印刷業における生産管理と工程管理の違い

印刷会社で生産管理と工程管理を普段あまり区別せずに使用される場面がありますが、仕事の内容として似ていますが、実際はかなり違います。
印刷業は他業界の製造とは違い、基本的に受注生産がメインになるため、生産管理より工程管理の方がしっくり来ると思います。

生産管理と工程管理のそれぞれの仕事

生産管理はお客様からもらった注文を、受注から入稿を経て受注し、工場内で品質を守りながら納期やコスト、数量を決められたとおりに印刷できるように管理し、出荷する工程すべてを計画していきます。
工場にある重要な5M(人、材料、設備、方法、測定)を印刷物にまつわる、材料の調達から、デザイン管理、印刷製造、出荷準備、お客様への連絡まですべての作業を計画していきます。

また、工程管理は生産管理の中に含まれ、印刷物の数量を適切な品質でコストを抑えながら納期を守り出荷することを中心的に考えます。

生産管理に工程管理が含まれる

生産管理と工程管理は印刷工場にとっては信頼を一番重要な生命線です。生産管理と工程管理は密接に関わっています。
受注生産が多い印刷の現場にはあまり生産管理という仕事より、日々受注されるロットも納期も違う商品を個別で工程管理をしながら、会社全体の生産を管理するという方が適切かもしれません。

WEBからのプリント・オン・デマンドにおける工程管理とは

WEBからのプリント・オン・デマンドは事前に納期が決まっている場合が多く、受注は個別製造のため、受注量のコントロールが難しくなります。
そのため、個別の工程管理は1個づつ見ていきながら面として捉え、工場全体の生産量を生産管理していく考え方が必要だと思っています。

製造においてはデジタルプリントにおける分散製造がポイントとなるため、将来的には工場のキャパシティをオーバーしたときのスケーラビリティを同じプリンターを持った他社工場への生産振り分けなどができるのが理想といえます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?