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オタクの視線でもって初音ミクは質量を持つ - おにくる配信凸の文字起こし

ごきげんよう!今日も元気なインターネット中年・賢二です。

折に触れて言及していますが、あなたは「御丹宮くるみ」さんをご存知でしょうか?バーチャルボカロリスナーにして生粋のニコ厨。私は彼女の大ファンなのです。

そんな彼女が、YouTubeのチャンネル登録者数500人を突破した記念に「凸待ち配信」を行いました。私は「彼女としゃべってみたい」という一心で、「Discord 使い方」でググりまくり、手汗をかきながら凸に臨みました。おにくるさんの強火に炙られたのか、日頃こういう話題を肉声で話す機会がないからか、自分が思いのほか饒舌に話をするので驚きました。今の私が初音ミクをどう見ているのかを残す良い機会だったので、おにくるさんの許可を得て、文字起こしをしてみました。

いざ凸

賢二が凸するのは1:46:40くらいからです。

おにくるさん(以下「くるみ」※敬称略)「賢二さん、来てくださってありがとうございます!聞こえておりますか?」
賢二「こんばんは〜!聞こえてます!はじめまして!」
くるみ「こんばんは!自己紹介からお願いします!」
賢二「緊張する…笑 はじめまして。超歌舞伎ファンの、会社員の、賢ニと申します。よろしくお願いします」
くるみ「よろしくお願いします。話せて嬉しいです!」
賢二「本当です〜!私、これDiscord初通話なんですよ。おにくるさんとしゃべりたいがためにググりまくって、ここまできました。もし粗相があったらすみません…」

歌わない初音ミク、歌う初音ミク

賢二「で、今日は、"歌わない初音ミク“について…」
くるみ「それ!それ!たしか最初くるみが賢ニさんを認識したのって、シンフォニーかなんかの"歌わない初音ミク"の話だったと思うんですよ。ODDS&ENDSで、歌う歌詞なのに"歌わない初音ミク"で、みたいな...」

賢二「そうなんですよ、自分の声を卑下しておく歌詞でありながら、歌ってねーじゃん、みたいな。私が好きな超歌舞伎も、初音ミク歌わないんですよね。でも、初音ミクとして舞台に立てているのはなぜだろうって考えた時の答えが、ピノキオピーの"愛されなくても君がいる"っていう…」

君が望んだら 今日も明日も 初音ミクでいられるの!

くるみ「完璧!完璧な解釈一致です笑! 超歌舞伎観てなくて申し訳ないんですが、ここまで完璧な解釈一致です」
賢二「私"ウチの初音ミク"がいないんですよね、私の中に。音楽も、そんなに詳しくない。で、日本のポップカルチャーの権化としての初音ミク、サブカルチャーの例として一発目に出てくる初音ミクの姿が結構好きなんですよ」

くるみ「わかる」
賢二「教科書に載っちゃうバーチャルシンガー・初音ミクがすごい好きで」
くるみ「くるみも度々言ってるんですけど、"ボーカロイドは"っていうか"初音ミクはそもそも本職は歌うものだから"って、歌声の好きなリスナーのエゴじゃないですか。なので、別にいいんですよ歌わなくても、多分。笑」
賢二「私マジカルミライとか観てても、私の中で初音ミクってひとりしかいないんですけど、きっとみんな各々の“自分の中の初音ミク”を、おにくるさん時々おっしゃってますけど、投影して見てるっていう。…いいですよねぇ…」
くるみ「いいですよねぇ。いいんですよ」
賢二「いいと言えば、おにくるさんがマジミラで、オタクを観たいがために後ろの方の席をとる話、めっちゃ好きなんですよ」
くるみ「ありがとうございます!今回もA席をとりました!」

人間と対等な初音ミク

賢二「超歌舞伎って、初音ミクの活躍の場をお膳立てしてるシーンっていうのが全然なくって」

くるみ「お!いいですね」
賢二「そこめっちゃ良くないですか!?人間の歌舞伎俳優と対等なんですよね。必要なところに初音ミクが配置されているだけであって、"はいっ!みんな大好きな初音ミクさんでーす!ワー!"っていうシーンがないんですよ。だから、初音ミク目当てで観に行った人、"え?初音ミクこれで終わりなの?"って思っちゃわないかなっていう懸念は、私は常々あるんです」

