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ガンダム世界における軍隊の階級について - 銀河英雄伝説の世界の階級について -

なんでこんなものを書いているかは前回参照のこと。

そもそもの発端が、銀河英雄伝説世界の話なので、まあそれについて触れないわけには行けないなということで、タイトル詐欺感半端なない2回目のタイトル。
えっと、日本語で書かれた小説なので、お前そこ突っ込むんか?っていう話が満載ですがお許しください。


銀河英雄伝説とは

生成AIに銀河英雄伝説について聞いてみました。
Please summarize the Legend of the Galactic Heroes in about 4 lines.
こんな感じで。

銀河英雄伝説は、小さな村の青年ヤン・ウェンリーが、銀河帝国と自由惑星同盟の政治闘争に巻き込まれていく様を描いた古典的な日本のアニメシリーズである。権力、腐敗、正義の追求をテーマに、ヤン、ラインハルト・フォン・ローエングラム、岸井京馬など多彩なキャラクターが登場する。

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うーん。頑張って欲しいな。岸井京馬(Kyoma Kishii) is 誰w
次。

銀河英雄伝説は、銀河帝国と自由惑星同盟の壮大な対立を描いた古典的なSFシリーズである。優れた軍事戦略家であるヤン・ウェンリーとラインハルト・フォン・ローエングラムが複雑な政治・軍事情勢を切り抜け、最終的に人類の未来を賭けたクライマックスの闘いに至るまでを描く。登場人物たちが直面する複雑な人間関係や道徳的ジレンマに焦点を当てながら、権力、イデオロギー、リーダーシップの本質といったテーマを掘り下げている。SFジャンルで最も影響力があり、高く評価されている作品のひとつとして広く知られている。

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こちらの方が、いい感じですね。

田中芳樹先生が書かれたスペースオペラの代表とも言える作品です。
アニメ、ゲーム化はもちろん、演劇にもなっております。
アニメだと、銀河声優伝説と言われるぐらいたくさんの声優さんが登場した石黒監督版と呼ばれるOVA(旧OVAと記載)と現在進行中のDie Neue These(DNTと記載)の2つがあります。

この時代の人類社会は、銀河帝国およびフェザーン自治領と自由惑星同盟の2つの陣営に分かれており、150年に渡り交戦状態にある状態で、
帝国暦487年、宇宙暦796年、アスターテ星域会戦前夜から物語は始まります。
AIが出してくれた通り、銀河帝国はラインハルト・フォン・ローエングラム、自由惑星同盟はヤン・ウェンリー&ユリアン・ミンツを主人公として物語は進んでいきます。

銀河帝国はドイツ語をベースとした帝国標準語、同盟は英語をベースとした同盟標準語となっているようです。
ヤンとラインハルトの会見はどっちで話してたんだろうと今更ながら思ってしまった人です(きっと自動翻訳ツールでもあったんでしょう)

この時代、基本的には恒星間戦争が主になっているため、
軍隊というと両勢力とも宇宙艦隊(宇宙軍)が主体です。
そのため、提督たちの物語といっても過言ではなく、将官のうち、大半の人物が「提督」と呼ばれています。
憲兵総監と帝都防衛司令官を務めるウルリッヒ・ケスラーもリップシュタット戦役時に艦隊を率いている(旧OVAでは旗艦も設定されており、フォルセティ)こともあり、同僚からは提督と呼ばれています。
とは言え、惑星上での戦闘が皆無ということではなく、物語内では、1惑星上で両勢力が交戦するということもあります(惑星カプチュランカ、ヴァンフリート4=2とか)。
そこで活躍するのが、帝国軍の場合は、装甲擲弾兵、同盟軍の場合は、薔薇の騎士連隊こと、ローゼンリッター(同盟側ですが、帝国からの亡命者で編成されている部隊なので、ドイツ語的)をはじめとした陸戦部隊です。陸戦部隊には装甲車両の他、航空兵器もいるみたいですね。
なので、装甲擲弾兵総監を務めたオフレッサーやローゼンリッター第13代連隊長で、イゼルローン要塞防御司令官となったワルター・フォン・シェーンコップはどちらかと言えば、将軍(General)と呼ばれるに相応しい人かなと思います。
(少なくとも旧OVAでは、この2人は階級で呼ばれていて、提督とは呼ばれていない。オフレッサーの場合は呼び捨て多し)

