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全日本選手権や全日本ジュニアは必要?

3児の父。プロテニス選手のツアーコーチをしています。

今回は少し不快な思いをする方々がいる事を承知で文を書きたいと思います。どこにも所属していない柵のない立場だからこそ書くことができるのかもしれません。私を含め応援している選手や指導選手を批判する文ではありません。

まず全日本テニス選手権を継続する理由は歴史が深いからだと思います。しかし全日本選手権で優勝しても今ではデビスカップ代表選手には選ばれない。そして今年は楽天オープン前の開催でも、優勝しても本戦ワイルドカードは出さないでしょう。ATP上位を優先するはずです。
錦織、西岡、ダニエル、望月、綿貫、全日本出てます?そしてこれらの選手に出場をオファーできるような財力もないでしょう。あったらすいません…。また全日本選手権開催で大きな収益を得られているとは思えない。
ですので全日本テニス選手権を開催しないでも日本のテニスは困らないのではないでしょうか?
だから開催しなくてもいいのかな?とも思います。もし無理なら来年だけ開催しないとか。それで赤字とかになるのなら再度開催すればいい。
コロナでできない時もあっただろうからやらなくても問題なさそうなのですが。その代わりにITF25やATP CH もしくはUTRやSBCドリームのようなマネートーナメントを増やしてみてはどうでしょう。選手の活動費にも繋がりますし。はっきり言って全日本よりこの前帯同したSBCドリームの方が選手優先な素晴らしい大会でした。

全日本ジュニアも同じ。全日本で優勝しても代表に選ばれるとは限らない。現在ではITFジュニアポイントが上位選手の方が選考基準としては高いでしょう。
しかも全日本に出るためには都道府県ジュニア、地域ジュニアの予選が長期に渡って開催される。しかも、全国小学生、全国中学生、全国総体など学校所属の試合や他にも14,12歳以下全国選抜、RSK13歳以下、中牟田杯15歳以下など多数のイベントがある。これも全部予選がある。忙しすぎる。

私の意見としては全日本と名前のつく試合は全国小学生。全国中学。全国総体。この3つでいいのではないでしょうか?組織が違うか。。。まあそれは置いておいて。年に1回の日本での大きなイベント。
野球で言えば夏の甲子園。甲子園目指して県大会頑張る。そして日本で1番になる!勝ったら次があり負ければ終了。次はない。だから甲子園で負けたらみなさんすぐ帰りますよね。でもテニスは負けたら終わりではなくて、次の週の為に練習するんです。ですので同じような仕組みの、全日本ジュニアを含め全国選抜、RSK杯、中牟田杯は一時中止。何回も甲子園やる必要がないので。

ではどのような試合が必要でしょうか?ITFジュニアやATFジュニアを日本で増やしたらどうでしょうか?負けても次がある。どれだけ1年間コンスタントに力が出せるかが問われるテニス競技。そして現在では多くのITFジュニア大会が日本で開催されています。パスポート持ってなくても、英語が話せなくても、以前より気楽に参加できるのです。

私自身どちらつかずで出ていた経験もあり、全日本の試合を批判する文ではありません。どんな道を選んでも正解だと思います。

しかしこの文を読んでいただいている方には少しだけ感じて頂きたい。
本当に全日本って必要?必要でもいいのです。でも捨てる勇気も必要です。一歩外に出たらあなたが全日本で何位という評価はされませんから。誰もあなた日本で何位?とか聞きません。それよりどんなテニスするのかが評価されます。質の高いトーナメントが選手を育てるのです。
みんなと同じ方向を向く必要はありません。


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