補足: ここで私が言う「ない」シーンというのは、物語に不要なのに初音ミクを強調したいがために用意された演出、ということ。歌舞伎役者としての初音屋さんの見せ場は、物語の流れの中でちゃんとあります!超歌舞伎において初音ミクはめちゃめちゃ真面目に歌舞伎に取り組んでいらっしゃるので、「みんなぁ〜元気〜!?初音ミクですっ♡」なアイドルしてる彼女を想定してると、ちょっとビックリするよねって話。初音ミクが舞台にいない時間もかなりある。初音ミクを引き立てるために歌舞伎役者が集まったわけではないので。それでもミクファンに席を立たせない吸引力があるのが超歌舞伎です。超歌舞伎はいいぞ。

くるみ「その"人間"というか"初音ミク以外"と"初音ミク"が同等に扱われているコンテンツがとってもとっても好きで」
賢二「プロセカじゃないですか!」

くるみ「プロジェクトセカイのユニット、セカイバージョンで、ボーカロイドキャラクターが全然別にメイン張ってないの、賢ニさん絶対好きだと思うんですけどどうですか?くるみは好きです笑。本当にビックリするくらいボーカロイド出てこないんですよ。それがすっごい良くって。あと、「鼓童」とかも、くるみすっごい好きなんですけど」

賢二「わ゛た゛し゛も゛大゛好゛き゛て゛す゛!!!!!
くるみ「鼓童も、人間と初音ミクが同等な感じするじゃないですか。どっちかがメインって感じじゃなくて。太鼓だけ叩いてるパートもあるし」
賢二「めっちゃいいですよね。"初音ミク with〜"じゃなくって、一緒に一つのステージ作ってますみたいな」
くるみ「一緒にやってる、みたいな。初めて鼓童観に行った時に、メインの大太鼓のお兄さんが、モニターに映ってるミクさんの方を見て、トントンって合図して始めたのがめちゃめちゃ良くって」
賢二「わかる!!!そこに在るものとして扱われている、なんというか、初音ミクと人間の境界が、舞台の上だとちょっと揺らぐっていうか、限りなく薄くなっていくっていうか、溶けるっていうか、あの感じがたまんないんですよね。多分、その感覚って舞台を観てる人しか分からなくて、それが舞台を観ている側の一体感を生んでいるのかしら、なんて…」

くるみ「マジカルミライで後ろの方の席をとるのもそうで(※さっきチラッと話に出たがおにくるさんはマジミラをA席から観ることにこだわっている)、直接的に前で舞い踊っている初音ミクを見るよりも、お客さんの間からチラチラ見えるエメラルドグリーンを"見えないよお〜"って言いながら目で追ってるのが、一番実在感あると思うんですよ、くるみは。それがすっごい良くって」
賢二「人と人との合間を縫うことで、オタクの視線が舞台までの間にあって、多分その"オタクの視線"でもって初音ミクって初音ミクで居られるじゃないですか。映像じゃなくて。"初音ミクがそこに居る"って信じてるみんなの集団幻想みたいなところがあって、それってちょっと不気味で、良いですよね」
くるみ「あの"見えない"感じと、間にオタクの層が何層もあるその隙間から観てる感じが、"多重性〜!"みたいな」
賢二「オタクの視線によって、初音ミクの質量どんどん重くなるみたいな」
くるみ「いいですよね〜。今日はありがとうございます、話せて良かった!」
賢二「今日はこの話がしたかったんです。大満足です。頑張ってください!おじゃましました〜」

凸を終えて

やはり、好きなものについて語り合う(今回は凸という形だったため、おにくるさんにはほぼ聞き役をさせてしまったが)というのは、楽しい!あと、人間×初音ミク(ボーカロイド)は、いい!!と気持ちを新たにしました。それからおにくるさんの「超歌舞伎」のイントネーション("超"にアクセント)に、ニコ厨の意地を感じました。超会議のコンテンツの流れ的にはおにくるさんのイントネーションの方が正しい。超歌舞伎は超会議をも超えて「超歌舞伎」というひとつの独立したコンテンツとなりつつありますが、もとは超会議の「超◯◯」のうちの1つであったのだ、と思い出すきっかけにもなりました。

凸した内容を文字起こししてしまうほど、本当に楽しかったです。ありがとうございました!

賢二

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