9月5日と9月6日と9月7日のこと ~その1 人生でいちばん倒木を見た日~

9月5日、7時半ちょっと前。職場のチームのLINEグループの通知で起こされた。
「点灯していない駅の電光掲示板」の画像に、こんなメッセージが添えられていた。

「JR、止まってるってよ」

台風である。
いや、台風自体は前日の夜に北海道を通過していって、外は快晴であった。しかし、実際JRは止まっていた。
JR北海道のサイトを見ても、やはり止まっていた。倒木多数などなどの理由で、午前中いっぱいは動かない、と。

前日の時点で、すでに台風による影響で出勤できない場合の話はあった。別手段で来られるなら来るのもいいし、休んでしまっても問題はない、と。

休んでしまえば給料は減ってしまう。だから出勤する以外の選択肢はない。だが金がない。下ろせばあるんだが、そして別手段で出勤したとしてもその分は会社から出るらしいのだが、もろもろあっね極力下ろしたくない。

そこで自分がとった行動は何か。

徒歩である。
12キロ離れた職場まで、徒歩で出勤する、というバカげた選択であった。

最近酒がやめられないので酒を飲む代わりに散歩していて(ただし酒は本数こそ減ったがやめられてない)、職場から自宅へ歩いて帰るというのも何回かはやっているものの、出勤でそれをやらかすのはあまりなかったことだ。そりゃそうだ、徒歩で3時間もかかるんだから。
しかもおれの出勤時間は11時。急いで仕度して7時40分ごろには出られたがギリギリである。

で、そんなふうに職場へと徒歩で移動し始めた自分だが、歩いて30分くらいから、わりと信じがたい光景が飛び込んできた。

北海道に台風が上陸することはまれだし、上陸したところで台風としては弱まってるので被害などたいていはたかが知れている。
が、この時ばかりは自分が相当たかをくくっていたことを悟った。

北海道で、少なくとも札幌で、街路樹が倒れている画ヅラをみること自体かなりレアだ。街路樹は倒れるものである、という認識すら、たぶん多くの人は持ってないのではなかろうか。

そんな札幌の、しかも幹線道路である国道12号線沿いで、街路樹がだいたい3本に1本くらいの勢いで倒れていたのだ。
完全になぎ倒されて歩道を遮っているもの、倒れていたところを支障にならないようチェーンソーかなにかで細かく小口切り(?)にされたもの、倒れる一歩手前のもの、などなど。倒木が電線が切れたせいなのか、消えている信号までもあった。

ここまでの人生で、これほどまでの数の倒木をみたことがあっただろうか。歩きながら自分は思い起こしてみたが、確かになかった。

なお、徒歩による通勤は、倒木に足取りを阻まれつつもそれなりに平穏無事に終えることができた。テンポの速い音楽を聴きながら歩いたことが奏功し、3時間を十数分切る程度で職場に到着でした。

まあ、しこたま疲れましたけどね。

そんなこんなで、疲れきった体で仕事をとりあえずこなし、定時で上がり、いつものように酒を飲みながらツイッターにグダグダ絡み、電気をつけたまま寝落ちすることに相成ったのだが…

(その2に続く)

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