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映画「海辺の映画館 キネマの玉手箱」を観ました

映画「海辺の映画館 キネマの玉手箱」を観ました。これ、映画界のキュビズムじゃないの?

キュビズム。ピカソの絵を思い浮かべてもらえると分かりやすい。子供の落書きにみえてしまって、これだったら俺でも描けると錯覚してしまう、あのタッチ。

あれ、複数の視点からみているイメージなんですよね。この作品も、ひとつのシーンからいろんな印象を受けました。

映画史の視点からみたオマージュや、日本の戦争の歴史からみた視点など、いろんな要素が詰め込まれている。加えて、言葉や文字による説明。情報を詰め込めるだけ詰め込んでいる作品。

観慣れていないと、面食らってしまう。情報をばーっと浴びて、それが徐々に自分の中で消化できていくと、ちょっとしたユーモアを感じる余裕ができる。

余裕ができて、心のドアがぱーんと開いたところで、大林宣彦監督のメッセージがどどどどどーっと注ぎ込まれる。戦争の悲惨さや愚かさを、演出や音、映像で徹底的に叩き込む。

今回、チープにみえるCG合成を使っているけど、これだって、虚実が入り混じった世界を表すための演出にみえた。不思議な世界になってるんですよ。

すごいものを観た。大林監督の作品を観ると、いつもこの感想になるんだけど、それは、いつも圧倒的な情報量が詰め込まれているからなんだろうな。

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