最後に軍の上層部についてですが、
帝国軍は軍務尚書、統帥本部総長、宇宙艦隊司令長官がTOPで、軍政と軍令、実働のトップが分かれています。なお、帝国内の内戦であるリップシュタット戦役時に、この三長官を兼任したラインハルトは帝国軍最高司令官の称号を得ています(任命させた)。
同盟軍は、統合作戦本部長、宇宙艦隊司令長官が制服組のTOPです。
自由惑星同盟ではシビリアン・コントロールが行われており、シビリアンがTOPを務める国防委員会が軍政を、統合作戦本部長が軍令、宇宙艦隊司令長官が実働を担当しているようです。
国防委員会のTOPは開始時は、悪名高きヨブ・トリューニヒトでしたが、帝国領侵攻作戦の失敗後、トリューニヒトが政権トップに就くと、ネグロポンティ、アイランズ(帝国軍の侵攻後は目醒めましたが)とトリューニヒト派の利権政治家が就任してましたね。

銀河帝国

宇宙暦310年、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによって建国された専制君主政の国家です。帝国暦490年、ラインハルト・フォン・ローエングラムが戴冠し、ローエングラム王朝が始まり、改暦されて新帝国暦1年となります。ルドルフ大帝がドイツ系で、帝政後、側近をゲルマン系の苗字に変えるなどの施策を行なっていることもあり、上記した通り、ドイツ語をベースとした帝国標準語を使っているので、階級もドイツ軍的な階級になっており、以下になっています。(無論、作中は対応する日本語の階級になっています)。海軍から持ってきたのですが、厳密には違うような気はします。

  • Grossadmiral : 元帥

  • Generaladmiral: 上級大将

  • Admiral: 大将

  • Vizeadmiral: 中将

  • Konteradmiral : 少将

  • Kommodore : 准将

  • Kapitaen zur See : 大佐

  • Fregattenkapitaen : 中佐

  • Korvettenkapitaen : 少佐

  • Kapitaenleutnant : 大尉

  • Oberleutnant zur See : 中尉

  • Leutnant zur See : 少尉

  • Unterleutnant zur See : 准尉(現実世界にはあまりないみたい。東ドイツの海軍から)

帝国軍にはGeneraladmiral たる 上級大将 がいるのが特徴です。
階級とは異なりますが、
ラインハルトが脅威的なスピードで元帥まで昇進したのはもちろん、元帥府を開いたに、若手の平民出身や下級貴族で実力のある提督を抜擢したため、将官の若年化が進みました。
帝国の双璧たる、金銀妖瞳のオスカー・フォン・ロイエンタール(32歳でGrossadmiral)や疾風ウォルフこと、ウォルフガング・ミッターマイヤー(31歳でGrossadmiral)がその代表です。
この2人の麾下の提督たち、ミッターマイヤー麾下のバイエルラインも若いですが、幕僚クラスは壮年の人たちを任命して補佐させている感じがするので、バランスは取れている感じしますね。

ラインハルト・フォン・ローエングラム(ミューゼル)の昇進履歴

主人公の1人であるラインハルトの昇進履歴はこんな感じです。

  • Unterleutnant zur See : 幼年学校卒業生はこの階級になるとのことですが、ラインハルトはこの階級にはならず、いきなりLeutnant zur Seeになりました。キルヒアイスはUnterleutnant zur Seeになっています。

  • Leutnant zur See :  482年 上記の通り、いきなり1階級昇進してます。(白銀の谷)

  • Unterleutnant zur See : 482年(叛乱者(OVAオリジナル))

  • Oberleutnant zur See : 482年(叛乱者(OVAオリジナル))

  • Kapitaenleutnant : 483年(決闘者(OVAオリジナル))

  • Korvettenkapitaen : 483年(黄金の翼)

  • Fregattenkapitaen : 483年(奪還者(OVAオリジナル))

  • Kapitaen zur See : 484年(朝の夢、夜の歌)

  • Kommodore : 485年(千億の星、千億の光)

  • Konteradmiral : 485年(千億の星、千億の光)

  • Vizeadmiral: 486年(星を砕く者)

  • Admiral: 486年(星を砕く者)

  • Grossadmiral : 487年(本伝第1巻)

  • Generaladmiral: 487年(本伝第1巻)

