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投げ売りされていたDm30を購入してみて

ポメラ DM30を導入した

仕事上、朝から晩までパソコンやスマホに向き合う生活なので、長年眼精疲労に悩まされてきた。そんなとき、本当に偶然なのだが、Amazonで別商品を代理購入していた際、ポメラDM30が投げ売りされているのに気がついた。 定価4万3千円が、なんと1万6千円。これは買わない手はない。ということで購入して手元に届いたのでファーストインプレッションを初ポメラにて書いてみたいと思う。

ポメラとは 

文房具で有名なKINGJIM社が開発したワープロ端末。文章入力に特化した専用端末で、小説家やライターに多数のファンを持つ。パソコンやスマホは汎用デバイスで何でもできる代わりに、集中力の維持が難しい。一方、ポメラのようなワープロは、文章を書くしかできないので、それのみに集中できる利点がある。 

購入動機 

私はライターでも小説家でもないのに、なぜポメラを買ったかというと、システム開発をするプログラマーは案外ライターや小説家と似通っていて、「物事に筋道をたて、目的達成まで記述していく」ことに関しては同じ作業をするからだ。なので、小説家などが好んで使うのであれば、エンジニアの私にも適しているだろうと予想した。 

また、購入したDM30という機種は、ディスプレイがKindleと同様の電子ペーパーとなっており、目に優しく視認性もよい。 前述の通り、「眼精疲労」を改善できる目論見もあった。 深夜、推敲する際の眼精疲労改善が最大の目的のため、DM30以外には選択肢がなく、生産終了ということで投げ売りされていたのは渡りに船であった。 

エンジニアという職業柄、非公式ながらLinuxがインストール可能なDM200の方にやや心が揺れたが、それはノートパソコンやRaspberryPiなどで実現することにしようと思う。もしかしたら、誘惑に負けてDM200も買うかもしれないいが…。

購入時の不安はほぼ取り越し苦労 

最初は、酷評されている記事の数々をみて購入をためらった。ほとんどの方が、電子ペーパーであるディスプレイの反応速度を問題にしていた。しかし、「描画速度は遅いが、入力の取りこぼしはない」という記事を見つけ、購入に踏み切った。実際に使ってみるとまさにその通りで、やや遅れて表示される為、目で追って入力しているとリズムが狂ってしまう。ただ、どれだけ早く打っても、取りこぼしは無い為、タイピングの正確さと、変換がへたくそな文節区切りにさえ気をつければなんとかなる印象だ。 もっとも、反応速度がいいに越したことはないが、致命的かというと私の場合は、工夫次第で許容できるデメリットだといえそうだ。 余談だが、私のタイピングスピードは日検で初段程度。ほぼ、話しているスピードと同等に書き出せる為、スピードが遅いから許容範囲というわけではない。むしろ、早い人ほど気にならないのではと感じる。 

メリットとデメリット 

ここでは、DM30を使ってみて気に入ったところ、気になるところを分けて紹介したい。 

メリット【気に入ったところ】 

電子ペーパーという視認性の高さ 

本機最大の特徴である電子ペーパーは、やはり最高クラスに視認性がよい。DM30で記事を書いた後、パソコンやスマートフォンの画面をみると、それがよくわかる。 これなら、夜遅くに読書灯の淡い光に照らされたディスプレイに黙々と記事を書いても、寝れなくなるということはないだろう。まるで読書をしているような執筆環境が手に入ったこと、それこそが最大のメリットだ。 

電源投入から5秒で入力可能になるフットワークの軽さ 

使っている人から少し借りてさわったことがある程度で、自分で買ったのは初めてだったポメラ。どんなものかと思ったが、キーボードを展開してから5秒くらいで入力ができるのは思いの外快適だった。まさしく「デジタルメモ」だということを感じた。 

カレンダーの使いやすさ 

あまりカレンダーには興味がなかったのだが、使ってみるとシンプルでとても使いやすい。活用方法は考え中。 有用な使い方を思いつくまでは、簡易的な日記として使ってみようと思う。 子供たちのおもしろ発言とか…。

eneloopが使えること 

DM200はリチウムイオン電池が内蔵されたタイプだが、それとは対照的に、DM30は乾電池駆動タイプだ。eneloopが使えるので、充電寿命が近づいてきたらeneloopを買い換えるだけで済むので、長く使うことを考えるといい選択だったと思う。 

