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いろいろな質問をいただいて-8月の魚病対策-

これまで全国の方々から電話などでいろいろな質問をいただきました。魚病の研究自体がまだまだ新しく、未知の分野が多く、分からない疾患が多々ございます。不治の病も少なくありません。

こうした中で、少なくとも私達の努力で治し得る疾患は治してやらなければ鯉がかわいそうである、ということで勉強しているわけです。したがって、明解な答えやドラマチックな治療法などお教えできかねた点もあろうかと思いますが、私のこの「今月の魚病対策」シリーズを隅々まで読んでいただければ、ご自分の魚病対策のどういう点がまずいのか、どういう点を改めてなければならないのかが分かり、予防を含めた魚病対策に、今までよりは頭を悩ませることがなくなるのではないかと思います。

ご質問では、過マンガン酸カリの使用法についての質問が少なくありませんでした。

2月の魚病対策の表1.にも述べましたように、20トンの水量の池に25グラムを1日おきに2〜3回投与することによって、これに有効な疾患は治すことができます。そしてこのとき、ふつうは注水量など他の条件は全く変える必要はありません。

ちなみに私の池は、多くの皆さんと同じように循環式で、池水、水路、浄化槽、全部で20トンの水量に注水量は3〜6トン/日で調整しています。ただし、池水の有機物が多く、汚れておりますと過マンガン酸カリや、メチレンブルーはこれと吸着し、効果が弱くなりますので、水管理をキチンと行っていることが前提となります。

各薬剤、過マンガン酸カリ、メチレンブルー、あるいはマゾテンの投与の際の間隔はどれくらいかという質問もありまして、私の説明不足もあったかと申し訳なく思っております。

過マンガン酸カリとメチレンブルーは、以前にも述べましたように、同時に投与を行いますと反応を起こして沈殿してしまいますので、注意が必要です。やはり、1週間の間隔をおいて次の薬剤を投与していただければと思います。

私自身は2種類の薬剤の同時投与は行いません。必ず1週間の間隔をおいて投与するようにしております。何度も申し上げますように、魚病対策の原点は予防であり、予防の重要なポイントの1つは薄飼いということになります。

※画像はイメージです。


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