いや、恐ろしい昇進スピードですね。任官わずか5年で最高位まで上り詰めています。なお、平民であるキルヒアイスも引っ張られて似たようなスピードだったりします。

自由惑星同盟

帝国暦164年(宇宙暦473年)にアルタイル第7惑星からアーレ・ハイネセンに率いられた共和主義者たちによって建国(建国自体は宇宙暦527年)された共和政国家。
共和主義者=英語圏というわけではないですが、上記した通り、同盟は英語をベースとした同盟標準語としているので、階級も英語ベースになっています。

  • Fleet Admiral(元帥)

  • Admiral(大将)

  • Vice Admiral(中将)

  • Rear Admiral(少将)

  • Rear Admiral (lower half)(准将)

  • Captain(大佐)

  • Commander(中佐)

  • Lieutenant Commander(少佐)

  • Lieutenant(大尉)

  • Lieutenant junior grade(中尉)

  • Ensign(少尉)

  • Warrant Officer(准尉)

帝国軍と異なり、上級大将相当の階級がないです。
リップシュタット戦役後、Generaladmiralだったメルカッツが同盟に亡命した際、階級をどうするか?と言う話になった際、亡命者は1階級下の階級となった時に、そうするとAdmiralになってしまい、保証人となったヤンと同じAdmiralとなってしまい、司令官と同一階級なのは・・・と言う話になり、結局Vice Admiralとなったと言う話もありますね。それでもイゼルローン駐留艦隊(通称ヤン艦隊)の中ではNo.2の階級なんですけどね。まあメルカッツが階級を傘にする人ではなかったので、特に混乱はなかったようです。(ヤンが査問会に呼ばれている時も階級を傘に艦隊指揮権を奪わなかった)
ちなみに、双方の内乱終結後のメンバーの階級はこんな感じ

  • Admiral : ヤン

  • Vice Admiral : メルカッツ

  • Rear Admiral : キャゼルヌ、ムライ、アッテンボロー

  • Rear Admiral (lower half): パトリチェフ

  • Captain : ブラッドショー(いたんじゃないかなー)

  • Commander : ラオ

  • Lieutenant Commander : ポプラン、コーネフ

  • Lieutenant : フレデリカ

シェーンコップはじめとしたローゼンリッターの面々は前述した通り、陸戦部隊で、陸軍式の階級呼称の方がしっくりきそうなので、こんな感じじゃないかと。シェーンコップは鎮圧に功ありと言うことで、1階級あがってますね。

  • Major General : シェーンコップ

  • Colonel: リンツ

  • Major :ブルームハルト

ヤン・ウェンリーの昇進履歴

「かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。 個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない」とか「私は最悪の民主政治でも、最良の専制政治に勝る」と語る方です。

ヤンの場合は、特質すべきは、Lieutenantの任官時間が6時間ほどと言うことです。エル=ファシルの功績(失陥を隠すための処置)に対して、生者に二階級特進なしという不文律から起こったことでした。
ちなみに一番長いのはLieutenant Commanderの3年10ヶ月です。(螺旋迷宮より)
これでも同盟軍の中では早い方です。

  • Ensign: 787年士官学校卒業後

  • Lieutenant junior grade : 788年(本伝第1巻、螺旋迷宮)

  •  Lieutenant : 788年(螺旋迷宮)

  • Lieutenant Commander : 788年(螺旋迷宮)

  • Commander : 792年(特に明記なし)

  • Captain : 794年(千億の星、千億の光)

  • Rear Admiral (lower half) : 795年(星を砕く者)

  • Rear Admiral : 796年(本伝第1巻)

  • Vice Admiral : 796年(本伝第1巻)

  • Admiral : 796年(本伝第1巻)

  • Fleet Admiral : 799年(本伝第5巻)

Commander だけは作品中に明記はないんですが、(どこかで司令部の一中佐という記述があった気がする)、螺旋迷宮のLieutenant Commanderの任官期間が3年10ヶ月とのことで、Lieutenant Commanderの任官が788年9月から計算すると792年6月で、黄金の翼で出てくる第五次イゼルローン要塞攻防戦のあと、昇進し、第六次イゼルローン要塞攻防戦前まで務めたと推測されます。
ちなみに卒業時下から序列を数えた方が早いヤンですが、エル=ファシルでの活躍がなければ、ここまでの昇進スピードにはならなかったでしょうね。
同学年の主席(戦術シミュレーションでヤンに大敗した)、マルコム・ワイドボーンはヤンがCaptainだった第六次イゼルローン要塞攻防戦時に、ラムゼイ・ワーツ分艦隊の参謀長をCaptainで勤めているわけで、主席クラスと同昇進スピードになっているわけですから。 (ワイドボーンはこの戦いで、ラインハルトの分艦隊の攻撃を受け戦死)。

