(暫定公開)シネマ小並館 その15(後編):『マッドマックス2』見どころ箇条書きレビュー

マッドマックス2のレビュー第二弾。今度は最初から最後までの見所を時間軸にそって書き出す『箇条書きレビュー』をば。実写版デビルマンでやりかけて頓挫したけど、今度は最後まで書きたいところ。
でもちょっと長くなりそうなので、まずは中盤までを暫定公開してお茶を濁そうかと()

・オープニングはナレーションで世界観、というか劇中の現在に至るまでの状況がされる。
・前作では『現在から数年後の未来』であること、『石油が足りなくなっている』こと、『秩序が崩壊しつつある』ことくらいしか劇中で読み取れなかったが、二勢力間の戦争が発生→それに伴う石油危機→さらにそれが文明の崩壊をもたらした、という流れで明らかに(ただサンダードーム以降ではさらに『核戦争かなにかにより広範な放射能汚染がある』という設定が付加される)
・前作の最後の登場時点でジェシーはとりとめて死んではいない状況だったが、世界観説明のところでマックスのそばに十字架が二つある描写、ということは(やっぱり)ジェシーも助からなかったということだろうか。まあ、あれだけ内臓をやられてたらなぁ。
・冒頭のカーチェイス。非常に低い視点での主観ショットが印象的。
・追跡してくる車が路肩の障害物を跳ね飛ばした音に(さっきまであくびこいてたくらいなのに)『えっ?!えっ?!』みたいなリアクションするわんこ萌え
・やっぱりスーパーチャージャー起動のシーンは燃える。『キィィィィィィン!』って音と高速回転しはじめる過給器。
・バギーと衝突して横転する追跡車を後ろに下がりながら追いかけて撮るとこがナニゲに好き。クラッシュする車まで併走して撮るあたり、すごく『マッドマックス2』らしい感じが。
・クラッシュしたバギーから漏れるガソリンを確保するとき、ガソリンにドライバーの血が混じってるあたりはなにかの暗喩のように見える。
・まずウェズさんの雄叫びがオフから入るとこが面白い。
・ガソリンを確保しながら横目でチラッチラッとウェズさんを気にして、なおかつウェズさんが矢を引き抜く瞬間を見て『ウェッ』みたいな顔するマックスが萌える
・そしてウェズさんの彼氏の仏頂面っぷり。
・放置されたトレーラーのドアの『EARTH』というペインティングがずっと気になってたんだが、これ荷台部分に書いてある文章と繋がってるっぽい。荷台部分と合わせると『THE VERMIN HAVE INHERITED THE EARTH』。多分『この世界の後継者はクソムシだ』的な意味?
・たぶんこの『THE VERMIN HAVE~』の文を書いたのはこのトレーラーの所有者でなく、所有者を殺した賊じゃないか、とも思ったが、もしかしたらそうではないのかもしれない(だから何だ)
・死んでいたトレーラーの運転手のオルゴールで『ハッピーバースデー・トゥ・ユー』を聞きながら、複雑な表情を見せるマックス。ほんの一瞬だけ微笑んだり、なにか思い出した風の表情をしたり。
・広大な荒野へと再び消えてゆくマックスのV8インターセプタ。壊れた車と道路と地平線しかないような光景だが美しい。夕焼けのように見えるがたぶんフィルタを使っている。
・V8インターセプタと一人乗りジャイロの俯瞰の構図が好き。というかよく見たらジャイロのそばまで足跡がw
・ヘビを捕まえようとしてるマックスの表情はよく見るとちょっと明るいというか喜んでそうというか、表情がちょっと緩んで見える。劇中終始仏頂面な印象のあるマックスだが、よく見るとこのシーンに限らずかすかに嬉しそうな顔をしたりちょっとにやっとしたりしていたりする。
・ジャイロキャプテン登場。なんか『お前反射神経いいな!おれは頭がいいけどな!』とか言ってるわりには落ち着きがないので頭良さそうに見えない罠
・とはいってもブービートラップを解除させるときに『シャーシの下に武器くらい隠してあんだろ?』って警戒するあたりはたしかに頭がいいのかもしれない。うっかりしてわんこに気づかないのはまあ仕方ないね
・ジャイロキャプテンが助手席に縛りつけられてるとこ、よく見ると後ろにあとで出てくるドッグフードの箱があるのが見える。
・マックスが双眼鏡でヒューマンガス様を見てるとこで、興奮気味で報告に来たウェズさんをヒューマンガス様がちょっといさめてるとこがいい
・ドッグフードをすごくうまそうに食うマックスwww
・そして自前のスプーンを懐から出すジャイロキャプテンw なんでそんなものをw
・そして自前のスプーンを持ってたはずなのになぜかドッグフードのおこぼれを缶から手でさらって食うジャイロキャプテン。何のためにスプーン持ってたんだwww
・前編でも書いたが、夕刻精製所から退却するヒューマンガス一味を俯瞰するカットの美しさといったら。個人的には今まで観た映画のシーンの中では五本の指に入る美しさだと思う。砂煙を立てながら走る何台もの車両、あちこちに見える炎、精製所の電気の光、稜線と黄昏る空。
・石油を使って発電し照明をつけ続けることで、夜でもその守りが万端な精製所。精製所側とは違いリソースが限られているため、包囲し続けられず引き返すヒューマンガス一味。
・このシーンがなぜこれほど美しいのか。それは、抵抗する精製所側も、それを脅かすヒューマンガス一味も、この視点からだと互いに同じくらい小さく見えるからなのかもしれない。このあとの『望遠鏡で人が殺されるところを見続ける』シーンもそうだが、突き放したような視点が静かに感情を突き動かすんじゃないか、という気がする。
・精製所からトレーラー探索のため車が三台出発するシーンも、基本的にあまり音も聞こえず、ひどく突き放したような印象がある。
