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「コミュニケーション」を促進する取り組み(実践⑤)

コロナ禍におけるデジタルツールの普及により、コミュニケーションのスタイルが変化している。コミュニケーションは単なる情報伝達ではなく、相互理解や心の通い合いといった意味や目的を含み、前提として心理的安全性が確保されている必要がある。心理的安全性とは、周囲の反応を気にすることなく率直に自己表現ができ、安心して働ける状態であることをいう。

職場の心理的安全性を測る方法として、以下7つの質問、もしくは観察するようエドモンドソン教授は提言している。

①ミスをした時、チームから避難される恐れがない

②チームのメンバーと課題や問題点を指摘し合える

③自分と異なるということを理由に、他者を拒絶するメンバーがチームにはいない

④チームにおいて、リスクを伴う行動をおこしても安全である

⑤チームのメンバーに助けを求めることができる

⑥自分を意図的に貶める様なメンバーはチームにいない

⑦チームで仕事をするとき、自分の能力が尊重され、活かされていると感じる

要するに、「ドンマイ」「お互い様」と声を掛け合える雰囲気こそが、個人と組織双方のパフォーマンスを上げることができると思う。これらの雰囲気は従業員の定着率向上にもつながるだろう。

病気の治療と仕事の両立支援

個々のケースで異なるが、上司、同僚、主治医、産業医などの関係者が必要な情報、意見を出し合い、よく話し合って、配慮や支援について決めることが重要だ。厚労省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインも参考になる。

健康診断において血圧や血中脂質などの有所見率は年々増加を続けており、2018年度には55.5%に至っている。疾病を理由に1か月以上連続して休業している従業員の企業の割合は、メンタルヘルスが40%、がんが16%、脳血管疾患が41%であった。働いている人もプレゼンティーイズムが増加することが予測されることから、病気を持っていても、安心して意欲的に働ける会社・社会を作る必要性が高まっている。過去3年間で、病気休職制度を新規に利用した労働者の内、38%が復職せずに退職したというデータもあり、まだまだ両立がうまくできていない企業も多い。

労働安全衛生規則では、事業者は「心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のために疾病が著しく増悪する恐れのあるものにかかった者」の就業を禁止するよう求めている。2013年に制定された「障害者差別解消法」と同年に改正された「障害者雇用促進法」では、事業者に対して、障害者への合理的配慮の提供が求められている。この合理的配慮の対象となる障害者には、病気等により一時的に職業生活に制限を受ける方や、就業可能な職域の範囲、就業の難易度等からみて障害の程度が軽く、就職等にあたってのハンディキャップとならないような方は該当しない。


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