お遍路11番藤井寺12番焼山寺
藤井寺から次の十二番・焼山寺までは、往古の姿を留める「へんろ道」が通じています。弘法大師が修行中に休息したという遺跡や石仏、標石が残される貴重なへんろ道
12番焼山寺
飛鳥時代(592-710)に役行者が山をひらいて、蔵王権現を祀ったのが寺のはじまりとされます。ところが、この山には神通力を持った大蛇が棲んでおり、しばしば火を吐いて農作物や村人たちを襲っていたのです。815年、弘法大師が一本杉で休んでいた処、阿弥陀様があらわれた夢を見ました。目を覚ますと目の前が火の海になっています。そこで麓の垢取川に身を清め山に登ろうとすると、大蛇は全山を火の海にして妨害してきました。弘法大師が「摩廬の印」を結び、真言を唱えながら進むと、大蛇は山頂近くの岩窟で姿をあらわしました。