フォーク准将

さて、そもそもこの話を書くきっかけとなったフォーク准将の話を・・・。
有名な准将であり、ヤン暗殺の片棒を担がされたため、人気があると言えないアンドリュー・フォークですが、ヤンという強力なライバルがいなければそれなりに優秀な軍人になったでしょうね。
士官学校を主席卒業して(確かアッテンボローと同じだったか1つ下のはず、どこかで見た記憶あるんですが・・・)で、794年、24歳の時第六次イゼルローン要塞攻防戦時にはCommander、2年後の796年(26歳)はRear Admiral (lower half)なので、ヤンより昇進スピードは早いんじゃないかと。まあ、ヤンと同じ時代に生まれたのが不幸だったってやつですね。

ちなみに、銀英伝のゲームの中で至高だと思っている銀河英雄伝説4EXでのフォークのパラメータはこんな感じ。
まあ、提督として艦隊を指揮する能力としてはダメですが、運営と情報が高いので幕僚としてはそこそこ使えますね。政治工作の値(8000でクーデター起こせる)が最大値かつ、蓄積値が多いのが特徴です。

ちなみにヤンはこんな感じ。統率と攻撃と防御が最高レベルです。機動力と運営、陸戦があまり高くない(運営は最低レベル)なので、優秀な幕僚をつける必要があります。運営を補うためにフォークをつけるのはやめましょう。(ヤンを選んで、クーデターを起こすなら・・・)

そういえば、旧OVAでは、古谷徹さんが声優を務めていましたが、古谷さんDNTでは、帝国側の嫌われキャラ筆頭のフレーゲルの声優を務めており、銀英伝シリーズでは嫌われ役をやるようにしているのかな?って思った人です。

銀河英雄伝説における准将(Kommodore / Rear Admiral (lower half))

Kommodore / Rear Admiral (lower half)と言う階級は主要キャラはみんな通過する階級です。この階級で出てきた人物を何人か挙げますとこんな感じ。
確か知名度的にはフォークが上ですね。

銀河帝国

  • リップシュタット戦役時、ラインハルトの暗殺を図り、失敗後はオーベルシュタインの片腕となったアントン・フェルナー。

  • 新帝国での帝国軍総旗艦であるブリュンヒルトの艦長であるジークベルト・ザイドリッツ。

  • ワーレン艦隊の情報主任参謀だったクライバー。

  • ちょっと例外が皇帝(エルフィン・ヨーゼフ2世)誘拐の主犯であるレオポルド・シューマッハ(終了後にKommodoreになって、宇宙海賊との戦闘中に行方不明になった)。

自由惑星同盟

  • アムリッツア星域会戦時にヤンの旗艦、ヒューベリオンの艦長を務め、グエン・バン・ヒューの戦死後にヤン艦隊の分艦隊司令官となったマリノ。

  • 第八次イゼルローン要塞攻防戦の際、査問会に呼び出されたヤンがつれてか行った救援艦隊で分艦隊司令官を務めたマリネッティとザニアール
    (小説ではその後の活躍ないけど、旧OVAでは第九次イゼルローン要塞攻防戦やランテマリオ星域会戦で活躍してた気がする)

  • 大親征時に、ゲリラ戦法で黒色槍騎兵艦隊を苦しめたビューフォート。

(おまけ)女性の将官について

最後に、今では、アメリカでも、そして日本でも珍しくなくなった女性の将官の話。
最近、海上自衛隊で、三自衛隊初の将で大湊地方総監に就任された近藤奈津枝氏がニュースになっていましたが、アメリカ軍でもAdmiral/Generalに任命される女性増えており、海軍の軍令トップである Chief of Naval Operations(海軍作戦部長)にLisa Marie Franchetti氏が就任されたものニュースになっていたかと。

銀英伝の世界では、1人です(しかも待遇)。
それはローエングラム王朝の2代目統帥本部幕僚総監で、のちの皇后になるヒルデガルト・フォン・マリーンドルフです。
同盟側は残念なことにいません。
まあ、執筆時期にはいなかったですもんね・・・。
リメイクとかで、男性キャラを女性化して、時々賛否両論出てきますが、銀英伝に関してはないことを祈ります・・・と思ったんですが、道原かつみさんの漫画で、ルビンスキーがルビンスカヤになってましたね。

第3回はいよいよタイトル通り、ガンダム世界の話です!

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