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優しくされたいなら優しくなる事であるの話。

こんにちは。けんじゅーです。
なにかと便利なコドモオジサンです。
一日一回は世界平和と自分を含むすべての人たちのダイエットの成功を祈りつつ、ご飯をいっぱい食べる日々です。

いいえ。私、嘘をつきました。
最近ご飯をいっぱい食べておりません。ソコソコです。ご飯はソコソコに食べています。あと一品、あと一口、お腹いっぱい食べたいけれどグッと我慢しています。その最大の理由は現在自分に課せられた【左脚内側側副靭帯の部分断裂及び損傷、肋骨骨折(右第十一、十二肋骨)】という例のアレです。
靭帯の部分断裂と損傷なので膝をあまり動かしてはいけません。本来なら横になって全く動かさないのが良いらしいのですが、ご飯を食べる為にお仕事しなきゃイケません。なので、立ったり座ったり歩いたり、とそれなりの行動が必要となります。そこで、必要以上に可動しないよう医療用のサポーターギプスでガッチガチに左膝を固定します。普段の可動域が100%だとするなら体感30%程度。
めっちゃ分かり易く説明するなら、機動戦士ガンダムの旧キットプラモデル程度の可動域です。1/144です。当時の定価は300円。ちなみに同じ1/144で一番可動域が広いと言われているのがHGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー)のREVIVE(新生)版、機動戦士ガンダムのプラモデルの定価は1,100円。可動域は通常の約3倍、その分価格は約4倍。きっと操縦者はニュータイプ覚醒前のアムロ・レイではなくシャア・アズナブル。
「見せてもらおうか、連邦軍のサポーターギブスの性能とやらを。」

可動域が制限されてる分、自ずと運動量は減る訳です。運動量が減ってるにも拘らず、日々の仕事量は変わらずなので当然お腹は減ります。お腹減っちゃうとご飯食べちゃうじゃあないですか?でも、運動量は減ってるんです。
勘の良い方なら解りますよね?
そうです、絶対太るヤツ!
なので、意識して食事量は抑えるのです。と、言っても、ご飯をおかわりしない、とか、お弁当箱のサイズを少しだけ小さくする、とかです。カロリーを計算して云々とか、グルテンとか糖質とか炭水化物を制限して云々とかみたいな大々的なセルフキャンペーンを打って出るのではなく【Not 太る!Keep 体重!】を掲げ穏やかに治癒をし続ける日々なのです。
こんな時だからこそ、自分に厳しくするのです。この程度でも厳しいんですよ。何故なら、私は世界で一番私に優しい。言っちゃえば自分に甘い、甘々のスイーツ野郎おじさんなのですから。


石膏ギプスは一軍である、という妄想偏見。

ぶっちゃければ、外部からの見た目は全く普段と変わらない。
まだまだ寒い2月3月、膝小僧丸出しのハーフパンツとか履きませんので、左膝をガッチガチに固定してるサポーターギプスなんて見える訳がないです。
よくある骨折なんかに使ってる石膏ギプスは、見た目から痛々しさと触れたら大変だ!感が溢れてますが、私は膝ですからあんな仰々しい【 THE 怪我人 】ぽさが全く出ないのです。まあ、周囲の方に会う度に余計な心配やら久し振りに会う人への毎度毎度の面倒な説明の手間が省けるのは良いのですが。

余談ですが、今までの長い人生の中で数回の骨折は経験ありますが、実はあの石膏ギプス体験をしたことがありません。ちょっとした偏見で、石膏ギプスをした方には申し訳ないのですが、アレってなんか怪我人自慢っぽくないですか?経験した人たちは口々に『汗で蒸れる』だの『痒くても掻けない』とか言ってる割に、部活の可愛いマネージャーさんとかに[ 早く治りますように♡ ]とかマジックで書いて貰っちゃったりするんでしょう?
毎日学校帰りにお見舞いに来ちゃう近所に住んでる幼馴染でちょっと気の強い才色兼備で生徒会会長のメガネっ娘に
「まったく、アンタっていっつもドジやらかすから・・・」
なんてツンとした悪態吐かれながらも、自分では見えない石膏の場所に[ 早く治りますように♡ブァカ ]なんて書かれちゃうんでしょう?
普段はちょっとしたセクハラ発言にもキッと睨んだり、聞いてか聞こえないかなガチスルーな塩対応の癖に、夜勤中こっそり病室に見回りのフリしてやって来た巨乳でショートカットの似合うお姉さん看護師さんに
「若いんだから抜きたいよねぇ?動けないなら、お姉さんがして・ア・ゲ・ル♡」
とか言われてウッカリ出ちゃう声を唇噛み締めて我慢しちゃうんでしょ?
あー羨ましいぜ石膏ギプス!怪我人の癖に一軍じゃあないか、コノヤロウ!!怪我をしたのは悔しいだろうし、不自由さは重々承知の上で石膏ギプスをしている男子高校生にはそんな偏見を持っています。ごめんなさい。


