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いいコミュニティを作り出す最初の一歩は何だろう?考察してみた。

ダニエル・キムの成功循環モデル

良いコミュニティを作り出すにはどうしたらいいのだろう?実はベースとなる考え方が存在する。これは「ダニエル・キムの成功循環モデル」と呼ばれ、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している、理論の一つである。コミュニティとは人間が複数集った集合体である。そのコミュニティが機能するためには、様々な人間的要素が絡み合う。ダニエル・キムの成功循環モデルでは、コミュニティで、成功を生み出すために質が求められる重要な要素が4つあるとされている。それが「関係性の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」である。

  • 関係の質:お互いが信頼していてコミュニティメンバー同士でしっかりコミュニケーションが取れている

  • 思考の質:周りの意見や顔色を窺わず、まずは多くの質問やアイデアが出る

  • 行動の質:1つの効果的な行動をきっかけに、新しい行動が誕生する

  • 結果の質:組織の目標が達成され、成果につながる

この4要素が高い質で、正しい順番で機能すると、そのコミュニティには成功の「好循環」が生まれる。ここで重要なのが「関係性」が好循環のスタートとなることだ。まずメンバー同士の「関係性の質」が高まることで、お互いの意見を尊重しながら意見交換できるようになり「思考の質」が高まる。すると生まれたアイデアをもとに、様々な質の高い「行動」が生まれ、「結果の質」が高まる。するとコミュニティの「関係性の質」はさらに高まり、成功の循環が生まれるというもの。その仕組みは以下の図を見てほしい。


ダニエル・キムの成功循環モデル


コミュニティに成功循環モデルを適用させるためにできることは?

ダニエル・キムの成功循環モデルをコミュニティに適用させるために、コミュニティを動かす側の人間は何をすればいいのだろう?私の経験上、コミュニティマネージャーの立場の者がとるべき行動は「関係性の質」「思考の質」「行動の質」を高めるために、メンバーと伴走することが大切だと感じる。

コミュニティのチャットツールに風を吹かす

コミュニティに参加すると、当たり前のように「チャットツール」と呼ばれる、オンライン上でみんなが必要な資料を共有したり、連絡を取り合ったりできる機能を使う。ここでコミュニティ全体の連絡やコミュニケーションが行われる。はじめのうちは顔も名前も知らない人たちが、チャットツール内で自己紹介しあい、その自己紹介投稿にコメントをしあう。こうして徐々にコミュニティが動いていくことがほとんどだ。では、はじめの関係性をどう構築するか?

この関係性の構築こそコミュニティマネージャーの最大の仕事であるように思う。時にはオンライン・オフライン問わず交流会を企画したり、趣味やライフスタイルが似たようなコミュニティメンバー同士を紹介し、コミュニケーションの仲介に入ったり・・・。このように、コミュニティ立ち上げ初期に、メンバー同士を繋げてアイスブレイクの機会を作り出すことで、成功循環モデルでもっとも重要な「関係性の質」が高まる。

ある程度、コミュニティの関係性が高まったら「思考の質」「行動の質」は、どのように高めていけばいいのだろう?私は最初の一歩を踏み出すファーストペンギンをいかに作り出すかが重要であると考えている。

このファーストペンギンは自ら手を挙げて現れるのが理想的。もし現れなかった場合は、コミュニティマネージャーの出番である。メンバーの内に秘めた「これが気になっている」「こういうことをやりたい!」という気持ちを、みんなの前で言語化させるお手伝いをいかにできるか。励ましの言葉や自身の経験から、ノウハウを伝授して、メンバーの「思考」を引き出し「行動」に移すための背中を押す。

自分がコミュニティマネージャーだったら??

自分がコミュニティマネージャーの立場になったら、前述した「関係性」の構築から、メンバーの「思考」と「行動」を引き出すまでの一連の流れを後押しできるようになりたい。大事なのはあくまでメンバーを「引っ張る」のではなく「伴走する」ことであると思う。メンバーが段差や壁を超える手助けと、精神的な支えになることで、コミュニティに好循環を生み出すきっかけを作ることが大事だと考える。

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