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軽んじられた経験から学ぶ: 精神的成長の秘訣

こんにちは、心理カウンセラー(公認心理師)の高牟禮(たかむれ)です。

私たちは人から軽んじられると
実害がないことでも
心理的に大きなダメージを負ってしまうことがあります。


人間関係のストレスの
かなりの部分が
この「軽んじられる」ことに伴うダメージ
と言っても過言ではありません。


なぜこれほどまでに
大きな心理ダメージになってしまうのか。

その理由と対処法を
お伝えします。


Aさんはプロジェクトのアイデアを発表するため、
壇上に立っていました。

準備は万端、
内容にはかなり自信がありました。

ところが同僚たちの反応は
信じ難いほど冷ややかなものでした。

彼らは私が話を始めても
うつむいたままで
退屈そうな表情でした。

これといった質問もなく
白けた雰囲気で発表を終えるしかありませんでした。


私の言葉は彼らにとって
何の価値もない。

自分の存在が透明になる感覚に
襲われました。

自分のアイデアは
何の価値もないのか。

あるいは私そのものが
彼らにとって意味のない存在なのか。

きっと両方なのだろう。

Aさんは深く傷つき、
自信を失いました。

帰り道は心は重く、
絶望感、恥辱感にまみれていました。


私たちは他人の反応の悪さに
傷つくことがあります。

同僚、友人、家族、はたまた見知らぬ人からの、
ちょっとした言葉や態度から
「自分は軽んじられている」と感じてしまう。

そんなとき心は
なぜこんなにも痛みを感じてしまうのでしょうか?



まずは、考えられる理由を
複数リストアップしてみます。

  1. 承認されたい、という欲求:多くの人が心の奥底で、誰かに認められたいと思っています。だから、軽んじられると、自分が「価値のない人間」だと思ってしまうことがあります。

  2. 自尊心の傷つき:「自分は大丈夫」という自信、これを自尊心と言います。他人からの否定的な評価は、この自尊心を傷つけ、心に大きなダメージを与えることがあります。

  3. 所属していたい、という欲求:人は集団の一員でありたいと願う生き物。軽んじられると、「仲間外れにされた」と感じ、孤独や疎外感に苛まれることがあります。

  4. 過去の影響:以前に似たような経験をしたことがある人は、それが心に残っていて、再び同じ状況に直面すると、その感情がよみがえることがあります。

  5. 強い思い込み:時には、他人の言動を誤解し、実際よりも否定的に受け取ってしまうこともあります。これは心のクセのようなもので、自分でも気づかないうちに、他人の言動にネガティブな意味づけをしてしまいます。


他人の言動に過度に反応し傷つくときは
これらの理由のどれか一つ。

あるいは複数関係している場合があります。


大切なことは、傷つく理由がわかったとしても
自分で自分に追い打ちをかけないこと。

それは傷口に
塩を塗るようなものです。


対処法としてお勧めは
まずは「軽んじられ傷ついた」あるいは「相手に怒りを感じた」といった
自分の反応を受け止めることです。

心の中で「軽んじられ傷ついたんだね」「相手に怒りを感じたんだね」
といった言葉をかけてあげましょう。


これは自分で自分に
肯定的関心を向けるという行為。

すると傷つきや怒りは
少しずつ軽くなっていきます。


もし気持ちが楽になってきたら
自分への洞察を深める取り組みも
助けになります。

今回ピックアップした5つの理由を眺め
どれが
考えてみるのです。


そして当てはまる
と思われるものが見つかったら

「この傷つきは○○が関係しているみたいだね」
あるいは「この怒りは○○が関係しているみたいだね」

といった感じで心の中で
自分自身に言ってあげるのです。


これも咎めるのではなく
ただその現象を受け止める
というニュアンスで。

するとより客観的に
自分を眺められるようになり
ストレス耐性もアップ。

他人の評価に
振り回されにくくなっていきます。


人間関係のストレス。

とりわけ軽んじられることのストレスは
私たちにとって
大きな負担になりやすい。



今回の記事がその負担を減らす
一助になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。




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