「外灯がないからこそ、暗闇に星は光るだろう」

アドレスホッパーが
住み家を変えるような
あっさりとした気持ち
未練はないさ
ただ軌跡を確認したいだけ
バックパッカーが担ぐような
異様に大きなリュックを
ゲストハウスの地べたに置いた
ここに着く少し前まで
降ってなかった雨を見ながら
濡れたズボンの裾を
捲し上げ
喫煙所でボックスに残ってた
ラスト一本のタバコに
火をつけた
二人でここに
来ていた頃の君は
普段は吸わないくせに
僕が吹かし始めると
すぐに一口欲しがったね
タバコはこれで辞めるよ
君と映った写真の後ろに入り込んでた
杉のベンチは
今も色褪せて同じ場所にあるよ
無事に生まれて良かったよ
これからは3人で
沢山の想い出を
複数のリュックサックに詰めようね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?