アウトラインエディタの使いやすさ 

アウトラインエディタを使ったことがなく、今回初めての使用だが、これは良いものだ。頭の整理にマインドマップというツールを使うことがあるが、そのテキスト版といったところだ。考えを整理するのにも役立つし、見出しを追っかけてストーリーの起承転結もマクロな視点で確認できるので、当初期待していたシステム開発の為の要件定義書や設計にも威力を発揮しそうだ。 

20時間の連続駆動 

充電地を使うので、バッテリー寿命を気にせずにがんがん使えることに加え、一度の充電で20時間は執筆できる。私の使い方だと、3~5日で電池交換といったところか。 WiFi機能がついたSDカード「FlashAir」をつけていると、消費電力が多いのかすぐに電池が無くなる。FlashAirの接続モードを4→5に変更し、書き込みイベント時にGoogleDriveに自動アップロードするプログラムを書いて運用してみたが、電池の消耗が気になる為常用はしないと決めた。

キーボードの打鍵感は良好 

このサイズで、フルサイズのJISキーボードが使えるのは大きなメリットだ。普段からWindowsを使っている人はそのまま馴染めると思う。 私は、JISキーボードもUSキーボードも両方使い分けているので、どちらでも対応できるが、日本語入力環境としてはJISキーボードで正解だろう。折りたたみキーボードだということを忘れるくらいには打ち心地はよい。 

使い慣れたIMEの挙動 

Windowsでは、カタカナの変換はF7キー(全角カナ変換)、F8キー(半角カナ変換)、英数字変換はF9キー(全角英数字変換)、F10キー(半角英数字変換)をよく使うが、ポメラ上でも同じ挙動なので戸惑わない。IMEとATOKの操作方法を選択できるのは便利だ。 

何より文章を書くことが楽しい 

これは重要なことだが、文章を書くのが楽しいと思えるかは、使っているハードウェアによるところが大きい。DM30を導入することでアウトプットに向き合う時間が増えた。更新が滞りがちだったブログも、少しは更新頻度があがりそうだ。

デメリット【気になるところ】 

Backspaceキーで文字を削除しにくい 

電子ペーパーの描画速度に起因する文字を消しにくい問題は確かに致命的だ。慣れれば問題なくなる可能性もあるが、消しすぎるといったことが頻繁におきてしまう。 

FlashAirでEvernoteに未対応 

D200はFlashAir(W-04)をつけると、そのままEvernoteなどにアップロード可能とのことだが、DM30は残念ながらスマホなどからファイルを参照することしかできない。 試しに、FlashAir上で動作するLuaスクリプトでGoogleDriveへテザリングモードのスマホから自動アップロードするように作ったが、結局手間を考えるとスマホで読みとる方が早いという…残念な結果になった。このあたりは時間があるときに突き詰めてみたい。 

長文の一括変換 

文章入力専用機のくせに、文節変換が苦手というのは痛い。たとえば「さくらのはながさきました」を変換すると「桜のは長崎真下」と笑えない結果になる。 回避するには、「桜の花が」「咲きました」と変換を区切れば問題ないが、文章入力専用端末というのを考えると残念だ。ATOK Proが搭載できないのは乾電池駆動の限界なのだから努力しようがないといえばそれまでだが…。 このあたりは入力の仕方と、単語登録、変換学習の機会を作っていくことでカバーしていくことになる。 

ATOK単語登録のエクスポートはバイナリファイル 

単語登録のインポートファイル、エクスポートファイルはバイナリとテキスト両方選べるとよかった。 PCでは単語登録はほとんど使うことなく標準の変換性能で満足しているが、よく使う固有名詞などをテキストデータを一括登録できるような機能があれば便利だった。 せっかくCSV形式の表作成がDM30単体でできるのだから、CSVファイルで単語登録の管理ができたら最高だった。 ただ、これは一つ一つ学習させる楽しみがあるとして、つきあっていくのも一興かもしれない。 

活用方法 

ポメラならではのショートカットキーはまだまだ修得しておらず、まずは各メニューでよく使うショートカットキーを覚えるために、たくさん文章を書こうと思う。 しばらくは、ブログやシステム開発の要件定義作成、テキストマインドマップとしての利用が主な使い方になるだろう。 

あとがき 

初ポメラで2日間使用してみたファーストインプレッションは大体こんな感じだ。 万人受けはしないが、私のようにハマる人にはハマる、ゴミにも名機にもなりえる端末だと思った。個人的にとても気に入ったので、これから末永く愛用していきたいと思う。

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