余談に対しての偏見妄想が長過ぎました。
気になって石膏ギプスについていろいろ検索していましたら、今は金属製の枠組みや強化プラスチックでできた硬性コルセットが主流らしいですね。更に石膏ではなく水に濡らすと硬くなるプラスチック製や、スポンジの中に針金の芯の入ったタイプなんてのもあるらしい。医学の進歩!そして、それらをまとめてシーネと呼ぶそうです。シーネとはドイツ語で福木・添え木の意味らしいですけど、いくら医療用語がドイツ語を用いるのが主流だとしても
病院内で「シーネ」って言葉使うのって語感的にどうかと思うけどね。


電車が怖いと初めて思った。

そんな感じで左膝をガッチガチに固定して日常生活やらお仕事を淡々と熟している日々。お散歩やちょっとした都内への移動は自転車がメインだった私ですが、勿論歩く事もなるべく控え自転車なんて以ての外。毎日電車かバスに頼らざる得ない状態です。
まあ、お金を払えば目的地まで、運転やら左右確認やら道交法やら何も考えずに移動させてくれる素敵な乗り物、公共交通機関。都内の移動はほぼ網羅できちゃいますので、電車やバスでの移動を多用する訳です、動かない左膝のせいで片足を引き摺って。
駅までの道や改札を抜け乗り位置までは片足を引き摺ってますから、パッと見で怪我人(または足の不自由な人)と分かりますので、ほぼ街中の皆さんが気を使ってくれる優しい世界。でも、ホームで立ち止まったり、席も無く立って乗車してたり、運良く席があって座っている私の見た目は普通のおじさんなので、周囲の人たちは普通のおじさんだと思っている(た)筈です。

うん、自分だって左膝が健康だった時は見た目で判断していました。例えば、歩行補助の杖や補助用のカート、先程も話題にしていた石膏ギプスなんてしてる人が乗車してきたら席を譲ったりもしていました。当たり前の事ですがそれを自慢したい訳でもなく、そういうモノだと皆さんと同様に教育されているだけです。
でもですよ、パっと見が怪我人やそれに準ずる状態ではない人に対しては、そんな気が回らなかった。と言うか、見た目で怪我人ではない怪我人がいるのだ、というの事に自分がなってみて、ようやっと気づくのです。
電車やバスの席で座っていても、左膝の可動域が少ないために右脚のように席に寄せる事も仕舞う事も出来ず(その分、前に足を伸ばしてしまうので)混雑具合ではその左脚を踏まれたり、蹴られて意図しない方向に曲げられ激痛で顔を歪め脂汗を流すのです。また駅に由ってはエスカレーターやエレベーターが無く、ピョコタンピョコタンと手摺りを使い慎重に上り下り。ホームの混雑具合では聞こえるように舌打ちをされたり、故意か非故意か判らないけど鞄や相手の荷物などがぶつかったりする始末。マジで都内の電車が怖いと心から思う訳です。ホントにマジで電車怖ぇ!!どう考えても優しくない世界です。

ヤバい!ヤバいぞ、コレはマズい。これが続くと何かのトラブルが発生してしまう。だからと言って、私の事を全く知らない周囲の人にイチイチ左膝の具合とか説明するのはおかしいじゃないですか。
偶々同じ電車に居合わせた見も知らぬ人たち。各々にその電車に乗る理由もあってその後の物語もある。普通にどこにである光景。それを打ち破る誰も求めてもいない自己主張。事情はさて置き、当の本人以外はほぼ迷惑な行為だと一方的に受け止められてしまう一連の行動。優しさを求めるばっかりに・・・。
でもですよ!それを明確に伝えなければ確実にトラブルが起きるじゃないですか。穏やかな車内の静寂を切り裂いてでもそれを言う事で膝への危険回避なのですから!変な人だと思われようが、伝える事で自分の体のみならず周囲の人への優しさなのですから!!押し売りだろうと言われようが、自分の身を守る為の行為なのです。正義は我に在り!なのです!!さあ、今こそ声を高らかに叫ぶのです。
「ねぇ、みんなー聞いてぇ!私は見た目は普通のおじさんだけど、めっちゃ左膝の靱帯損傷してるから、優しくしてェ!!」

アレ?なんだろう、この既視感は。
このノリはめっちゃどっかで見た事あるぞ?


