私の欲しいと思う冬用アウターの仕様

冬用アウターを探すんだがなかなか欲しいものが見つからない。昔は、ブランドものも興味あったが、今は、拘らないという立場である。1980年代は、ダウンジャケットがポピュラーになり、着る人が増え出した。初期のものの表地は、薄いナイロンものが多く、タバコの火や、火の粉ですぐ穴が開きそうだった。その頃暖かさに惹かれ最初に買ったものは、安めだが表地が厚手のナイロンのもので満足して使っていた。だが、ある日小雨に遭い、中のダウンが濡れると、残念なことになった。ダウンは、濡れると保温性も落ちるのだ。
二代目は、その経験を生かし、表地がゴアテックスのものを思い切って選んだが、値段は前の3倍もした。この時は防寒着はダウンに限ると思ったものだった。これは、比較的長い期間使い、アメリカの極寒地に三冬住んだ時にも重宝した。ただこの時風が強いブリザードのような日は風が通ってしまうことに気づく。そこで現地で裏地がシンサレートという当時ダウン並みに暖かいという触れ込みの、革ジャンを購入した。物にもよるが日本の三分の一くらいで買えて、風もシャットアウトしてくれ、なかなか良かった。シンサレートは今でも断熱材として使われ、住んでいた極寒地ではシンサレートが中に入った手袋や、帽子が売られていた。実際そんなものでないと、役に立たないくらい寒いところだった。
日本に帰ってくると、雨の多い気候なので、やはり雨を考慮しなくてはいけなくなる。そこで今度選んだものは、表地ゴアテックス、中綿は、東レの断熱素材のもので、丈の長いものだった。スーツなどを着た時でもはみ出さないという事で、コートの長さのものを選んだ。現実的な問題として、この長さのダウンはかなり値が張り10万円近くしていた事も理由の一つだ。ただ、当時90年代は、あちこちから、新しい断熱素材が発表された時期だった。このあと、ノースフェイスの街用のあまリゴアゴアしていないものや、スーツを着た時には、カシミアコートなども繋いだが、購入する際に気になったのは、丈である。長めのやつは、スーツでも問題ないが暖かすぎて電車などでは汗をかく。短いやつは、風が入る。しばらくこの状態だったが、2010年代に入り、出張先のアメリカでノースフェイスのフリースの裏地が取り外せる3wayで、表面が防水の、丈の長いコートに出会う。しかもバーゲンで270ドルほどで買えた。これは、スーツの時は、中を取ったりして快適に使った。
2010年代〜2020年代は、新しい素材や、ECWACSなども目にしてだんだん自分の考えもまとまってきた。2020年代には、宇宙服素材と言われる数ミリで暖かいものなども使われるようになってきた。
ECWCSは、米軍の寒冷地での兵士の服装仕様で、ミリタリーだけあって、手頃な価格で頑丈で暖かい素材などを使っていると思う。また防水性も重要だ。
このような経緯からまとまってきた私の欲しいアウターの仕様は、以下のようになる。カナダグースもアークテリックスも水沢ダウンもあまり惹かれない。


ジャンバーとロングコートの中間的なものが良い。後ろに少し切れ目が入っていると、自転車に乗る時などは良い

表地
ゴアテックスまたは、相当 の防水透湿素材で、それなりに丈夫なもの
  例えば、future lightなど
中綿
  ダウン相当と謳っているもので例えばprimaloftなど
  最近出てきた宇宙服素材では、solarcoreなどがあるが、こちらは、厚さ数ミ
  リと薄いのだが、厚みの割に少しずしっとくる感じ

ポケット
  表は両サイド最低1つずつ。胸の真ん中辺や、袖口にあれば直良し。胸のポケ
  ットは鍵や定期券を入れるのに重宝する。
  裏は、胸に片側に最低でも一つ、ジッパー付きで中に鍵ホルダーをつける
  フックなどあるとさらに良い
  腰のあたりの内側に大きめなものが両サイドにあると便利、場合によっては文
  庫本なども入れてしまう
  内と外のポケットがつながっていても便利かもしれない

フード
  しまえると便利
  フードの調整紐がサイドポケットの中で調整できるとなかなか良い

ジッパー
  止水になっていると良いがジッパー部分を上から覆うような作りでも良い。
  上下両方向から開けられると良い

その他
腰のあたりに風の侵入を止めるベルトがあると非常に良い。
洗濯は、家で洗えるものが良い

*化学繊維の中綿を選んでいるのは、理由は二つ。一つは、手入れが楽、二つ目は、濡れても保温性が落ちない。primaloftは、米軍のECWCS仕様に選ばれているもので、ノースフェイスでも、サーモボールとしてつかっている。パタゴニアは、早くからこれを使ったものを出している。
*ECWCS :Extended Cold Weather Clothing System.の略で寒冷地の戦闘用なので、動きやすく、丈夫なものが求められる。レイヤーで定義され、7層に分かれて下着や靴下、フリースなどまで規定されている。アウターはレベル7である。

お値段は、最近円安なので日本の価格は変動するが高くても400ドル程度のもの

残念ながらこれらを全て満たすものは見つけていないが、ポケットや、その他の希望仕様など周辺の仕様で妥協して買っている。
ポーランドHelikon社の製品はなかなか良い。250ドル
宇宙服素材だとOrosのものを使っているが、かなり気に入っている。大幅値引きで270ドル。また、ノースフェイスの、サーモボール中綿がジッパーで外せて、単体でも着れるものは、温度調節しやすく重宝している。250ドルくらい。
このほかに、Beyond Clothesのアウターも試したが、中綿はprimaloftで暖かさは問題ないが、外地に使っているリップストップナイロンの防水性は少し落ちるようである。

私は基本冬でも長袖Tシャツ一枚にこのジャケットだけで十分。下着のシャツとカジュアルなシャツを着る場合もあるが、ジャケットはなるべく着ない。ジャケットはウールのものだと汗をかくので夏用を着ているという変わり者である。

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