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選挙公約『若手議員成り手不足解消に向けた取組』と『議員の質を上げる取組』

『平成の大合併』が1999年に始まってから25年が経ち、地方では議員の成り手不足から無投票の選挙や立候補者の不足が出始めています。
2023年の統一地方選挙では、およそ3割にあたる1,250人が無投票で当選を決め、そのうち北海道や長野県など20の町村では候補者が定員に満たず、定員割れとなりました。

総務省のまとめでは、373の町村議会議員の選挙あわせて定員4,126人に対し、4,563人が立候補しました。立候補者の人数は過去最少となりました。

銚子市も例外では有りません。県議会議員選挙では2回連続で無投票、また銚子市議会議員選挙においても若手の議員が不足しています。吉原祐真君が26歳で市議会議員として当選したのを最後に20代、30代の議席が空白の状況です。46歳の自分が最年少。この状況に危機感を覚えるのは自分だけでは無いはずです。

過去、無投票が続き、統一地方選挙で定数割れとなった長野県のある村の議員が「現行の議員報酬は、生業としては成り立たない。生活費のかさむ若・壮年世代、議員活動を休暇で対応する定職のある方など、立候補の意思がありながら果たせない方に対する報酬を改正し、立候補を促したい」と議会で発言しています。また全国町村議会議長会は「なり手不足が深刻化しており、地方自治が危機的状況になる恐れがある」として、議員報酬引き上げなどが必要だと訴えています。
町村議会の実態調査では、議員を専業としている人は2,593人で、全体の24.2%しかいなかった。4分の3は兼業というのが実態です。議員報酬の低さが立候補者減少につながっているのはひとつの原因にもなっている事は事実です。

その一方、議員の報酬や議席を減らす事を公約に掲げ立候補する議員も多くいます。勿論、そういった市民の声を反映して立候補する事は否定はしませんが、私、個人的には報酬引き下げや定数削減のみを公約に掲げて立候補する事は反対です。理由のひとつとして議員の身分に関することは議員同士で決めるルールが有ります。
つまり今ある報酬がいくらだったら適正で、その根拠は何かを示し、他の議員を説得する必要が有ります。「昨今の社会情勢に照らし」という曖昧なものではなく議員間で討議するための材料となり得る理由と金額の算出方法が必要です。
議員活動は議会が開会されている3の倍数月、また365日市民や団体からの要望を受けての要望活動、会議への出席。同僚議員との意見交換や他市の議員との交流。土日ともなれば地元行事や町内会、所属団体の会合への出席。議員活動の報告や市民に必要なSNSやチラシ配布による情報発信など活動は多岐に渡ります。勿論、チラシを印刷したり折込に入れれば、議員としての活動費も当然掛かります。
ご自身が投票した議員が当選後に、どの様な活動を行なっているのか是非チェックしてください。様々な形で市民に寄り添い情報発信を行なっているのではないでしょうか?

さて、自分は議員という立場に大変やり甲斐を感じています。しかしながらその反面、昨今、続く政治不信から政治や、政治家に対する信頼が失われて行く。加えて議員定数削減や報酬の引き下げの声。若い人が議員へ立候補しずらい状況にあります。

自分の選挙公約にも掲げていますが、後に続く議員を1人でも多く見つけていきたいと考えています。自分が平成29年に議員となり2回の本選挙、1回の補欠選挙が行われました。これまで5名の方にお声掛けをし、実際に御家族との話し合いにも参加させていただきました。しかしながら、現在まで立候補には至っていません。

我々の子供達が大人になった時に、その時代を先導していける議員を擁立し、当選させ育てて行く活動が重要だと考えています。議員の定数を削減しても年間600万円の議員報酬が減るだけです。市の予算約280億円(令和6年度)の内の600万円です。それで市の財政が好転するはずも無く、むしろ、議員の数を減らすことで様々な考え方を持つ議員の数を減らし、将来に渡って行政運営に大きな影響を与える結果となります。
補足として銚子市での議員定数は昭和58年条例改正されるまで36名が最多人数で、現在は18名で半分となりました。銚子市の人口のピークは95,849人(住民基本台帳 昭和31年9月)で、現在は54,776人(住民基本台帳 令和6年3月1日現在)とその差は約41,000人になります。

極論を前提として例えます。
議員の定数が3名だったとします。

市からの提案【公共施設を建設すること】を3名の議員それぞれが【賛成】【反対】【中立】だったと仮定します。
【今すぐ建設することに賛成】【少数の意見であっても反対の声がある以上は反対】【他の議員からの意見を聞いて判断したいから中立】の議員を3時間の議員間討議の結果【賛成】2票【反対】1票【公共施設を建設すること】が決定したとします。

一方、議員の定数が9名だったとします。
市からの提案【公共施設を建設すること】を9名の議員が【賛成】3名【反対】3名【中立】3名だったと仮定します。【賛成】【反対】【中立】の議員を議員間討議によって結論を出そうとします。しかしながら今度はそう簡単には行きません。

【賛成】には【今すぐ建設することに賛成】【民意が多数であるので建設することに賛成】【財政状況に問題が無ければ建設することに賛成】

【反対】には【今すぐ建設することに反対】【少数の意見であっても反対の声がある以上は反対】【今は財政状況に問題が無くとも将来に負担を残すので反対】

【中立】には【今すぐ建設することに執行部の説明が足りないので中立】【建設することに他市の状況を踏まえてから判断したいので中立】【他の議員からの意見を聞いて判断したいので中立】

9時間の議員間討議の結果【賛成】5票【反対】4票【公共施設を建設すること】が決定しました。

極論で書きましたが、人数が多くなればなるほど多くの意見が出ます。また議員間の討議にも時間が掛かります。だからこそ多くの議論を重ねた結果、ひとつの結論に辿り着きます。そういった観点から議員の数は一定数確保する必要性が有ります。

改めて申し上げますが自分は議員の定数が人口比率に応じて減らすや、財政が厳しいから減らすには反対です。私は【議員の数を減らすこと】では無く【議員の質を上げること】が大変重要だと考えます。質を上げるという事は【多くの市民の意見を聞き民意を反映できる議員】【他市の事例を勉強し自分の市町村に置き換えた落とし込みが出来る議員】【様々な経歴を持ち今の時代の考え方や未来を見据えた判断が出来る議員】などです。そこには議員だけではなく市民の皆さんの協力が不可欠です。議会に関心を持ち一緒に提言して行きましょう。

今後も『若手議員成り手不足解消に向けた取組』私も含めて『議員の質を上げる取組』が重要だということを提言して参ります。

もし銚子市内にまた皆さんの周りに議員てどういうものなのか知りたい。なってみたい。話だけでも聞いてみたい。そんな20代〜40代の方がいらっしゃったら是非、連絡をください。私達と一緒に銚子の未来を考えてみませんか?

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