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「きんきん祭り」

奇祭まみれ2
「きんきん祭り」

いたこの降霊を見たことがあるだろうか。遠くまでよく通る、非常に音域の高い声で降霊を行っている。いたこの高齢化が進む中でもその高調子は健在であり、それだけでも一見の価値がある。「きんきん祭り」とは、そんないたこの聖地、岩手県の恐山周辺で毎年の秋に行われている祭りである。

「声の出ないいたこは十分な霊が降ろせない」とはよく知られた話である。そんないたこの声の神聖を守る目的とともに、地元の「恐神社」で秋の行事として「きんきん祭り」が定着していった。時代の変化とともに、歌手や吟遊詩人などの声を資本とする人たちが、そのご利益にあやかろうと参加することで祭りは拡大。現在では「歳を重ねて昔のように声が出ない」とお悩みの中高年の参加が目立つ。「布施明が歌えない」「サザンで盛り上がりたい」といった声が多い中、昨年度は「ホイットニーヒューストンを歌ってみたい」といった高い目標を掲げる参加者もいた。
毎回ゲストも招いており、ここ5年間では、米良美一、岡本知高、森麻季、金田朋子、さかなクンなど、いずれも高音域の持ち主が特別参加している。

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