1億円の低カロリー

IT会社社長の城田五郎は、食べることが大好きである。ステーキにお寿司、ラーメンなど、とにかくよく食べる。運動をあまりしないので、ぶくぶく太って、体重が100kgを超えてしまった。

ある日、繫華街で切れ長の目をした、きれいな顔をした、20代の女性に声をかけられた。「お兄さん、やせたらモテモテだよ。この薬、試してみて」。城田は、白い粉末を見ると、不審そうな顔をした。「この薬は何？」と聞くと、女性が「この薬を飲むと、何を食べても1kalになっちゃうんだよ。つまり、いくら食べても太らない薬。」と答えた。「値段は？」と城田が尋ねると、「1億円」との声が聞こえた。「1億円？」と城田が驚いたが、城田の会社は業績好調で、払えない金額ではない。食べることをやめずに痩せられるならばと、薬を現金で買った。

薬を飲むと、カロリーがほぼとれなく、城田はしばらく動けなくなっしまい、激しく後悔した。せめて10kalにする薬を買うべきだったと。