ライン河の南岸に広がるドイツ有数の銘醸地・ラインヘッセン産です。 こちらのワイナリーは、何世紀にもわたる歴史をもち、当代は女性当主が醸造責任者を兼ねて運営しています。 ドイツ語圏でもっとも影響力のあるワイン評論誌『ファルスタッフ』の選ぶ「最優秀醸造家賞」を2015年に受賞しました。 なんでワインなのに「ファルスタッフ」という名前がついているのかと思われるかもしれませんが、同誌はウィーンで刊行されており、サー・ジョン・ファルスタッフを主人公とするシェークスピアの『ウィンザ
勤労感謝の日、目黒にある庭園美術館で開催された庭園能を観ました。 写真は、この庭園の主(あるじ)たる旧朝香宮邸の建物です。 強めの寒風とはいえ好天に恵まれ、晩秋というか初冬の透徹した気を感じながら鑑賞することができました。 番組は「玉鬘(たまかづら)」の仕舞のあと、「巴(ともえ)」でした。 シテは香川靖嗣さん(喜多流、重要無形文化財保持者)、ワキは大日方寛さんでした。 大日方さんは売れっ子のワキ方(下掛宝生流)で、これまでにも安宅の富樫など、いくたびも観覧させていた
シャトー・シトランは、1~5級の格付シャトーのすぐ次のランクである「クリュ・ブルジョワ」の中でも上位に位置するワインです。 アペラシオンはオー・メドックです。 今回のボルドーは古酒です。22年目を迎えています。 シトランは、もともと芳醇な果実感を特徴としてきましたが、この2002年もそのスタイルが明確に現れています。 黒いベリー系の果実の風味が濃醇に漂います。 土埃や動物の毛皮、黒コショウの香りがするのもメドックの良いワインのお約束です。 やわらかい口当たりのなか
ことしも、ボジョレー・ヌーボーがやってきます。 一時期、「濃いヌーボー」というキャッチフレーズの付いたボジョレー・ヌーボーの販売が行われていました。 大手スーパーが競ってチラシやHPでそんな告知をしていたのは、つい数年前のことです。 新酒は、できたばかりの溌剌とした瑞々しさを愛(め)でるのが主眼です。季節の風情を五感で感じることが目的です。 風流人の粋の領域といってよいかもしれません。 風流人は多くないはずなのに、それを大衆化しようとするから無理が生じます。