いきかたのイノベーションフェス「産業の海を泳ぐいきかた」
HEAD研究会の知り合いからの紹介で知ったHEAD研究会主催の建築系のイベントに来ました。
会場は北千住の20年前に廃業した銭湯兼ボーリング場をアートセンターとしてリノベーションした北千住のBUoYでした。
建築やリノベはその中に住む人や商売をする人など、そこから生まれる何かが生まれやすいように考えているんだなと思います。
そして、手を入れやすいような余白を意識しながらも、そのベースとなる基盤を作ることを意識する考え方が強いと感じました。
登壇された4人の方の事業も、単発で売れるか売れないかではなく、それぞれ言葉は違えどフォーマットや基盤を作った上でのビジネス展開をされていていかにも建築的なアプローチだなと思いました。
藤田雄介 CampDesign Inc.
団地のリノベーションをはじめとして建具を肝において自由度を上げた設計をして建築事務所をやっている
http://www.camp-archi.com
戸戸のサイトで建具や布製のパーテーションの販売もしている http://koto.tools
岡部修三 upsetters architects
時代が発達してきたけれど、あまり何も変わってないんではないかということを思うようになってきた。
そしてアメリカでも事業を始める中で、PROFITなのかNONPROFITなのかを聞かれることが多かった。
今は案件の金額スケールごとに、自分たちがやりたいことができるかどうか、社会的にインパクトがあるかのバランスが変わってくるのでそのサイズに合わせて仕事を精査してバランスを取っているということでした。
取り組みながら自社で引き取って事業化しているものもあり、陶器のプロジェクトなどは素材まで遡って作り上げている。
http://upsetters.jp/projects/shiro-ao/
**大野友資 DOMINO ARCHITECTS **
noizに入ってからコンピュテーショナルデザインを初めた。そして海外のプロジェクトを進めるうちに、言葉の差、距離の差、経験の差を考え始めた。
そしてその解決のために「任せる」ことを意識していていくつかの任せるアプローチがあるそうです。
職人に任せる→FabCafe のファサードのとき飛騨の木工屋さんとはじめたときに複雑な仕上げになったときに図面を書くのではなくカットする治具だけ作ってあとは職人さんに任せることでいいものが仕上がった。
鋳物で補強したプロジェクトも自分の知らない業界の陶器を3Dと融合して作った
なににまかせる→六本木ヒルズのクリスマスツリーは設計と骨組みは作ったが、布地の部分はアパレルに任せて作ったことで自分だけでは届かない解像度で仕上がってくる。
フォーマットに任せる→形や枠組みだけ作っていって中のコンテンツなどはそれぞれのプロに任せるようなプロトコルを作ることを意識している
秋吉浩気 VILD株式会社
ShopBotの販売から設計加工まで請け負っている。その先には誰もが「建築家や大工」になることができる「生き生きとした(vi-)社会」を築く(build)ことを目指している
ShopBotなどの工作機械が出てきている今だからこそこれまでの林業の川上から川下まで細分化された産業ではない新しい産業ができるのではないかと思っている。
新しく始めるEMALFというサービスを始めようとしていてライノなどのデータを変換できるインタープリンターをwebに実装している。
ディスカッション)建築でお金を生むという方法
ワンショットで設計する仕事
継続的に続けていく仕事
ノベルティなどの予算のつく仕事
など昔に比べるとバラエティになってきた
秋吉さん)ShopBotなどの新しいインフラが整ってきてから生まれる価値を目指して今は事業を進めている。
素人でもできるところを基盤としてサービス化していきながら、基盤としての責任はプロが担保することで新しいサービスが立ち上がる
大野さん)グラスホッパーのようなパラメトリックデザインの設計をしているが、条件付けをしておけば変数をユーザーが選んでいくことができる。
日本建築こそがまさにそうで、基本ができていればある程度のイメージが固定することができる
建築の人のビジネスって面白い
単純にそう思いました。建築って何かを引き立てたり、誰かに引き渡す箱を作る人たちなので、その考えのままいろいろなことに取り組むプロジェクトデザインの参考になりました。
開催日時:2018年11月28日 (水) 19:00-22:00 (18:30開場)
場所:北千住 アートセンター・BUoY
◆「産業の海を泳ぐいきかた」
モデレーター
・藤田雄介 (Camp Design inc.)
・岡部修三 (upsetters architects)
ゲスト
・秋吉浩気 (VUILD)
・大野友資 (DOMINO ARCHITECTS)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?