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錦鯉 -今月の魚病対策-

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季節に先駆けた錦鯉の魚病対策について。 錦鯉愛好家の皆様に読んでいただけると幸いです。
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2023年8月の記事一覧

餌について-8月の魚病対策-

さて、8月は鯉も元気に餌をどんどんほしがりますし、私達も秋には大きく太らせて品評会に出してみようなどと夢見ながら餌を与えます。 生餌や濃厚餌料、あるいは飼料を与えて成功している愛好家もおられますが、栄養のバランスの問題、水管理や、時間的な制約の問題など、いろいろな点で本当に大変な作業で、こうしたことの可能な方や、高度飼育者の場合はよいでしょうが、一般的平均的愛好家には余り勧められません。市販されている飼料も最近は大変良く、これを数種混ぜて投餌するのも結果が良いようです。

眼球の突出と立鱗について-8月の魚病対策-

比較的多い質問に「眼球が飛び出すが、どうしたものか」ということがありまして、さらにそのとき、「立鱗がみられる」こともあるということでした。私自身は「眼球がとび出す」鯉を持った経験はないのですが、皆さんの話を聞かせていただいていろいろ推論しております。 全体的あるいは局所的にも水が貯留する、いわゆる水腫あるいは浮膿の病態は、①炎症性疾患、②腎機能障害を含めた水、電解質代謝異常、③静脈系の障害(リンパ系を含む)、④心疾患などが原因として考えられるわけですが、前記の鯉の眼球が飛び

いろいろな質問をいただいて-8月の魚病対策-

これまで全国の方々から電話などでいろいろな質問をいただきました。魚病の研究自体がまだまだ新しく、未知の分野が多く、分からない疾患が多々ございます。不治の病も少なくありません。 こうした中で、少なくとも私達の努力で治し得る疾患は治してやらなければ鯉がかわいそうである、ということで勉強しているわけです。したがって、明解な答えやドラマチックな治療法などお教えできかねた点もあろうかと思いますが、私のこの「今月の魚病対策」シリーズを隅々まで読んでいただければ、ご自分の魚病対策のどうい

この時期に治しましょう-8月の魚病対策-

8月に入り、月1度のマゾテン定期投与を終えたことと思います。まだ行っていない方は投与する日を決めておいて規則正しく、事を誤らないように行ってください。 マゾテン投与によって、イカリ虫やチョウの他に、ダクチロギルス、そして、つりがね虫にも効果があることは以前にも述べております。投与量については三月号をお読みください。 イカリ虫の成虫が魚体に刺入しているのを発見しましたらできるだけ早く除去し、メチレンブルーあるいはマーキュロ等を塗布しておきましょう。成虫が刺入している間はなか