見出し画像

アグレフォレストリー 安曇野自然農学習会

題「アグロフォレストリー~森を作る農業~」(youtubeよりhttps://m.youtube.com/watch?v=hTdKDt2uvWc )

○アグロフォレストリーとは

アマゾン東部のトメアスで、1970年代以降に日系農家が実践し、世界から注目されている農法。
土地を有効活用し、森林の保護と作物の栽培の両立を図る。環境的にも経済的にも持続的な農業。「森を作る農業」とも言われている。作物の多様性が特徴。

○アグロフォレストリーが生まれるまで○

戦後のトメアスでは胡椒栽培が莫大な富をもたらしていた。
しかし、後の病害により胡椒栽培は破壊的な打撃を受け、単一栽培の恐さを思い知る事態になった。
トメアスを去る人が相次ぐ一方、とどまる人達は胡椒に代わる作物を探し、試行錯誤が続いた。

~アグロフォレストリーの父~

初めてシステムとして混植を推奨したのが坂口のぼるさんだった。
坂口さんは、胡椒に替わる作物を探していたところ、アマゾンの先住民が様々な種類の作物を混植し、飢えもなく暮らしている様子からヒントを得、混植を始めた。

○トメアスのアグロフォレストリー○

長期的な収穫を見込み、経済的に成立する作物を選ぶ。
作物の組合せは農家によって違う。
作物はトメアス全体で100種類を越える。

(実例)
・列状に立てた支柱の足元に胡椒の苗を植える
・胡椒の列の間にバナナとカカオを交互に植える(バナナがカカオを守る役割を果たす)
・バナナとカカオの間に、タペレバー、アサイー、マホガニーを植える
・⬆これらの間にとうもろこしと稲の種をまく

(注意すること)
・作物の間隔
・どういった樹木を間にはさむか
➡これらに注意しないと作物が競合してしまう

~森の畑ができるまでの経過~

(一年目)
稲が育ち収入を得る。

(二年目)
バナナ、こしょうが実をつけ始める。作物が共育ちの状態。数年間は実をつけるバナナ。バナナの陰で成長するカカオ。
胡椒は5年ほど収穫でき、安定した収入を得られる。

(三年目)
タペレバー、アサイー、マホガニーが成長。カカオが実をつけ、バナナ以外の作物が背を伸ばす。

(六年目)
カカオ(3m)、アサイー(5m)、タペレバー(8m)、マホガニー(8m)が成長し、農場は深い茂みになる。
アサイー、タペレバーの収穫。
カカオは30年収穫出来る。

(七年目)
バナナと胡椒は枯れるが、タペレバーやマホガニーが大きく育つ。15年もすると森のような畑になる。
マホガニーは高級木材として売ることが出来る。

(弱点)

・手作業での収穫ゆえ、量を収穫できない
・運搬中に作物が傷んでしまう
・保存が利かず、一定量を貯えられない

➡これらの理由で大都市の市場に出すのが困難。

~救世主ジュース工場~

弱点を救ったのはトメアスのジュース工場だった。
少量の作物でも引き受けてくれるため、農家は安心してアグロフォレストリーに取り組めるようになった。

数種類のジュースが高品質で作られ、世界中に出荷できるようになり、農家の生活も安定した。

○アグロフォレストリーのこれから○

現在、アグロフォレストリーは注目を集め、トメアスからさまざまな国へその技術が伝えられ、広がりをみせている。
アグロフォレストリーにより土壌が自然の状態に近づいていることが研究で明らかになった。
そのことは、生態系が再生する可能性を意味している。

――――――――――――――

鑑賞後のシェアリング。

「共育ち」という言葉に心をとめた人がちらほらといたようです。
互いが共に育っていける世界が自然界にも人間界にも重要なことなのかもしれません。
人間の知恵はそういうことの為につかいたいものです。

●21時。自由時間~就寝。

今回宿に泊まるのは女3名。自宅に戻る人もいます。
黒猫が辺りをちらつく中、女達はしばらく話し込み、食や教育について語りを深めるのでした。
明日は5時(予定)から畑作業だというのに。めでたし。

立体農法
http://www.lennut.org/article/article0910.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?