・ヒューマンガス一味の追跡隊がクロスボウで捉えた者を撃つとき、必ず全体は映らず『撃つ者』か『撃たれる者』しか映らない、というのが、深く静かに悲劇感を強調している。
・男のほうを撃ったあと、女には興味ねぇと言わんばかりに離脱するウェズさんと彼氏(とその他数人)
・何度観ても、女がクロスボウで撃たれるところ(見えてないけど)は無言になってしまう。自分たちのいるところとは遠く離れたところで起きる悲劇。
・男を助けるとき、マックスは『ガソリンが欲しいだけだ』とうそぶくが、襲撃されているところを望遠鏡で観ているときの表情からすると、本当に下心だけなのか疑問は残る。
・精製所内に初めて入るシーンでは、最初から疑いの目で見られる上に助けた男(ネイザン)が死んだことで『約束は無効だ』とされる。日々の襲撃で疑心暗鬼になっていることはわかるんだが、つれなさすぎる気もする。
・このあたりは、精製所側が持つものか持たざるものかで考えると『持つもの』であり、優位に立っているから、というのももちろんあるだろう。『持つもの』の視点、というのはあとのシーンを見るときけっこう重要になる(ような気がする)。
・ちなみにマックスを罵る言葉として『Parasite』という言葉が出てくる。彼ら的には持つものと持たざるもの、というよりは『生産するものとただそれを奪うもの』という図式があるのかもしれない。
・生産者と収奪者という区分けになっていて取り引きするものがいない、というのは、経済というものが再び現れる前段階、とも見ることができるが、これが『サンダードーム』になると物々交換による交易が現れ、経済が復活する萌芽が見られる。ただそれとともに『身分の違い』というもう一つの面倒な問題が出るわけで。
・あれだけ落ち着き払ってたマックスだが、犬が手をかけられそうになると必死で庇おうとする。彼にとってはただ一人の家族なので無理もない。
・各員が銃座につくシーン、劇伴の『チャーン!チャーン!チャーン!』とシンクロしてるが、最後のチャーン!だけもたついてる。そしてこの銃座につくのがもたついてる奴はこのあとのヒューマンガス一味侵入のシーンでももたついてて、ウェズさんに頭突きで殺されてる。このシーンがある意味死亡フラグだったのではないか。
・ヒューマンガス一味の来訪シーンで、はりつけにされてわめいてるのは前作でもベンノ(うすぼんやりした中年男)役で出てた人らしい。
・わめく人質に一発食らわして黙らせたあと、人質の頭をなでるトーディ。なぜにw
・ヒューマンガス一味には何人か女もいるようだが、ヒューマンガス一味の女が出てくるのはこのシーンとあとのトレーラーを持ってくシーンだけか。
・恋人をやられたウェズさんの表情がいたたまれない。そしてブーメランを受け取りそこねて指を斬られたのにわりと痛そうにしてないトーディ。
・恋人を殺され怒り心頭のウェズさん、『話し合いなぞクソ食らえだ!皆殺しだ!』って言いながらわざわざヒューマンガス様に締められに行ってるように見えるが、一応指揮者の位置から即時侵攻を訴えようとしてたからヒューマンガス様のとこに行ったのか。
・ウェズさんの様子に動揺する精製所の住人。自分の身を守るためとはいえ、やってはいけないことをやってしまったのではないか、という後ろめたさを感じているようにも見える。
・この『ウェズさんの彼氏殺害』を期に、マックスたちは全作とは逆に『復讐される側』になる(直接的な復讐の相手はフェラル・キッドだが)。
・フェラル・キッドがブーメランを受け止めるのに使ってるグローブ(?)だが、よく見ると掌側にはちゃんと金属のチェーンを使ってあって、鋼鉄のブーメランで手にダメージがいかないようになってる。
・マックスがフェラル・キッドにオルゴールを渡すシーン、『子供は人殺しの道具を持ってるよりこういうのを持ってるほうがいい』みたいに見える。
・精製所の住人とマックスが交渉してるシーン、マックスのカットがあえてマックスを中心に据えずにちょっとだけ右寄りにしてるとこが妙に印象に残る。
精製所からジャイロキャプテンのねぐらまで30キロくらいは離れてるんだが、その距離を途中までとはいえ軽油をかかえながら歩ききるとかやっぱりタフ…っつかジャイロキャプテンを見つけたあとは残りの距離をジャイロキャプテンに軽油を抱えさせてたくさいがそれはwww
・蛇の毒にやられた奴から使えそうなブツを物色するシーンだが、よく見たら毒にやられつつも生きてるwww
・そしてライフルの弾が見つかるとちょっとだけうれしそうな顔をするマックス。
・ジャイロの二人乗りはトレーラーのとこに向かうときのみ出てくるが、後でなくて横にもう一人なのか! すごいバランス崩しそう…
・ヒューマンガス一味がトレーラーの追跡を始めるところで、ある車の助手席から運転席側をずっと撮ってるカットがあるが、そこがナニゲにこの映画の中で一番秀逸なカットになっている。
・運転者が乗り、車を走らせ始めると、追跡にかかる数台の車両が見え、続いて追跡対象のトレーラーが見える。この一連の流れ、状況のすべてをひとつのカットで見せている。
・トレーラーがテントをひっぺがしていって中でちちくりあってた男女が丸見えになってしまうシーンは、この映画では珍しくコミカルなシーン。
・精製所侵入後、ウェズさんがもたついてる奴を見つけて襲うシーンで『そのまま襲いかかるのかと思いきや後ろに回り込む』とこが好き。
・そしてここでウェズさんの頭突きに殺される奴がくりぃむしちゅー有田に似て蝶















































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