「ストロングスパイダー」セルフライナーノーツ
「正しい声を繋ぎ、また今日を誘う」をリリースしてから早一年
やっと振り返って音源を聴いてみたくなったので制作時期やレコーディング時のことを思い返して書いてみたいと思った
その第六弾
6曲目「ストロングスパイダー」
産まれたのは全8曲中5番目
制作時期は2018年冬〜2020年の秋
かなりの長期間
こねくり回してこねくり回して
形を変えていった楽曲
元々この曲はくるりの「ばらの花」みたいな曲に仕上げる予定だった
この頃のケンゴリアンズは「力を抜く」のが下手だったように思う
何度かのリハを重ねた結果
ぼくは当初の「普遍的な無色透明なバラード」という方向性を諦めた(この挫折は後に僕が「俳句の会」という別のバンドを結成するキッカケになる)
元々スタートを切った先にゴールが見えなかったので慌てて得意分野に舵を切って進めたのがこの「ストロングスパイダー」
メインリフのフレーズは完全にギフテットだと感じる
本来こんなフレーズなんて作れる才能は無い人間だ(余談だが僕はこの曲のリフはレッチリの「Snow」をリスペクトして作ったと言ってしまったが完全に後付である 調子に乗ると良くない)
詩のテーマはいつしか
「安らぎ」から「怒り」に変わっていた
同じ曲とは思えないくらいの方向転換
一番怒りを伝える言葉ってなんだろうって
考えるとそりゃ
くだらねー
だなと
まぁそんな感じで徐々に構築した記憶
最終的には一番「らしい」曲になった
演奏は結構なリズムチェンジが暴力的に展開するけど不思議と耳心地はいい絶妙なバランスに完成されていて僕は満足している(もちろんバランス全無視で剛腕で進む「絶望のシンガソング」も気に入っているが、、、)
三拍子やフィードバックにメロディを乗せる気持ちよさはその頃からよく一緒になるようになったAKKANBABYSの影響だろうなと今素直に思う
タイトルの「ストロングスパイダー」
これは僕の大学時代の思い出から拝借した
あまり覚えてないが先輩たちの間でこのワードが流行って学園祭でTシャツになってみたいなノリだったと思う
産まれた過程と背景はごっそり記憶の海に沈んだがこの「ストロングスパイダー」という言葉の響きの良さだけが僕の中で残っており
後付けで「コツコツと巣を何日も作っても雨風で一瞬で壊されてしまう蜘蛛の不条理さ」をモチーフに怒りを乗せた詩にした
あれよあれよとどういうわけか
「怒怒怒怒」というフツフツ感が凄まじい曲になったが実は挫折から産まれた産物という話だ
こういう思い出があるから
曲に作りは楽しい
ちょっとだけ芽生えた僕のプライドは
君が認めなきゃ 儚く散る
ご清聴ありがとうございました
是非音源も聴いてください
https://linkcloud.mu/4a4c9f95
追記
2020年の11月
僕はこの曲の詩を作るために自主的に合宿を敢行した
その時リピートして観た「映像研には手を出すな」
このアニメのお陰でこの曲がある(特に曲のテーマとは繋がりはない)
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