健康は元気と病気の調和

ヘルシーBox健康支援BonAppetit 植村瑠美

新年あけましておめでとうございます!平成30年もどうぞよろしくお願いいたします!

という挨拶をした日も随分と前のことになった頃でしょうか。「平成30年!平成生まれもついにミソジになるわけだ!」と思うとなぜかワクワクしている、植村です。

私には最強の祖母がいます。何が最強かって…どうやら閻魔大王にも恐れられているようなのです。平成28・29年の健康学習学会でのセッション「健康学習ベーシック」でも登場した【あの祖母】です。「おばあ様はお元気?」と気にかけていただいくこともあります。今回はそんな祖母の話をしたいと思います。

現在89歳の祖母は、おじ夫婦(祖母からみると息子夫婦)と同居しています。若い頃から心臓に病気を抱えており、30代に一度、70代にもう一度、病状が悪化して【死にかけた】ことがあります。さらに2016年1月3日には…ついに心臓の動きが止まって救急搬送されました。

もともと心臓が悪く高齢ですので、救命センターで受けた医師からの説明は「厳しい状況である」というものでした。秋頃から体調が悪くなり始めていたので、自然の流れ、自宅へ退院することは難しいのだろうと私は予測していました。

救命センターで多くの管に繋がれた祖母はまさに「重病人」。集中治療室で数日間管理され、一般病棟へ移ってからまた会いにいきました。けれど、まだまだたくさんの管につながっている状態。ベッドの上に座って食事をしようとしても、筋力がないから背中の方へ転がってしまう。主治医からは「だいぶ元気になったね」と言われましたが、自宅に戻ることは厳しいかな、良くて施設へ入所かなというような状況でした。

ところが!

毎日、家族が代わる代わる様子を見に行くと、日に日に元気に…。

あれ?なんだか口が達者になってきた。

え?ベッドの上で座れるようになってきた。

あら!歩行器があれば部屋のトイレへ行けるの?

そんな変化を徐々に重ね…主治医が驚くほどのスピードで回復。

予想より大幅に短い1ヶ月未満で、さらに自宅へ退院しました。

その後、デイサービスやデイケアへ通い、外来通院しながら療養中です。春になったらお散歩を始め、近くの喫茶店へコーヒーを飲みに行き、9月のお誕生日には久しぶりに外食。ランチをペロリと食べた後に、喫茶で生クリームたっぷりのココアをペロリ。けれど、「だいぶ元気になったし、近場で旅行でもしてみる?」と聞くと「まだそんな自信はない」、「迷惑をかけるだけだし、もう行かない」と言っていました。

ところが!

心停止から2年弱。ついに旅行を楽しんできました♪

卒寿のお祝いを兼ねて、祖母・母・私の3人で、2泊3日の修善寺温泉の旅。旅館でのんびり過ごして、美味しいものを食べて、温泉へ入ることが目的の旅行。観光はお寺と温泉街をふらりと散歩する程度。シルバーカーを押しながらのんびり歩く祖母は、旅館の人や街の人に「お元気ですねー」「旅行に来られていいですねー」と声をかけてもらえるととっても嬉しそう。

心停止する前はだいぶ弱っていて、庭先で転んだ後に自力で起き上がれなかった祖母が、旅行中は畳に座った状態から、ヒョイっと立ち上がる!お薬で体の状態をコントロールしてもらいながら、しっかり食べて、リハビリをするって本当に大切だと感じました。

もちろん、旅行前に主治医へ旅行の可否を訪ねました。そうすると「1泊と言わずに2泊でもゆっくり楽しんできてください」と言っていただけたのです!こんな主治医の気持ちにも感謝です。

そんな祖母を見ていると「健康=病気ではないこと」は違うということがよくわかります。心臓の状態は非常に悪い。こんなに動いて、たらふく食べてよく心臓が耐えられるなぁと思ってしまいます。おそらく「病気軸」はマイナス3でしょう。けれど「元気軸」がありえないくらい高いのです。そして「元気軸」を高くさせている要因、つまり祖母の元気の秘訣は、「好奇心」「好きなことがある」「適度のストレス」「ストレスを発散できる相手がいること」「現在の自分にあった目標設定ができる」、これらがあると考えます。祖母は好奇心旺盛。オシャレに興味があるので、孫世代の持ち物を見て「今はそういうのが流行っているのだね」と、よく観察をしています。さらに見慣れないものにはとても興味を示します。そして祖母の元気の秘訣として一番注目することは、「現在の自分にあった目標設定ができる」ということです。好奇心のアンテナをはりつつ、「あれもできない」「これもできない」と思うのではなく、現在の自分は「あれができる」「これができる」、「あれがやってみたい」「これがやってみたい」と自らをワクワクさせているように見えます。また、周りも「おばあちゃんは何もできない」ではなく、「おばあちゃんは◯◯ができるから助かる」「◯◯ならやれそうじゃない?」と声をかけることが大切であるとも感じます。

30代に一度、70代にもう一度、さらに80代でもう一度、三途の川まで行ったのに、下見だけして帰って来るなんて…もう閻魔大王に恐れられているとしか思えません。そんな祖母の「病気減らし」は主治医へお任せして、家族は祖母と一緒に「元気増やし」ができるように楽しんでいきたいと思います。

ちなみに…祖母は、【あの母】の母です。【あの母】をご存知の方も多いかと思いますが…【あの母】がどんな母なのかが気になる方は、どうぞ今年の健康学習学会へお越しくださいね♪

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