ボクの肩書きをつけてくれないだろうか

ボクの肩書きを、誰かつけてくれないだろうか。

一般的に言えば、タレントなんですよ。事務所にも入ってるし、でも、自分がやっていることを振り返ってみると、どうもそんな感じではなくて…….。

東海ラジオで、深夜にニュースを読んでいる。地震が来たり、高速道路の通行止め情報を読んだり。

メディアスエフエムというコミュニティFMで、番組をしている。毎週木曜の、朝7時から9時までと、9時から11時まで。

エフエムとよた（ラジオ・ラブィート）というコミュニティFMで、名古屋グランパスのリーグ戦実況をしている。

スカパー！ が制作している、Bリーグの実況をしている。バスケットLIVEや DAZN 、ハイライトは YouTube でも配信されている。

このほかにも、ケーブルテレビ局が制作する地元小学生や中学生が参加する、サッカーや駅伝の実況をしたり、高校野球の愛知県大会の実況をしたりと、スポーツ実況が多い。

過去にはニュースデスクもやった。テレビショッピングの売り子もやった。CMや番組のナレーションもやった。……こんな感じなので、自分をひと言で表す肩書きが見つからない。

最近は「ラジオパーソナリティ／スポーツアナウンサー／声優／朗読家」と言っている。こういうふうにしてから、自分のアイデンティティが定まった気がする。

そう、肩書きって、自分が何者なのかを自分自身が理解し、社会での立ち位置を明確にできるものなのだ。

副業のススメ、が言われている今、ひとつの肩書きにこだわることは意味を持たなくなってくるのかもしれない。それでも、ヘアサロンで「お仕事何やってるんですか？」と聞かれた時に、スッと言えないのは、若干ストレスがある。

「いや、まあ、いろいろと……」なんて答えたら、きっと「あ、コイツ、答えたくないんだな。なんだよ、気取っちゃって。ミステリアスな自分を演出してんじゃないよ！」と思われてしまうんじゃないかと、変に後ろめたい気持ちになる。

あ、さっき「ヘアサロン」なんて書いたけど、頭の中では男性しかいかない店でのシチュエーションになってました。表現をマイルドにしちゃった……けど、そんなことはどうでもいい。

「自営業」って答えればいいのかなあ。いや、違うんだ。その後にくる「へー、自営業って、何なさってるんですか？」という質問に、パシッと答えられる肩書きが欲しいんだ。

アナウンサーが一番近いのかもしれないけど、ボクは正社員で放送局に入ったキャリアはない。タレント事務所にずっといる。じゃあ、タレントじゃん、と言われたら、いや、やってることがアナウンサー寄りなので、それはどうかなあ……。と、気持ちがいったりきたり。

いわゆるタレント的な仕事をもう少しやっていたら、こんなに悩むことはなかったのに。そして、ずっとブレていることはなかったのに。ボクの肩書きを、誰かつけてくれないだろうか。