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京都旅行4日目ー六波羅蜜寺、京都国立博物館、智積院、相国寺

5月23日 木

今日は踊り念仏の開祖、空也上人のリアルな立像、そして人々がよく知る平清盛像を拝観できる六波羅蜜寺から。市内近郊、交通機関の混雑を避けて歩いていきます。でも思った以上には近くということはなかったのではないかと。

・六波羅蜜寺
 やはり空也上人立像と、御教本を持ちこちらを見ている平清盛像は大変リアルで素晴らしかった。空也上人は思ったよりも背中が曲がり杖を持っておられ、有名な「南無阿弥陀仏」6文字の言葉が仏となって口から出ています。
 平清盛像もやけにリアルで素晴らしい。清盛のやや三白眼で見るその顔立ちが複雑な政治権力とその葛藤を含みつつ生きた人であったかのようなその造形がかなりな説得力で簡単に善悪で評価できないリアルを伝えてくれる気がします。
 帰りにお守りの人に空也上人のお寺になぜ平清盛の像があるのですか?と聞くと、もともとこの六波羅一帯は平家の一族が住っていた地域なのだと。なるほどそういえばものの本にそれは書いてあった。元はこの六波羅、死者の埋葬地で(どの程度きちんと埋葬されてたかはわからない)、死者たちを弔うために空也上人が建てたのがこのお寺だそうだ。だから「この世の春」謳歌した平家一族ももしかしたら死者の埋葬地と共存していたのかもしれない。

・途中の豊国神社

言わずとしれた豊臣秀吉像です。




帰路の休憩。噴水広場に佇むロダンの『考える人』


・智積院
 京都国立博物館と三十三間堂は隣り合わせ。そして市バスが通る突き当たりが智積院で全体がすぐわかる。ぼくの目的はここの国宝館に飾られる長谷川等伯その一門の絵だった。

 その前に三十三間堂と逆向かい合わせで隣にある養源院というお寺に俵屋宗達のユニークな板絵があると聞くので楽しみによったのだが、なんと今日は休業になっている。う〜ん残念。

養源院で見られる予定だった俵屋宗達の白象図



 気を取り直して智積院へ。入り口のモダンさ、通り道は普通にアスファルトの歩行路になっているのにはかなり戸惑った。でも拝観券をもらい、まず“利休推し”の庭園に入ると、なるほど。これは実に美しい!庭園内の小さな池に2羽のカモが休んでいる。人馴れしているのか、近づいても動かない。なんとも愛嬌。

 そして国宝館では長谷川等伯とその一門による金碧障壁画がある。特に等伯の「楓図」は有名な国宝だけど、なるほど実物を間近に見るとまごうことなく美しくて、力強い。色彩の大胆な鮮やかさ、それは生命力の横溢さを感ずる力あるものだ。長谷川一門の作品では、等伯のものが一番激しいように思った。いわば今日は日本画の日で、昨日は作庭の日。もうもう。どれも大変な才能ばかりで、嫌になっちゃう(笑)
 展示室では女性の3人組がかなり日本画に詳しいようで、ずっとそれほど多くはない金箔の等伯の絵についてテクニカルな側面から詳細な話しをしていた。その道の人はやはりいるものだなと思う。日本画に関心がある人は一度は訪ねてみてほしいところです。(アスファルトの参道はともかく)


・相国寺に来たかったわけ。 

 今日はこのあと、鞍馬寺で5月満月祭があるとのことで最後まで行くかいくまいか迷ったが、帰山の時必要な懐中電灯を用意してなかったのと、『日本水墨画全史』をどうしてもホテルで読みたくなって戻ることにした。地下鉄前のコメダ珈琲で今日の振り返りを書き、午後5時過ぎにホテルに戻った。

母の供養にと鞍馬寺に行こうと思っていたのだが、今回の寺院巡りでだいぶ母の成仏を改めて祈った積もりはある。
とはいえ、どこまで自分の腹の底からか、というのは難しい。ただ今回の旅は自分の美的な喜びもあったにせよ、母への供養のことも頭にあったのは疑いない。(了)

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