怪人「フワハハハハッ!愚かな人間どもよ、よぉーく聞け!この会場は我々悪の組織が乗っ取ったァ!!」

これだ!ヒーローショーでよくある怪人軍団が登場するクダリの定型文。そうか、これは優しさだったのか!・・・いや、ちょっと待て。そうだとするならこれは本当に周囲に対しての優しさなのだろうか。

話はちょっとズレるけど、怪我人と怪人って一文字違いだなぁと。
怪我の語源は【 けがる・けがれる(穢れる 】の語幹からだと諸説在りだから、穢れた人で怪人なのだろうか?ただ怪我には我があるって事は【 我は怪しい 】のか【 我を怪しむ 】のどちらかだと考えられる訳で。って事は怪我=思いがけない過ちや、不測の結果。体が傷つく、負傷するという意味だと考えると、言葉の構造は【 怪しい我 】ではなく【 我(の体の異変)を怪しむ 】って事なんでしょうね、諸説在り。


パッと見が普通のおじさん(お姉さんでもお兄さんでも誰でもいいです)が乗車した際に私に向かって「自分は怪我人で云々」的な自己紹介的説明をはじめたらどうだろうか?と逆の立場で考えてみます。多分ですけど行動は面倒な人に絡まれたなぁと席を譲るか、面倒な人に絡まれたなぁと思いながら無視をするかの2パターンの筈です。もし別のパターンを思い浮かんだなら、あなたはとても想像力の豊かで優しい素敵な人です。残念ながら私には思い浮かばなかった。

優しさを求めるためにある意味面倒な行動を起こすのですが、それも上手く伝わらない。場合に拠っては【 変な人 】のレッテルを貼られて、ハイ御終い。いずれにせよ、優しい世界とは程遠い世界。怪我をするって治療以外にも大変な事の連続なんだなあ、と思う日々なのです。
優しくされたいなぁ、誰にもストレスを与えず、誰からもストレスを与えられずに。ニコニコ優しい笑顔を振り撒くだけでなんとかならないのだろうか。他の人たちは一体どうしているのだろうか?私のように怪我が一過性ではない人たちはどうやってこのストレスを対処しているのだろうか・・・。

あ!!そうか、だからヘルプマークがあるのか! と膝を打つ。
言葉だと起こり得るトラブルを回避するための記号的存在!!
見た目で分かり易い歩行補助的な器具たちや、あからさまに怪我人だと主張出来る石膏ギプスも、ある意味記号的存在だったのだ。ハハーン、世の中って上手に出来てるねぇ。と一人納得してさらに膝をポンっと叩く。
左の膝痛いけど。

そう考えると、怪人たちのヒーローショーでの冒頭の例の台詞もある意味記号的な台詞。あの台詞があるからこそ、ヒーローとの戦いの物語が始まる・・・言わば「キッカケ」の記号。なんだ、やっぱり優しさじゃなかったか。この台詞自体はヒーローショーの優しさではあるんですけどね。
そもそも、怪人自体が記号的な存在な訳で。
まあ、この件についてとか優しいヒーローショー、優しくないヒーローショーに関してはまた機会があればその内に。


そんな事を考えながら約1ヶ月。左脚内側側副靭帯の部分断裂及び損傷、肋骨骨折(右第十一、十二肋骨)の経過は回復の方向となり、先日無事に左膝のサポーターギプスはお役御免となり、可動域旧キットガンダムの生活から脱却。無事リハビリへとマスは進んだことをご報告しておきます。
いろいろとご心配頂き、また暖かいお言葉や優しいご対応ありがとうございました。

皆さんの優しさで私は生きております。

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この記事のBGM:斉藤和義/やさしくなりたい

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