。
ふいー。並べただけでお腹いっぱい。
劇場で「ウォーターワールド」を観たときは、これマッドマックスの舞台を砂漠から海に変えただけじゃないかと思いました。しかも、アクション映画としてはヌルい、デストピアものとしてはバイオレンスが足りないよと。
そういえば、私にとって映画館で観た最後のケビンさんでした。その後、いつの間にか話題にのぼらなくなっていましたっけ。
ケビンさんの持ち味は「どこか野暮ったいけど誠実で気さくな男」ではないでしょうか。
なので「ダンス」と「フィールド」のケビンさんとは友達になりたいと思うけど、「ボディガード」のケビンさんは無駄に思わせぶりで「こら、カッコつけるな」といいたくなります。「ウォーターワールド」のケビンさんにいたってはツッパてる姿が痛々しく「いい人なんだから一匹狼は似合わない! 無理すんな、ワイワイやろうよ」と声をかけてやりたくなります。そんなスクリーン越しの我々からの誘いを断ったケビンさんは、ほんとに一人ぼっちになってフェードアウトしてしまったのでした。
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